琵琶湖に続く湖岸の道は、秋の装いに寂しげだ。
アベノミクスも絶望的な行き詰まりを見せてきたし、さて困ったものだと思ってしまう。
先日、東京である会社の社長さんと話した。
「地方創世は大失敗だね」
地方創世担当大臣は、もともと石破さんつぶしの役職だから予定通りなのだろう。
それにしても、新しい安倍内閣でも威勢の良い言葉が並ぶ。
一億総活躍担当大臣だって?
まるで、戦前の「進め一億火の玉だ」のキャッチコピーのようだ。
一体、国民にどうしろと言うのだろうか。
戦争にでも行けというのか?
絶望的な進軍ラッパに聞こえる。
「GDPは、現在の約500兆円から5年後に600兆円に引き上げるというものだが、そのためには年3%の経済成長が必要になる。これまでのアベノミクスで、年2%すら達成できていないのに、なぜ3%ができるのか。よくわからない」
出来もしないことを平然と言うようになるのは、破綻の前兆だという。
「日銀は追加緩和に踏み切るのか。市場は10月末の決定を注視するが、どう転んだところでアベノミクスの限界は近い」
しかし、客観的に見ると、安倍さんはよくやっていると思う。
だが、どこかがずれている。
他に代替性がないのだからしかたないが、もっと適任者はいないのだろうか。
「出生率を1.8に上げる」
こんなこと、できる目処もない。
むしろ、現状の人口減に見合った社会を作ったほうが良いくらいだ。
「介護離職ゼロを目指す」
掛け声としては良いのだが、現実性に乏しい。
結局、「こうありたい」という願望だけでは、社会は変わらない。
そう、社長さんは締めくくった。
確かに、地方でも都会でも、元気な人が少なくなってきた。
みんな疲れた顔をして、スマホの世界に没頭している。
安倍さんに本当に必要なのは、SEALDsのような元気ある若者の力だろう。
若い人が活躍できる社会が、いま求められている。
嘘とかごまかしでは耐え切れなくなってきている。