パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

オリンピックの記憶

2014年02月26日 19時39分23秒 | あれこれ考えること
何年か経ってソチオリンピックの特集がされるとき
話題になるのは常識的にはメダリストに焦点が
当たりそうだが、もしかしてそれら以上に
取り上げられるのは浅田真央の振幅の激しかった
ドラマティックな展開かもしれない

どうもこれは日本だけのことではないらしく
各国でもそうらしい

ショートプログラムが終わった後
世界中の人から応援のメール・ツイッターの投稿があったという

しかし、結果的にフリープログラムでも3位の成績
前日との対比を除けばさほどのことではなさそう

いったい何故、浅田真央がそんなに騒がれるのだろう?

外国特派員協会の記者会見の様子が放送されたが
なるほど、そういうことか!
と思う点があった

人はどうしても好き嫌いがあるので
万人に受け入れられることは難しいが、
もっとも抵抗感なく受け入れられるのは子ども

子どもは無条件に愛情を持って受け入れられる
浅田真央は結局、多くの人にとって「子ども」
としての存在なのではないのか

日本人は小さな頃からの彼女を見ているから
真央ちゃんと自分の子どものように思ってるのは
不思議ではないが、どうやら外国人もそんな風に感じているのではないか

外国特派員協会の記者会見を現場で見た
テレビ局スタッフがふと漏らした言葉
「いや~、癒されました」
これはあの森喜朗氏の配慮のないコメントに対する
彼女の気の利いた答えに対する評価ではない
多分、あの会見場にいた人が感じた正直な印象だったのではないだろうか

質問に真剣に答える表情、仕草は
大変な経験を積んだ女性というよりも
まだまだいろんな事をどんどん吸収して感じていきそうな可能性に満ちた
愛すべき女の子に見えて、それが無条件に心地よかったのではないかと思う

思えば浅田真央の欠点はそこにあったのかもしれない
キム・ヨナと比べると子どもすぎる
自分の立ち位置の正確な分析と今できることへの徹底的な追求
そして勝つための周到な計画と、ものすごい集中力
キム・ヨナのこうした姿は本当に素晴らしい

一方、浅田真央は
良い悪いを越えて幼い

しかし、人に感動を与えたのはこの幼いという点
いつかは生きるため、生活するためにたくましくならざるを得ないが
それでも人生の一時期、純粋に前だけ向いて努力することができる
そのことへの各人の思いが浅田真央に投影して見ていたのではないか

人間性は表情・外に現れる
浅田真央の誰にでも好かれる姿は(将来は分からないが)
子どもがまっすぐ伸びている心地良さなのかもしれない

そして、この子どもがどんな風に成長するか?
それはメダルとは関係ないところで興味深いことかもしれない
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヤヌコヴィッチ、チャウシェ... | トップ | シュート力不足から連想すること »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

あれこれ考えること」カテゴリの最新記事