東海道途中下車の旅-2 多治見 その3
相変わらず、リコーGXR+マウントA12+フォクトレンダーカラースコパー35mm F2.5 PIIで撮影しています。だんだんこの組み合わせの絵にも慣れてきて、けっこういけるかもしれないと思うようになってきました。
さて、本館向かいの古陶磁資料館に入ります。
ペルシャ、中国、朝鮮、日本の古い陶器が展示差されています。
裏庭には桃山様式の半地上式穴窯があり、年に1,2回焼成されるそうです。
ペルシャ・セルジュク朝 ラスター彩 タイル 11~12世紀
みんな加藤卓男さんが収集したものですよ。すごいものです。
スペイン・マニセス ラスター彩鳥文鉢 17世紀
イラン・グルガン 青釉動物置物 12~13世紀
イラン・グルガン 青釉銀化水注 青釉が土中で銀色に変化したもの。 青釉はいいな。
イラン・パボール 青釉双鳥文鉢 13~14世紀 イラン・アモール 青釉鳥文鉢 14世紀
ペルシャ三彩彫花文鉢
青釉双鳥文鉢
イラン・アモール 青釉点文鉢 14世紀
ペルシャ三彩鉢
ここから日本の美濃古陶器ですが、ペルシャの三彩の影響を受けているとは思いませんか。
美濃焼の日本離れた模様は、どうしてこのようなパターンが生まれたのか不思議でした。日本人のオリジナルにしては斬新すぎます。どうも、シルクロードのパターンの影響を受けているとしか思えません。
弥七田織部高台鉢 美濃 江戸時代
青美濃幾何文向付 美濃・倉屋敷 桃山時代 16~17 世紀
織部 桃山時代 16~17世紀
隣の常設窯出し市をちょっと覗きます。
あんまりいいものを見た後では、申し訳ないけれど普及品の焼物は買う気が起きません。
ごめんなさい。
ウイキペディアから織部焼に関する記述をちょっと紹介します。千利休の弟子であった大名茶人、古田織部の指導で創始され、織部好みの奇抜で斬新な形や文様の茶器などを多く産した。当時の南蛮貿易で中国南方からもたらされ、茶人たちに珍重された交趾焼(華南三彩)を元にしたと考えられる。釉薬の色になどにより、織部黒・黒織部、青織部、赤織部、志野織部などがあるが、緑色の青織部が最も有名である。織部黒・黒織部は茶碗が殆どあり、それ以外は食器類が大半を占める。>
黒織部
幸兵衛窯のようにパターンの発祥と伝搬を軸に説明してくれると、当方にはとって理解できるのです。他のところで中国、朝鮮から色々な文化が日本に入ってそれがいかに変化して日本独特の文化になっていったのかというきちんとした説明に出会ったことがありません。その中心人物である渡来人の話も陰にかくれています。どうしても意図的に、朝鮮からの文化の移入をぼやかしておきたいという戦前の日本の意図がそのまま後尾引いているに違いありません。もういい加減に、きちんとした説明をしないと、とっても困ったナショナリズムが発生してしまいますよ。加藤卓男さんや幸兵衛窯を見習ってください。
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