夏休みの最後の東京史跡訪問は、お茶の水にある湯島聖堂。一度行ってみたいと思っていたのですが、なかなか訪れる機会がありませんでしたので、東京三昧のこの夏休みにやっと決行。
湯島聖堂は、元禄3年(1690年)に、徳川五代将軍綱吉がこの地に孔子廟を建て、幕府の教育担当の林家も引っ越しし、儒学の振興を図るために創建したものです。聖堂とは孔子の寛政年間には、あの昌平坂学問所として幕府直轄の学問所となったところです。明治以降、ここには文部省、博物館、東京師範学校及びその附属学校、東京女子師範学校及びその附属学校が一時同居していたこともあるとのことで、これらを総合してか、入口近くには「日本の学校教育発祥の地」との碑があります。
〈仰高門〉
仰高門をくぐり林の中を進むと、都会のど真ん中とは思えない静寂な空間が存在していました。この夏休みに訪れたところはどこも似たようなものでしたが、こちらも私以外に訪問客はゼロ。
正面横には、孔子様の像が立っています(Wikiによると世界で一番(背が)高い)らしい)。
そして、本丸とも言える大成殿へ。入徳門、杏壇門をくぐって大成殿の敷地に入るとその威厳ある建物とそれらに囲まれた静謐な世界に包まれ、背筋が伸びるような感覚になります。まさに「聖地」ですね。
〈入徳門〉
〈杏壇門〉
〈大成殿〉
ただ、ちょっとがっかりだったのは、大成殿らの建物自体は鉄筋コンクリート作りで、歴史的・時間的な重みを感ずることができなかったこと。材質の違いというのは如実に素人にも分かってしまうので、様式は江戸時代そのままであっても、どうしても醸し出される雰囲気はもう一歩なこところはあります。ただWikiによると、関東大震災での消失とのことで、これは致し方ないですね。
土・日・祝日は大成殿のなかも覗けるそうです。あいにく平日だったので、叶いませんでしたが、次回は土日に来てみようと思います。
〈門の屋根から私を見下ろす動物たち。怖い〉
2020年8月18日