凍土遮水壁に対する反対意見が続々と海外から届き始めた。
腹をくくって反対する必要がありそうだ。
地球温暖化の進行に伴い、北域では凍土が融解し、大量の溶存有機物が湖や海に流出している。
このことが、たとえば日本海に深層中の酸素濃度を低下させているという報告がある。
間違った判断は致命傷になる。
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イスラエル国キンネレット湖研究所のイリア・オストロフスキー博士はこう述べている。
「凍土遮水壁に関するニュースを読みました。
30mにわたって土壌を凍らせるという考えは、少し頭がおかしいのではないかと思う。
氷の壁を作り40年にもわたって維持するには、多大なエネルギーと経費が必要だ。
さらに原子炉を廃炉にする経費も多大だ。
凍土壁はかつてテネシーにあるオークリッジ国立研究所で用いられたが、期間も6年で、規模も福島原発よりはるかに小さいものだった。
この手法はとても経費がかかり、しかも問題が多い。
もっと適切な方法を早急に考え直したほうがよい。」
カナダ国ラバル大学のワーウィック・ビンセント教授の意見はこうだ。
「氷結にかかわる問題点は、極域における湖沼や凍土の研究から明らかのように、土壌が凍る際に懸濁物質が排出されるということだ。
このことによって物質の濃度は非常に高くなり、低温でも凍ることはない。
結果として高濃度の放射性物質が抽出されることになり、やがて密度流となって流出する。
このことには非常に注意を払う必要がある。」