瀬田川にかかる橋は、古代の昔からあったようだ。
それだけ重要な橋だったのだろう。
日本三大古橋でもある。
現在の場所に橋を架けたのは、織田信長と言われている。
さて、この橋の近くに「エンコ」と呼ばれる深井戸がある。
明治時代に作られたものだ。
なぜ「エンコ」と呼ぶのかは定かではないが、長い間、エンコの井戸水が枯れていた。
ところが数年前(あまりはっきりしないのだが1990年頃か?)から盛んに水が湧き出すようになってきた。
景気が悪くなり、周辺の工場が井戸の利用をやめたから、とも言われている。
しかし、この話もあまり確かではない。
実は、この井戸の水は温度が高い。
年中19℃以上もある。
これは地中でいえば、深さ200mくらいの水の温度と一緒だ。
井戸の中に水温計と溶存酸素計を一年間沈めておいた。
昨日取り出して図にした結果を示す。
よく見ると面白いだろう。
夏ごろから水温が上昇している。
それに呼応するように、溶存酸素濃度が低下し、1%以下となった。
ほとんど酸素のない水が地下から噴き出している。
地表に出ると酸素と触れて赤褐色の水となる。
酸素が低くなるということは、水が湧き出る場所が次第により深くなってきていることを意味している。
なぜだろうか。
残念ながら確実な答えを持ってはいない。
ただ、地殻の収縮や膨張と関係しているかもしれない。
溶存酸素の値が小刻みに揺れているのも、不思議だ。
体に感じない、微小な振動が地下で起こっているのかもしれない。
ここしばらく注意が必要だろう。