オオアカゲラも,北海道にいるのは,亜種エゾオオアカゲラなんだと。
地元宮城にいる(はず)のは,本州中部以北にいるという,亜種オオアカゲラ。
それより南にいるのは,亜種ナミエオオアカゲラ。
ただし,亜種オオアカゲラと亜種ナミエオオアカゲラについては,日本鳥類目録改訂第7版では,「本亜種の分布域は明確ではないため,検討が必要である」とされている。
奄美大島に分布する亜種オーストンオオアカゲラと合わせると,4亜種が日本に存在していることになる。
亜種エゾオオアカゲラは,亜種エゾアカゲラ同様,本州にいる亜種より白っぽいらしい。
写真で比較してみよう。
こちらが,2023年4月に,宮城県で撮影した個体。
こちらが,今回,北海道で撮影した個体。
今度は背中側の比較。
宮城の個体。
今回の個体。
どうだろう。
腹側の方の違いはよくわからないが,この2個体に限っては,背中の白斑は北海道個体の方が,明らかに大きい。ただ,個体差もあるし,これを指標に亜種を見分けるのは,勇気がいる。
それにしても,なんでもかんでも,「エゾ」(蝦夷)って,頭に付けているのが,だんだん気になってきた。
蝦夷って,元々は,古代の北陸,関東以北に住んでいた人を指す語だった。
この語自体,差別用語にはなっていないが,使う人が使えば,東北人を「文化的程度が極めて低い」野蛮な輩と,蔑視する場合にも使える語。
36年前,サントリーの佐治氏は,「蝦夷」って語を,そのように使おうとして,「熊襲」(くまそ)と言い間違えた。
東北では,いまだにサントリー製品を忌避する人がいるほど,ひどく心を傷つけられた舌禍事件。
謝って解決するようなものではなく,当時は,あぁ,そのように認識されているんだなぁ,蔑まされているんだなぁ,と思った。
どんな言葉だって,言葉自体に罪はなく,本来,ニュートラルなものなのだが,それを汚して使えない言葉にするのは,薄汚れた人間の差別意識や独善主義。
前述の佐治氏が使いそこねた以外に差別的な使い方をする人がいなかったため,幸い「蝦夷」は,「使えない言葉」にはなっていない。
それにしても,なんでもかんでも,エゾだもんな。
ちなみに,鳥で,エゾが付くのは,ほかに,エゾコゲラ,エゾセンニュウ,エゾビタキ,エゾフクロウ,エゾムシクイ,エゾヤマセミ,エゾライチョウがいる。
うち,エゾビタキとエゾムシクイは,本州以南にも来る鳥なので,エゾを付ける意味自体がわからない。
シマエナガやキタキバシリのように,シマやキタが付く北海道の鳥もいるが,元々の語の意味が広いので,北海道の鳥に限定されてはいない。
うち,エゾビタキとエゾムシクイは,本州以南にも来る鳥なので,エゾを付ける意味自体がわからない。
シマエナガやキタキバシリのように,シマやキタが付く北海道の鳥もいるが,元々の語の意味が広いので,北海道の鳥に限定されてはいない。
(2024/05/17-20 エゾオオアカゲラ)
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