あれから、もう5年になるのか。
3月11日を迎えるたびに、自然に対する己の無力さを感じる。
2011年1月、私は滋賀県庁にいた。
次年度予算の知事レクで、呼び出されていた。
相手は、嘉田由紀子さん。
昔の同僚だった人だ。
この日、彼女は私にこう尋ねた。
「地震が起こると言っているが本当か?」
「断言はできないが、琵琶湖の湖底の様子がおかしい」
おかしいということは言えても、断言はできない。
残念だが、それは今でも同じだ。
2011年2月、琵琶湖湖底の映像を持って東京へ行った。
そして、2011年3月11日が来た。
大きな揺れだった。
琵琶湖畔の研究所が大きく揺れた。
まさか東北での大地震とは思わなかった。
映像で見る津波は、地獄絵だった。
2011年5月、東京大学の浦先生(当時)の要請で南三陸町へ行った。
海底調査が目的だった。
そしてこの写真を撮った。
多くの人と、多くの家屋を飲み込み、多くの爪痕を残した地震。
現地では、ただ申し訳ないと頭を垂れる他なかった。
この地震より前に私がマスコミに提供した記事の情報を、以下に列記しておく。
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2010/2/26 京都新聞 湖底堆積物吹き上げ(高島沖などの深層部計1.3キロ)
2010/2/28 毎日新聞 琵琶湖底 新たな活断層?(多数の水煙噴出)
2010/3/1 朝日新聞 湖底で地殻変動?(高島沖 堆積物吹き上げ撮影)