登場人物の日本語が~とか、日本での撮影シーンが~とか、
前回文句ばっかいっておりましたが、
もう見慣れたんでしょうか、全然平気になりました。
というか、みなさん急激に日本語での演技がお上手になった気が……。
俳優さんってすごいわ。
《あらすじ》
船上パーティーに出る前、テソンは街で女を拾い、ヨットで一夜を共にしていた。
自堕落な生活を送っていたのである。
ジェインは質素なホテルに泊まって、なんとかガラスの仮面の買い付けを
成功させなくては、と思っていた。
この仕事の成功が、妹の学費や、日々の家賃と直結するのだから。
韓国では、イ刑事が持論を展開している。
「死んだ彼女の恋人はヘシンの御曹司で、言い争っていたのはヘシンを追い出された男。
僕なら、慕っていた女を手ひどく捨てたと知ったら、相手の男をぶっ殺しますね。
ヘシンのホン・テソンを」
ゴヌクは日本に来ており、テソンの動向を見張っていた。
ジェインの落とした招待状を使って、テソンをパーティーに呼び出したのはゴヌクである。
こうしてジェインとテソンは、船の上で出会うことになる。
その船上で、テソンは人を助けるために海に飛び込み、
ゴヌクに捕まって、溺れてしまうのだ。
クァク刑事は、施設へ調査に出向き、もうひとりのホン・テソンについて調べはじめた。
警察に保護された、背中に大きな傷のある少年。
唯一心を開いたソニョンが里親にもらわれて施設を去った後、彼も姿を消してしまった。
その記録は、写真も含め、失われていた……。
テソンは船の医務室で目を覚ました。
海に落ちた男は助かったようだが、いつの間にか姿を消していた。
暗い海の中で、自分を殺そうとした男は、いったい誰なのか?
テソンは不安にかられ、傍らに置かれたジェインのバッグを探る。
彼女の携帯に、偶然かかってきたシン夫人からの電話。
「ジェイン?あら?切れたのかしら?」
不審に思いつつ、テソンは自分の携帯から、母に電話をかけた。
「ジェイン?」
「俺だよ、ジェインって誰?隠し子でもいるの?」
「仕事を頼んだ人よ。あなたに関係ないでしょ。何か用?」
素っ気ない母の態度に、テソンはムッとする。
「俺、具合が悪いんだ」
「そう、病院へ行きなさい」
夫人は即座に電話を切ろうとしたが、テソンが言葉を継いだ。
「ちょっと待ってくれよ」
「お金?」
「金なら腐るほどあるよ!じゃあな」
「ああ、待って?彼に会った?人を送ったの」
「へぇ、いつ帰せばいい?」
「一週間、いえ、短ければ短い方がいいわ。
我が家のクズはあなたひとりでたくさん。たまには役に立ってちょうだい」
「断ったら?」
「文無しになって好きにしなさい」
母は冷たく電話を切った。
テソンは涙ぐみ、医務室を出て行く。
ちょうど行き会ったジェインは彼の涙を見て、放ってはおけなかった。
甲板に出ると、沖で花火が上がっていた。
「普通は、子どもが具合が悪いと言ったら、母親はなんていうのかな」
テソンの様子を見て、ジェインはそっと答える。
「どこが痛いの?すごくつらい?って私の母なら言うわ。
子どもの具合が悪いと、母親は十倍辛いんだって」
「ほんとの母親なら、そうだよな……」
「ソニョンって誰?さっき私をそう呼んだわ」
「すごくつらい?って、聞いてくれる人」
「電話してみればいいのに」
「出ないんだ……」
「出るまでかければいいのよ」
「出ないんだよ……」
テソンはジェインの肩にもたれかかるように彼女に身を寄せた。
ウェイター姿のゴヌクが、横を通り過ぎてゆくが、ジェインは気付かない。
「あなたが溺れたの、わたしのせいみたいよね、ごめんなさい」
すると、テソンは急にジェインにキスをした。
彼の頬を平手で打って、足早に去って行くジェイン。
花火の音を聞きながら、テソンは甲板に崩れ落ちた。
モネに言わせれば、テソンは家族の中で一番かわいそうな人なのだそうだ。
ゴヌクはテソンのヨットに入り込み、テソンのシャツを着て、テソンの酒を飲む。
彼も一度は、ホン・テソンだった男なのだ。
ゴヌクはテソンの前に現れた。
「はじめまして。シム・ゴヌクです」
忠実な執事のように、気まぐれなテソンに仕えるゴヌク。
テソンはゴヌクに、あの麻薬の売人を連れてくるよう、命じた。
「なぜか俺を狙っている。何が目的なのか吐かせてやる」
しかし、その若者はゴヌクに金をもらってそうしたまでなのだ。
ゴヌクはテソンの前で追跡劇を演じてみせ、若者を逃がした。
テソンは若者に執着が残るが、ゴヌクの話をきいて、まあいいか、と思い直した。
ネコはネズミを捕るとき、一度にかみ殺したりはしないそうだ。
いたぶり、もてあそんで、飽きると殺して、死体をさらす。
そんな話が気に入った。
自分が気まぐれに女にやってしまったヨットも、ゴヌクは取り返していた。
どうやらこいつは使える男のようだ。
ただ、ひとつ気になる。
悪夢から覚めたテソンは、海の中の男が気になる。
あの若者ではなかった……。
テソンはゴヌクに、よく顔を見せるように命令した。
「お前、俺に会いに来た日の前の晩は何してた?」
「ヨット捜しに疲れて寝ていましたよ」
テソンはゴヌクの言葉を信じた。
「ムン・ジェインが、なぜ日本に来たか調べろ」
テソンの命令だ。
ジェインは、大学のセミナーにやってきた龍先生をなんとか捕まえた。
助手に間違われて使われるが、嫌な顔ひとつせずに働く。
そのセミナーにゴヌクが現れて、ジェインは驚いてしまった。
セミナー修了後、龍先生は
助手でもないのに補佐してくれたジェインの望みを尋ねてくれた。
「ガラスの仮面を、譲っていただきたいのです」
「そうか……。工房に来い。譲るかどうかは別だけどな。
韓国の焼酎もってこいよな。無けりゃ工房に入れないぞ」
軽口をきいて、機嫌のよさそうな先生を見送って、ジェインはホッとした。
「すみません、キャンパスを案内してもらいたいんですけど」
日本語で声をかけてきたのは、ゴヌクだ。
「なによ、上手じゃない」
「なに言ってんだよ」
笑顔のふたり。
「なんでここに?講義室で会うなんてびっくりしたわ」
「人に会いにきた」
「誰?この学校の人?」
「うん」
ゴヌクは優しい目で、じっとジェインを見つめている。
「ふ~ん、会えた?」
「うん」
「日本で就職とは、意外に優秀ね」
「おかげさまでね」
「ん?」
「わたしは用事があるけど、一緒に行く?」
「まだ終わってないけど……うん」
「じゃ行きましょ?」
思いがけない再会にジェインは楽しそうなのだが、
ゴヌクは暗い目で、彼女の背中を見つめていた。
明日の切符も買ったし、今日の仕事はこれでおしまい。
「ごはん食べよ」
のびのびしたジェインに、ゴヌクが真面目な顔で問いかける。
「ジェイン、なぜホン・テソンを?なぜホン・テソンなんだ?」
「ねぇ、ナポレオンの言葉を知ってる?
パリでは人徳より、高貴な馬車が尊敬される。
高貴な馬車よ。かっこいいじゃない」
もう終わったことと、さばさばと返事をするジェイン。
ゴヌクは彼女を先に店に行かせ、自分はこっそりジェインと同じ切符を買った。
そこへ、テソンから電話が入る。
「女は見つけたか」
「はい」
「目的は?」
「ガラスの仮面を買い付けに来たようです」
「ふふ、横取りしてやる」
子どもっぽい復讐心、といった雰囲気のテソン。
「それだけですか?」とゴヌクは聞いた。
「彼女に興味があるならわたしが」
「余計なことをするな」
不機嫌になったテソンはゴヌクを一喝し、すぐ帰るよう命令した。
タクシーに乗り、帰って行くゴヌク。
ジェインの電話に、「仕事だ。今度奢るよ」とわびを入れる。
「ちぇ、せっかく一緒に遊べると思って楽しみにしてたのに。
仕事じゃしょうがないか。じゃね」
電話を切って、ふうっと、ため息のゴヌク。
それぞれが、ひとりで過ごす日本の夜。
翌朝、ジェインは龍先生の工房へと向かった。
ところが、テソンが着いてくる。
理由がわからず、イライラするジェイン。
テソンはどうしてもガラスの仮面を手に入れて、母親を困らせてやりたいのだ。
「あなた謝るべきよ!わたしに無理矢理キスして」
「そっちこそ俺をぶっただろう?」
話している最中、テソンは反対側のホームにいる例のチンピラを見つけ、逆上した。
怒鳴り声をあげ、電車が入ってくる線路に今にも飛び降りそうな勢いのテソンを、
ジェインが必死に止める。
「気をつけなさいよ、国の恥をさらすなんてよしてほしいわ」
列車が通り過ぎると、チンピラの姿は消えていた。
自分の腕をつかみ、親身になってくれた様子のジェインを見て、
テソンは不思議そうだ。
「ホン・テソン」
「え?」
「俺の名前だよ、ホン・テソンだ」
「誰が?」
ジェインはきょとんとしている。
「もしかして、ヘシングループを知ってる?」
「当然だろ?」
テソンの返事に、ますますハテナマークが飛びかってしまう。
「韓国人なら常識だ」
「ああ~、ええ~、そうよね。またホン・テソンか……」
まさかこの人が、本物のわけがない。こんな偶然あり得ない。
「同じ名前の知り合いでもいるの?」
「別に知り合いって程でも」
「それ、もしかして、俺じゃない?」
「え?いいえ、彼がどこにいるにしろ、あなたじゃないことだけは確かだわ」
ジェインはすっかり興味を失った様子で、電車に乗り込んだ。
席に腰掛けると、すかさずテソンが隣に座る。
ジェインは徹底的に無視する構えだ。
時間差で、テソンの荷物を持って乗り込んだゴヌクは、
テソンに合図をして、すこし離れた席に座った。
ふと、ソニョンのことを考える。
列車は、雪の残る風景の中を走ってゆく。
ゴヌクは席を立ち、ふたりの座席の横を通った。
「あ!ゴヌク!」
ジェインが目ざとく、彼を見つける。
「どうしたの?こんなところで」
「出張」
「そうなの、ね、ここに座って!」
「ああ」
ジェインは嬉しそうだ。
テソンは素知らぬふりで、ゴヌクはいたずらっぽく笑った。
ジェインが席を立ったすきに、テソンはゴヌクに話しかけた。
「知り合いか?どこで?」
「モネを通して二三度会いました」
「なぜ黙ってた。調べろと言った時には知ってたんだろ」
ゴヌクはニヤニヤと笑う。
「聞かれなかったので。紹介しましょうか?」
「紹介?いや、仮面を横取りして会長夫人を困らせてやる。知らないふりを」
テソンは狸寝入りだ。
ジェインは、缶コーヒーを買ってきてゴヌクに手渡すと、
寄り添うように隣に座った。
「見て、まだ雪が残ってる。
ねぇ、ゴヌク、なぜ画家が絵を描くかわかる?
きれいな景色を見ていると、理由がわかる気がするわ。
時間と共に消えゆく美を惜しんで、絵に残すのよ。でしょ?」
ゴヌクはずいぶん近くで話すジェインを見ている。
その様子を盗み見たテソンは我慢ができず、話に割り込んだ。
「雪なんか冬には珍しくもない」
「何を尊ぶかは人によって違うのよ。望みもね。
だいたいなんであんたが口を挟むのよ」
噛みついたジェインに、ゴヌクは可笑しそうだ。
ゴヌクは他人のフリをして、テソンに話しかけた。
「僕たち、初対面ですね。はじめまして、シム・ゴヌクです」
「ホン・テソンだ」
仕方なく、テソンも名前を名乗る。
「ホン・テソンだって」
ジェインに意味ありげに言うゴヌク。
「何よ」
「いや、どこかできいた名前だな、と思って。
ホン・テソンさんはもしかしてお金持ち?」
「金持ちだよ」
「うらやましいな」
テソンはふたりの親密な態度が気に入らない。
ゴヌクはかまわず、ジェインに小さな声で話しかける。
「金持ちだって」
「からかってるの?殴るわよ?」
ジェインをからかって、面白そうに微笑むゴヌク。
駅に着いたテソンはご立腹だ。
「他人の設定だかからな。工房にはひとりで行く」
「ホテルと工房の住所です。それからこれは龍先生に」
紙袋をひったくると、
「まるで恋人だな」と捨て台詞を残して、テソンは歩き去った。
駅からジェインが出てくる。
「やっと行ったわ。嫌になっちゃう」
「俺は宿に行く。どこか予約した?」
「いいえ」
「じゃあ一緒に行くか?」
「そうする」
ジェインとゴヌクは、宿に着いた。
フロントに新婚旅行と間違われてしまった。
龍氏のガラス工房。
先に着いたのは、ホン・テソンだった。
「ガラスの仮面の件でお伺いしました」
「あれはもう先約がいるんだけどな」
「ええ、彼女は用ができて、わたしが代わりに。
これ、つまらないものですが……」
テソンは加才なく、おみやげの韓国焼酎を手渡した。
龍先生の顔がほころんだ。
遅れてやってきたジェインは、工房の助手からいきさつを聞いてびっくり。
急ぎタクシーで、ふたりの乗る車を追いかける。
やっとのことで追いつき、龍先生を止めると、テソンが車から降りてきた。
「連れじゃないのか?」
ふたりは雪の降る道ばたで言い争いを始める。
先生はあきれて、車に乗り込んでいってしまった。
「あ!先生!」
「なんだよ、置き去りにするつもりか!」
韓国では、刑事たちがホン・テソンの記録を追っていた。
ホテルのゴヌクに、モネから電話が入る。
「元気?ご飯食べてる?わたしはパスタを食べたわ。
ゴヌクさんと食べたかったな……」
いつまでも続くモネの楽しげな話を聞くのも疲れた様子のゴヌクは、
携帯をつかんだ手を力なくたらした。
(つづく)
「シム・ゴヌク です」にっこり。
へぇ~。
ホン・テソンって、意外に子ども子どもした人ですね。
お父さんの会社に乗り込んで、あんな風にアナウンスして出てきちゃった様子とか、
もしかして……と思っていましたが、
まだまだ反抗期の息子?
死にそうにこわい目にあって、ついつい大嫌いなはずの継母に弱音を吐いちゃう。
優しくされたいだけなのに、
「お金?」って言われて、悲しくなっちゃう。
涙ぐんじゃうなんて、どんだけ?
母のように、姉のように、自分を愛してくれたスヒョンさんが死んで、
心がすっごく弱っているんですね。
まぁもともと寂しがりなのか。
ネコとネズミの話も、
「おい、途中でやめんなよ、続きは?」ってゴヌクに聞いちゃって、かわいい。
メンタルは小学生かも。
モネといいテソンといい、ゴヌクにかかってはお子ちゃま同然ですね、ホントに。
だいたい船でジェインを誘った時点で、ヨットは人にあげちゃってたんでしょうが。
適当なお兄さんだわ~。
そしてうわさに違わず、めちゃくちゃお金持ちだわ~。
お父さんもお母さんも、カード止めたりしないんですね。
お父さんはとにかく彼には甘いみたい。
国家プロジェクトのロボットなんとかも、「テソンが好きそうだな」って言ったり、
テソンのやんちゃも嬉しいみたいだしね。
お母さんの方は、面倒さえおこさなきゃそれでいいって感じで、
息子を本気で更生させようとは微塵も思っていない様子。
だって、自分の子じゃないんですもんね。
夫の愛人の子ですよ?
プライド高そうな夫人だから、そこは許せないと思うわ~。
愛情なんてないでしょうねぇ。
テソンもいい加減大人なんだから、そこんとこ自覚すればいいのに。
金持ちの坊ちゃんが女に甘えてキスなんかして、
ぶっ飛ばされて当然ですよ。
また海に突き落とされなかっただけ、ありがたいと思わんと。
今回はとにかくゴヌクとジェインのいちゃいちゃが楽しい回で、
わたしもニヤニヤしながら観ました。
ヘンタイじみていますが、これがこの回の正しい楽しみ方だと思うね。
ゴヌクもわざわざふたりの前に出て行かなくてもいいわけじゃないですか。
でも、わざと気付かれるように、ジェインの前に出て行く。
居眠りして、頭をもたせかけあって眠るふたりの姿を見て、
なんかイヤだな、って思っちゃったんですね、きっと。
ちかい、ちかいよジェイン。ゴヌクもじっと見てて。テソンは怒るよね。
ふたりだけにわかる話題でコソコソ話してニコニコして、
見せつけたいんですね。
そんなことしながらも、何やってんだ俺は……みたいに
ふと遠い目をするゴヌクの表情が寂しくて、ドキッとします。
これはなんていうか、
惚れてまうやろ~ ←古い
世間一般の女性は、悪い男が時に見せる寂しげな顔に弱いものです。
これはソニョンを思っていたときの表情。セツナス。
ジェインが、何も知らない無邪気な様子なのが、
余計にゴヌクを惹きつけるんですね、きっと。
自分の一番汚い部分を、知らない女。
一緒にいると、自分が何を目的にここにいるのかすら、
忘れてしまいそうになる女。
復讐者ゴヌクにとって、ジェインは危険な女であると同時に、
安らげる女でもあるのね。
だからモネの電話はうっとおしいんだな~。
俺がここにいる理由を思い出させるな……って雰囲気です、ゴヌク。
ゴヌクはジェインにききますね、
「なぜホン・テソンなんだ?」と。
金持ちで、独身で、自分をふった男を見返せるくらいのスペックの男は、
他にも腐るほどいるだろう?
なぜ、よりによってホン・テソンだったんだ?
お前が近づこうとした男が、なぜホン・テソンでなければならなかったんだ?
ゴヌクの質問の意味は、そういうことなのかな、と感じました。
それがホン・テソンでなければ、お前と出会うこともなかった。
俺の復讐劇のシナリオに、なぜお前は紛れ込んできたんだ?
そうじゃなかったらよかったのに……っていう気持ちがゴヌクにあるんじゃないかなー。
スヒョンがなぜ死んだのか、誰を拒んで落ちたのか、
まだわからないですけれど、
彼女が死んだことで、もうゴヌクは後戻りできないと思うの。
それなのに、ジェインが現れて、彼の気持ちをかき乱しているんじゃないかしら。
どうでしょうね?
ジェインは素直に、まぁ誰でもよかったんだと、答えたように見えます。
ホン・テソンという人間を選んだんじゃない。
ただ、高貴な馬車に乗ろうと思っただけなんだ、と。
彼女にしてみれば、それがたまたまホン・テソンだっただけの話。
しかもそれは終わった話で、ジェインはあっさりしたものです。
とにかくジェインはかわいい。
日本語では、彼女の勝ち気な部分が抑制されていて、なおさらかわいい。
彼女は計算高いしたたかな女じゃなくて、
ただちょっと、俗なことを考えたりもする、普通の人だと思います。
お金持ちに憧れる気持ちって、ちょっとはあるじゃない?
宝くじが当たらないかなーと思って、
よくあたる売り場に買いにでかけたくらいの行動だと思ったりする。
夫人に言わせると、いつもは身の程をわきまえた子らしいですから。
龍先生、豊原功補 さんが演じています。
たくさんのドラマや映画に出演されていますね。
わたしが覚えているのは「南極料理人」かなー。
さすがに重要な役は、上手な方が出ておられて、安心です。
韓国焼酎、日本でも案外ふつうに手に入ると思うけどねー。
ロケ地は下呂。
いい温泉地ですね。
どのくらいまで日本で撮影するのかな?
助手役は韓国の俳優さんなのかなーって感じでした。
雪の風景がどこか悲しくて、旅情を感じさせます。
アンニュイな音楽と、温かくなごやかな音楽と、
けっこうBGMがかかりまくりますが、うるさい感じもなくて、わりと好きです。
名古屋から下呂温泉はJRで行くと便利なんだけど、あの列車は……何線?
名鉄でもないしな~。
ジェインもコーヒー買ってきてくれますが、最後列の車両なのにどこから?
など、重箱の隅は気にしないでおきましょう。
さてガラスの仮面、無事手に入るのかな?
前回文句ばっかいっておりましたが、
もう見慣れたんでしょうか、全然平気になりました。
というか、みなさん急激に日本語での演技がお上手になった気が……。
俳優さんってすごいわ。
《あらすじ》
船上パーティーに出る前、テソンは街で女を拾い、ヨットで一夜を共にしていた。
自堕落な生活を送っていたのである。
ジェインは質素なホテルに泊まって、なんとかガラスの仮面の買い付けを
成功させなくては、と思っていた。
この仕事の成功が、妹の学費や、日々の家賃と直結するのだから。
韓国では、イ刑事が持論を展開している。
「死んだ彼女の恋人はヘシンの御曹司で、言い争っていたのはヘシンを追い出された男。
僕なら、慕っていた女を手ひどく捨てたと知ったら、相手の男をぶっ殺しますね。
ヘシンのホン・テソンを」
ゴヌクは日本に来ており、テソンの動向を見張っていた。
ジェインの落とした招待状を使って、テソンをパーティーに呼び出したのはゴヌクである。
こうしてジェインとテソンは、船の上で出会うことになる。
その船上で、テソンは人を助けるために海に飛び込み、
ゴヌクに捕まって、溺れてしまうのだ。
クァク刑事は、施設へ調査に出向き、もうひとりのホン・テソンについて調べはじめた。
警察に保護された、背中に大きな傷のある少年。
唯一心を開いたソニョンが里親にもらわれて施設を去った後、彼も姿を消してしまった。
その記録は、写真も含め、失われていた……。
テソンは船の医務室で目を覚ました。
海に落ちた男は助かったようだが、いつの間にか姿を消していた。
暗い海の中で、自分を殺そうとした男は、いったい誰なのか?
テソンは不安にかられ、傍らに置かれたジェインのバッグを探る。
彼女の携帯に、偶然かかってきたシン夫人からの電話。
「ジェイン?あら?切れたのかしら?」
不審に思いつつ、テソンは自分の携帯から、母に電話をかけた。
「ジェイン?」
「俺だよ、ジェインって誰?隠し子でもいるの?」
「仕事を頼んだ人よ。あなたに関係ないでしょ。何か用?」
素っ気ない母の態度に、テソンはムッとする。
「俺、具合が悪いんだ」
「そう、病院へ行きなさい」
夫人は即座に電話を切ろうとしたが、テソンが言葉を継いだ。
「ちょっと待ってくれよ」
「お金?」
「金なら腐るほどあるよ!じゃあな」
「ああ、待って?彼に会った?人を送ったの」
「へぇ、いつ帰せばいい?」
「一週間、いえ、短ければ短い方がいいわ。
我が家のクズはあなたひとりでたくさん。たまには役に立ってちょうだい」
「断ったら?」
「文無しになって好きにしなさい」
母は冷たく電話を切った。
テソンは涙ぐみ、医務室を出て行く。
ちょうど行き会ったジェインは彼の涙を見て、放ってはおけなかった。
甲板に出ると、沖で花火が上がっていた。
「普通は、子どもが具合が悪いと言ったら、母親はなんていうのかな」
テソンの様子を見て、ジェインはそっと答える。
「どこが痛いの?すごくつらい?って私の母なら言うわ。
子どもの具合が悪いと、母親は十倍辛いんだって」
「ほんとの母親なら、そうだよな……」
「ソニョンって誰?さっき私をそう呼んだわ」
「すごくつらい?って、聞いてくれる人」
「電話してみればいいのに」
「出ないんだ……」
「出るまでかければいいのよ」
「出ないんだよ……」
テソンはジェインの肩にもたれかかるように彼女に身を寄せた。
ウェイター姿のゴヌクが、横を通り過ぎてゆくが、ジェインは気付かない。
「あなたが溺れたの、わたしのせいみたいよね、ごめんなさい」
すると、テソンは急にジェインにキスをした。
彼の頬を平手で打って、足早に去って行くジェイン。
花火の音を聞きながら、テソンは甲板に崩れ落ちた。
モネに言わせれば、テソンは家族の中で一番かわいそうな人なのだそうだ。
ゴヌクはテソンのヨットに入り込み、テソンのシャツを着て、テソンの酒を飲む。
彼も一度は、ホン・テソンだった男なのだ。
ゴヌクはテソンの前に現れた。
「はじめまして。シム・ゴヌクです」
忠実な執事のように、気まぐれなテソンに仕えるゴヌク。
テソンはゴヌクに、あの麻薬の売人を連れてくるよう、命じた。
「なぜか俺を狙っている。何が目的なのか吐かせてやる」
しかし、その若者はゴヌクに金をもらってそうしたまでなのだ。
ゴヌクはテソンの前で追跡劇を演じてみせ、若者を逃がした。
テソンは若者に執着が残るが、ゴヌクの話をきいて、まあいいか、と思い直した。
ネコはネズミを捕るとき、一度にかみ殺したりはしないそうだ。
いたぶり、もてあそんで、飽きると殺して、死体をさらす。
そんな話が気に入った。
自分が気まぐれに女にやってしまったヨットも、ゴヌクは取り返していた。
どうやらこいつは使える男のようだ。
ただ、ひとつ気になる。
悪夢から覚めたテソンは、海の中の男が気になる。
あの若者ではなかった……。
テソンはゴヌクに、よく顔を見せるように命令した。
「お前、俺に会いに来た日の前の晩は何してた?」
「ヨット捜しに疲れて寝ていましたよ」
テソンはゴヌクの言葉を信じた。
「ムン・ジェインが、なぜ日本に来たか調べろ」
テソンの命令だ。
ジェインは、大学のセミナーにやってきた龍先生をなんとか捕まえた。
助手に間違われて使われるが、嫌な顔ひとつせずに働く。
そのセミナーにゴヌクが現れて、ジェインは驚いてしまった。
セミナー修了後、龍先生は
助手でもないのに補佐してくれたジェインの望みを尋ねてくれた。
「ガラスの仮面を、譲っていただきたいのです」
「そうか……。工房に来い。譲るかどうかは別だけどな。
韓国の焼酎もってこいよな。無けりゃ工房に入れないぞ」
軽口をきいて、機嫌のよさそうな先生を見送って、ジェインはホッとした。
「すみません、キャンパスを案内してもらいたいんですけど」
日本語で声をかけてきたのは、ゴヌクだ。
「なによ、上手じゃない」
「なに言ってんだよ」
笑顔のふたり。
「なんでここに?講義室で会うなんてびっくりしたわ」
「人に会いにきた」
「誰?この学校の人?」
「うん」
ゴヌクは優しい目で、じっとジェインを見つめている。
「ふ~ん、会えた?」
「うん」
「日本で就職とは、意外に優秀ね」
「おかげさまでね」
「ん?」
「わたしは用事があるけど、一緒に行く?」
「まだ終わってないけど……うん」
「じゃ行きましょ?」
思いがけない再会にジェインは楽しそうなのだが、
ゴヌクは暗い目で、彼女の背中を見つめていた。
明日の切符も買ったし、今日の仕事はこれでおしまい。
「ごはん食べよ」
のびのびしたジェインに、ゴヌクが真面目な顔で問いかける。
「ジェイン、なぜホン・テソンを?なぜホン・テソンなんだ?」
「ねぇ、ナポレオンの言葉を知ってる?
パリでは人徳より、高貴な馬車が尊敬される。
高貴な馬車よ。かっこいいじゃない」
もう終わったことと、さばさばと返事をするジェイン。
ゴヌクは彼女を先に店に行かせ、自分はこっそりジェインと同じ切符を買った。
そこへ、テソンから電話が入る。
「女は見つけたか」
「はい」
「目的は?」
「ガラスの仮面を買い付けに来たようです」
「ふふ、横取りしてやる」
子どもっぽい復讐心、といった雰囲気のテソン。
「それだけですか?」とゴヌクは聞いた。
「彼女に興味があるならわたしが」
「余計なことをするな」
不機嫌になったテソンはゴヌクを一喝し、すぐ帰るよう命令した。
タクシーに乗り、帰って行くゴヌク。
ジェインの電話に、「仕事だ。今度奢るよ」とわびを入れる。
「ちぇ、せっかく一緒に遊べると思って楽しみにしてたのに。
仕事じゃしょうがないか。じゃね」
電話を切って、ふうっと、ため息のゴヌク。
それぞれが、ひとりで過ごす日本の夜。
翌朝、ジェインは龍先生の工房へと向かった。
ところが、テソンが着いてくる。
理由がわからず、イライラするジェイン。
テソンはどうしてもガラスの仮面を手に入れて、母親を困らせてやりたいのだ。
「あなた謝るべきよ!わたしに無理矢理キスして」
「そっちこそ俺をぶっただろう?」
話している最中、テソンは反対側のホームにいる例のチンピラを見つけ、逆上した。
怒鳴り声をあげ、電車が入ってくる線路に今にも飛び降りそうな勢いのテソンを、
ジェインが必死に止める。
「気をつけなさいよ、国の恥をさらすなんてよしてほしいわ」
列車が通り過ぎると、チンピラの姿は消えていた。
自分の腕をつかみ、親身になってくれた様子のジェインを見て、
テソンは不思議そうだ。
「ホン・テソン」
「え?」
「俺の名前だよ、ホン・テソンだ」
「誰が?」
ジェインはきょとんとしている。
「もしかして、ヘシングループを知ってる?」
「当然だろ?」
テソンの返事に、ますますハテナマークが飛びかってしまう。
「韓国人なら常識だ」
「ああ~、ええ~、そうよね。またホン・テソンか……」
まさかこの人が、本物のわけがない。こんな偶然あり得ない。
「同じ名前の知り合いでもいるの?」
「別に知り合いって程でも」
「それ、もしかして、俺じゃない?」
「え?いいえ、彼がどこにいるにしろ、あなたじゃないことだけは確かだわ」
ジェインはすっかり興味を失った様子で、電車に乗り込んだ。
席に腰掛けると、すかさずテソンが隣に座る。
ジェインは徹底的に無視する構えだ。
時間差で、テソンの荷物を持って乗り込んだゴヌクは、
テソンに合図をして、すこし離れた席に座った。
ふと、ソニョンのことを考える。
列車は、雪の残る風景の中を走ってゆく。
ゴヌクは席を立ち、ふたりの座席の横を通った。
「あ!ゴヌク!」
ジェインが目ざとく、彼を見つける。
「どうしたの?こんなところで」
「出張」
「そうなの、ね、ここに座って!」
「ああ」
ジェインは嬉しそうだ。
テソンは素知らぬふりで、ゴヌクはいたずらっぽく笑った。
ジェインが席を立ったすきに、テソンはゴヌクに話しかけた。
「知り合いか?どこで?」
「モネを通して二三度会いました」
「なぜ黙ってた。調べろと言った時には知ってたんだろ」
ゴヌクはニヤニヤと笑う。
「聞かれなかったので。紹介しましょうか?」
「紹介?いや、仮面を横取りして会長夫人を困らせてやる。知らないふりを」
テソンは狸寝入りだ。
ジェインは、缶コーヒーを買ってきてゴヌクに手渡すと、
寄り添うように隣に座った。
「見て、まだ雪が残ってる。
ねぇ、ゴヌク、なぜ画家が絵を描くかわかる?
きれいな景色を見ていると、理由がわかる気がするわ。
時間と共に消えゆく美を惜しんで、絵に残すのよ。でしょ?」
ゴヌクはずいぶん近くで話すジェインを見ている。
その様子を盗み見たテソンは我慢ができず、話に割り込んだ。
「雪なんか冬には珍しくもない」
「何を尊ぶかは人によって違うのよ。望みもね。
だいたいなんであんたが口を挟むのよ」
噛みついたジェインに、ゴヌクは可笑しそうだ。
ゴヌクは他人のフリをして、テソンに話しかけた。
「僕たち、初対面ですね。はじめまして、シム・ゴヌクです」
「ホン・テソンだ」
仕方なく、テソンも名前を名乗る。
「ホン・テソンだって」
ジェインに意味ありげに言うゴヌク。
「何よ」
「いや、どこかできいた名前だな、と思って。
ホン・テソンさんはもしかしてお金持ち?」
「金持ちだよ」
「うらやましいな」
テソンはふたりの親密な態度が気に入らない。
ゴヌクはかまわず、ジェインに小さな声で話しかける。
「金持ちだって」
「からかってるの?殴るわよ?」
ジェインをからかって、面白そうに微笑むゴヌク。
駅に着いたテソンはご立腹だ。
「他人の設定だかからな。工房にはひとりで行く」
「ホテルと工房の住所です。それからこれは龍先生に」
紙袋をひったくると、
「まるで恋人だな」と捨て台詞を残して、テソンは歩き去った。
駅からジェインが出てくる。
「やっと行ったわ。嫌になっちゃう」
「俺は宿に行く。どこか予約した?」
「いいえ」
「じゃあ一緒に行くか?」
「そうする」
ジェインとゴヌクは、宿に着いた。
フロントに新婚旅行と間違われてしまった。
龍氏のガラス工房。
先に着いたのは、ホン・テソンだった。
「ガラスの仮面の件でお伺いしました」
「あれはもう先約がいるんだけどな」
「ええ、彼女は用ができて、わたしが代わりに。
これ、つまらないものですが……」
テソンは加才なく、おみやげの韓国焼酎を手渡した。
龍先生の顔がほころんだ。
遅れてやってきたジェインは、工房の助手からいきさつを聞いてびっくり。
急ぎタクシーで、ふたりの乗る車を追いかける。
やっとのことで追いつき、龍先生を止めると、テソンが車から降りてきた。
「連れじゃないのか?」
ふたりは雪の降る道ばたで言い争いを始める。
先生はあきれて、車に乗り込んでいってしまった。
「あ!先生!」
「なんだよ、置き去りにするつもりか!」
韓国では、刑事たちがホン・テソンの記録を追っていた。
ホテルのゴヌクに、モネから電話が入る。
「元気?ご飯食べてる?わたしはパスタを食べたわ。
ゴヌクさんと食べたかったな……」
いつまでも続くモネの楽しげな話を聞くのも疲れた様子のゴヌクは、
携帯をつかんだ手を力なくたらした。
(つづく)
「シム・ゴヌク です」にっこり。
へぇ~。
ホン・テソンって、意外に子ども子どもした人ですね。
お父さんの会社に乗り込んで、あんな風にアナウンスして出てきちゃった様子とか、
もしかして……と思っていましたが、
まだまだ反抗期の息子?
死にそうにこわい目にあって、ついつい大嫌いなはずの継母に弱音を吐いちゃう。
優しくされたいだけなのに、
「お金?」って言われて、悲しくなっちゃう。
涙ぐんじゃうなんて、どんだけ?
母のように、姉のように、自分を愛してくれたスヒョンさんが死んで、
心がすっごく弱っているんですね。
まぁもともと寂しがりなのか。
ネコとネズミの話も、
「おい、途中でやめんなよ、続きは?」ってゴヌクに聞いちゃって、かわいい。
メンタルは小学生かも。
モネといいテソンといい、ゴヌクにかかってはお子ちゃま同然ですね、ホントに。
だいたい船でジェインを誘った時点で、ヨットは人にあげちゃってたんでしょうが。
適当なお兄さんだわ~。
そしてうわさに違わず、めちゃくちゃお金持ちだわ~。
お父さんもお母さんも、カード止めたりしないんですね。
お父さんはとにかく彼には甘いみたい。
国家プロジェクトのロボットなんとかも、「テソンが好きそうだな」って言ったり、
テソンのやんちゃも嬉しいみたいだしね。
お母さんの方は、面倒さえおこさなきゃそれでいいって感じで、
息子を本気で更生させようとは微塵も思っていない様子。
だって、自分の子じゃないんですもんね。
夫の愛人の子ですよ?
プライド高そうな夫人だから、そこは許せないと思うわ~。
愛情なんてないでしょうねぇ。
テソンもいい加減大人なんだから、そこんとこ自覚すればいいのに。
金持ちの坊ちゃんが女に甘えてキスなんかして、
ぶっ飛ばされて当然ですよ。
また海に突き落とされなかっただけ、ありがたいと思わんと。
今回はとにかくゴヌクとジェインのいちゃいちゃが楽しい回で、
わたしもニヤニヤしながら観ました。
ヘンタイじみていますが、これがこの回の正しい楽しみ方だと思うね。
ゴヌクもわざわざふたりの前に出て行かなくてもいいわけじゃないですか。
でも、わざと気付かれるように、ジェインの前に出て行く。
居眠りして、頭をもたせかけあって眠るふたりの姿を見て、
なんかイヤだな、って思っちゃったんですね、きっと。
ちかい、ちかいよジェイン。ゴヌクもじっと見てて。テソンは怒るよね。
ふたりだけにわかる話題でコソコソ話してニコニコして、
見せつけたいんですね。
そんなことしながらも、何やってんだ俺は……みたいに
ふと遠い目をするゴヌクの表情が寂しくて、ドキッとします。
これはなんていうか、
惚れてまうやろ~ ←古い
世間一般の女性は、悪い男が時に見せる寂しげな顔に弱いものです。
これはソニョンを思っていたときの表情。セツナス。
ジェインが、何も知らない無邪気な様子なのが、
余計にゴヌクを惹きつけるんですね、きっと。
自分の一番汚い部分を、知らない女。
一緒にいると、自分が何を目的にここにいるのかすら、
忘れてしまいそうになる女。
復讐者ゴヌクにとって、ジェインは危険な女であると同時に、
安らげる女でもあるのね。
だからモネの電話はうっとおしいんだな~。
俺がここにいる理由を思い出させるな……って雰囲気です、ゴヌク。
ゴヌクはジェインにききますね、
「なぜホン・テソンなんだ?」と。
金持ちで、独身で、自分をふった男を見返せるくらいのスペックの男は、
他にも腐るほどいるだろう?
なぜ、よりによってホン・テソンだったんだ?
お前が近づこうとした男が、なぜホン・テソンでなければならなかったんだ?
ゴヌクの質問の意味は、そういうことなのかな、と感じました。
それがホン・テソンでなければ、お前と出会うこともなかった。
俺の復讐劇のシナリオに、なぜお前は紛れ込んできたんだ?
そうじゃなかったらよかったのに……っていう気持ちがゴヌクにあるんじゃないかなー。
スヒョンがなぜ死んだのか、誰を拒んで落ちたのか、
まだわからないですけれど、
彼女が死んだことで、もうゴヌクは後戻りできないと思うの。
それなのに、ジェインが現れて、彼の気持ちをかき乱しているんじゃないかしら。
どうでしょうね?
ジェインは素直に、まぁ誰でもよかったんだと、答えたように見えます。
ホン・テソンという人間を選んだんじゃない。
ただ、高貴な馬車に乗ろうと思っただけなんだ、と。
彼女にしてみれば、それがたまたまホン・テソンだっただけの話。
しかもそれは終わった話で、ジェインはあっさりしたものです。
とにかくジェインはかわいい。
日本語では、彼女の勝ち気な部分が抑制されていて、なおさらかわいい。
彼女は計算高いしたたかな女じゃなくて、
ただちょっと、俗なことを考えたりもする、普通の人だと思います。
お金持ちに憧れる気持ちって、ちょっとはあるじゃない?
宝くじが当たらないかなーと思って、
よくあたる売り場に買いにでかけたくらいの行動だと思ったりする。
夫人に言わせると、いつもは身の程をわきまえた子らしいですから。
龍先生、豊原功補 さんが演じています。
たくさんのドラマや映画に出演されていますね。
わたしが覚えているのは「南極料理人」かなー。
さすがに重要な役は、上手な方が出ておられて、安心です。
韓国焼酎、日本でも案外ふつうに手に入ると思うけどねー。
ロケ地は下呂。
いい温泉地ですね。
どのくらいまで日本で撮影するのかな?
助手役は韓国の俳優さんなのかなーって感じでした。
雪の風景がどこか悲しくて、旅情を感じさせます。
アンニュイな音楽と、温かくなごやかな音楽と、
けっこうBGMがかかりまくりますが、うるさい感じもなくて、わりと好きです。
名古屋から下呂温泉はJRで行くと便利なんだけど、あの列車は……何線?
名鉄でもないしな~。
ジェインもコーヒー買ってきてくれますが、最後列の車両なのにどこから?
など、重箱の隅は気にしないでおきましょう。
さてガラスの仮面、無事手に入るのかな?
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