パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

源氏物語は漫画からスタート

2014年02月22日 19時40分12秒 | 徒然なるままに
少し前、テレビで前瀬戸内寂聴さんの
特別番組を流していた

この人は凄い
御歳90にもなるというのに全くの現役
頭の回転は速いし、宗教者と言っても
妙に分別くさいことは言わない
ただ心の動きに素直に従っているみたいで
なるほど若い女性が京都嵐山の瀬戸内寂聴さんの庵まで
説教を(お話を)聞きに来るのは分かる気がする

彼女は三島由紀夫を天才と崇めていた
残念ながら自分は三島由紀夫とは相性が良くない
何かの雑誌で三島由紀夫の原稿の写真を見た事があったが
ほとんど書き直しのないきれいな文字で書かれていた
それは、まるでモーツァルトの手書きの楽譜みたい
書き落とされた瞬間から完成されているような
そんな印象の残る原稿用紙だった

しかし、残念ながら三島由紀夫は自分と相性は良くない
いくら天才的な作品であっても、どこか人工的な感じ
作り物の感じが際立ってどうも受けつけられない部分がある

そういえば吉田秀和氏も三島由紀夫には同じようなことを
書いていた文章があった

この瀬戸内寂聴さんの番組で一番印象に残ったのは
源氏物語の話
かつて谷崎純一郎、円地文子が難解な原文の古文から
その時代のわかりやすい現代文に翻訳(?)したけれど
それらの文章でさえ現在はわかりづらくなっている
だから自分もあらたに源氏物語の現代文への翻訳に
取り組んだ

しかし、ある時、源氏物語の漫画があることを知って
読んでみたらこれがとてもわかりやすくて面白かった
だから自分が大学教授(だったかな?)を務めている
授業で、まずは漫画の源氏物語を読む(見る)ことを薦めた
と屈託なく話していた
漫画を見て、それから自分の(瀬戸内寂聴)の現代文の
源氏物語を読んで、最後に、本当に良いのは原文で読むこと
こうした発想の柔らかさは素晴らしい

それで自分もそうしようかな、と思いつつも、
女性用の漫画を見るのは(買ったり借りたりするのは)
少し恥ずかしい
というわけで図書館からは瀬戸内寂聴さんの現代文の
源氏物語をこの間借りてきた

ついでの話だが、あのテレビ番組で他に話に出てきたのが「蜻蛉日記」
これも読んでみると女の嫉妬が赤裸々に表されていて
ライバルの女性が失敗したりすると露骨に良い気味だ
というようなシーンがあって、人間ぽくて面白い
と紹介されていた

そんな話なのか?
それなら読んで見ようという気になったかもしれないが
僕らの時代の高校の古文の授業は最悪
ほとんど文法の話がメインで話の内容なんて二の次
あれじゃ古文は好きになれない

どこか教育が間違っていないか?
話が面白かったら、話のその先が知りたくなって
勝手に勉強するようにならないか?
(ならないかな?)

とりあえず、何にせよ、まずは楽しいということが大事
源氏物語は漫画からスタートは
本当に素晴らしいスタート方法かもしれない


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