パンセ(みたいなものを目指して)

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裁判官の判断は、業界の現実的な仕事ぶりをどの程度考慮するのだろう

2023年12月01日 10時19分41秒 | 養鶏所騒動

地元新城の話題(少しばかりしつこいが例の養鶏場の話)

市が元養鶏場の土地を高価で買い上げたことに対する住民訴訟は
約2年を費やし原告・被告双方が準備書面をやり取りした後
先月の29日結審した
判決は来年の2月1日、13時10分の予定だ

やたらと例外の多かった市の手続きは、この話を伝えたほとんどの人は
出来レースでかなり怪しいと感じるようだ
(伝え方は多少、原告側に偏った話し方かもしれないが)

そこで気になるのは、客観的な判断を下すとされる裁判官という人々は
どのような判断をしがちなのか?という点だ

一般論として土地の不動産鑑定をする場合、クライアントと委託業者は
事前に綿密に話し合うのが業界の通例で
国家資格の不動産鑑定としても、クライアントの要望を無視して
何が何でも公平中立に行いクライアントに不利な数字をだすことはない
のが現実の世界のようだ

業界のこうような姿を裁判官は知っていた上で判断を下すのか
それとも提出された準備書面の一般論だけで判断するのだろうか

今回の場合も、手続きはそれなりの一般論としての方法をとっていたとしても
その実際の内容についてはかなり不自然だ
土地評価のための参考にした場所は、4つのうち3箇所が市内ではなく
隣町の豊川市が選ばれている
それも一箇所は、養鶏所のある田舎とは異なる街なかになっている

不動産鑑定は田舎の分は割り引くという地区補正をしているから
正当性は保たれている
また豊川市が3箇所選ばれたのは不動産鑑定をしたときは
参考にできる取引事例はそれしかなかった、、と被告側は答えている

だがその当時、本当に参考にできる場所はそれしかなかったか?
不動産鑑定業者がそう主張しているだけで、ホントかどうかはわからない

また不動産鑑定は随意契約で行われたのだが、その委託料は
不動産鑑定をした結果の数字で決まる方法をとっていて
見積もりは「不動産鑑定をまだしていないので見積もりは出せない」
というものの、市の手続き上では少なくとも見積もりに相当するもの
(参考見積もり)が必要となっている

そこで行われたのが、鑑定業者に養鶏場からの希望買取価格を伝えて
それを鑑定結果とみなして委託料の「参考見積もり」を提出させるようにしている
だが、希望買取価格を伝えてしまったことの心理的な影響が
不動産鑑定にどんな影響を与えたのか?
は不安視されるが、被告は鑑定業者は真面目に公平中立に行っていると答えるだけだ

ここで裁判官という人々の解釈の仕方というのがとても気になる
原告側からすれば各種の状況から限りなく怪しいと想像される判断と
被告側の準備書面という形でちゃんとやっていると言い切っている内容と
どちらに重きをおいて判断を下すのだろう

話は飛ぶが今朝の新聞に裁判の話題が載っていた
「生活保護減額に賠償命令」とのタイトルで
生活保護の基準額を下げたのは生活保護法に違反とする内容だ
国が生活保護の基準額を下がるきっかけとなったのは
物価が低下したからでそれを反映したものとしているが
その物価の下がったものは高価なテレビ・パソコンなどの
生活保護世帯とはあまり縁のないものの価格低下を反映しているとして
それが一般的な消費実態とかけ離れている、、との説明文があった

この記事が目に入ったのは、まさにこの高価な商品の値下がりをもって
物価全体の値下がりがあったとする判断が、まるで養鶏場の不動産鑑定が
高止まりしている実態とそっくりと思えたからだ

そしてこの記事の中でもう一つ気になったのは「裁量権」という言葉で
どうやらこの言葉はかなりのキーワードとなりうるもののようだ
行政訴訟においては原告被告のどちらの言い分に正当性があるか否か
以外に、行政の下したその判断は裁量権の範囲を超えているか否か?
が判断に大きな影響をあたえる概念のようだ

つまり常識的には高いと思われる土地を購入することになったとしても
何かをクリアするためには(糞尿の匂い、ハエの大量発生などの)
このくらいの高い金額での購入は仕方ないとするかどうかという点だ

だが裁量権といえども大幅に高いものを認めるわけには行かず
一般的な目安は3倍位が判断の分かれ目になっているらしい
(新城市の例では養鶏場は、隣の土地を国が買い上げた価格の
 3倍を超えている価格での購入となっている)

ということで、裁判官のという人々は庶民的な価値観とか
正義感をもって判断に当たるのか?
それとも、それなりの準備書面と手続きさえあれば裁量権を
大幅に認めてしまうのか?少し心配を覚えてしまったということ

さて、どんな結果になることやら

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