Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

音楽裁判

2025年02月27日 06時30分00秒 | Weblog
 「この『阿古屋』を人形浄瑠璃(文楽)で上演する場合、奏者と人形遣いは別々だが、大変なのは歌舞伎の場合。俳優は舞台上で実際に、琴、三味線、胡弓を弾かなければならない。それも、武将に愛された傾城の品位を保ち、嘘のない真っ直ぐな音で、かつ、戦によって恋人と別れ別れになった傾城の悲しい心情を表しながら。
 そうしたハードルの高さゆえ、阿古屋を演じることができる歌舞伎俳優は極めて稀。この20年間に演じたのは、坂東玉三郎のみだ。

 夜の部最初の演目は「阿古屋」。
 昨年12月にも国立劇場の文楽公演で上演された「音楽裁判」のストーリー(12月のポトラッチ・カウント(4))。
 文楽では、人形遣いではなく、客席右側で一人の奏者が琴、三味線、胡弓という3つの楽器を演奏する。
 それが、歌舞伎となると、何と、役者が実際に演奏しなければならないのである。
(ちなみに、先日、宮本貴奈さんは、ピアノ、ヴォーカルとハーモニカの三役を務めていた:ムロはずし
 これが出来るのは、中村梅枝(現時蔵)と中村児太郎が演じた2018年までは、世界中で玉三郎ひとりだけだった。
 玉三郎は、この楽曲を二十歳の頃にマスターしたらしい。
 私見では、阿古屋は実際には景清の所在を知っており、それを必死に隠しているという読みである。
 だが、玉三郎は「阿古屋は本当に景清の居場所を知らない」という筋立てで演奏しているそうだ。
 そんな問題などどうでもよくなってしまうような名演奏・名演技であった。
 
 
 
コメント
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