DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

道(35)

2016-01-20 13:31:12 | ButsuButsu


なんだって。

朝、起きると、窓の外は雪景色だった。

どおりで寒いと思った。

億劫に思いながら、ベッドから這い出る。

長靴を履いて、大学へと向かう。

粉雪を踏みしめていると、少年のころを思い出した。

島根の山間は、豪雪地帯だった。

多い年は1メートル以上も積もった。

時には、学校が休みになることもあった。

子供たちは喜び、かまくらを作ったり、スキーをしたりした。

あの頃、明日のことなど何も考えていなかった。

世界は、村の境界で閉じていた。

貧しかったけれども、幸せでもあった。

手の届くところに生活があったし、食べ物はほとんどが自給自足だった。

今、街には、多くの食料があふれ、生活も豊かになった。

でも失ったものも多い。

毎日食べる食品の多くが、どこから来ているのかも知らない。

偽装食品などなかった。

なんでみんな競争をするのだろうか。

泳がないと沈んでいく社会。

本来はフェアな競争だったはずなのが、やがて勝つための競争となり、負けそうになるとごまかしたりする。

富の偏在が多くの競争を生み、勝つものはずっと勝ち続ける。

負けるものが勝ち上がるには、大貧民の革命しかない。

そして争いは続く。

雪道のように、時々、リセットをかければよいのに。

すべてを白く塗り替える粉雪は、転げたくなるほどふわふわだ。

コメント
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