「2034年米中戦争」という本については先日も書いたが、ネタバレを出来るだけしないようにしたので今一つ不完全燃焼だった。今回思いっきり全部書いてすっきりしたいので、ネタバレしたくない人は読まないでください。
この小説の大まかなストーリーは、画期的な武器を開発した中国海軍が米国の第七艦隊をほぼ全滅させてしまう。軍事バランスが大きく崩れたことに危機感を持つ米国大統領は中国海軍艦隊が寄港する中国広東省の地方都市に戦術核を落とし、艦隊殲滅のみならず数百万人の市民も道連れにする。その報復として中国は米国の2つの地方都市に戦術核を落として1千万人以上の犠牲者を出す。そして米国は報復として中国の3つの都市に戦術核を撃ち込もうとする。その時に仲介を志すインドが米国の爆撃機を襲撃して2機は撃墜するが、残り1機が戦術核を上海に落とす。ここまで来て漸く米中はインドの仲介で停戦合意する。
核戦争の報復合戦がどのようにエスカレートしていくのか淡々と書かれており、非常にリアルで臨場感がある。この小説からわかることは、核戦争は核保有国が大敗した時に起こりうる、という事だ。いくら第七艦隊をせん滅されたからといって核を使うというのは、この大統領はアホか?、とも思うが、核戦争なんて割と簡単に起こりうるのだ。
ロシアは2月にウクライナに侵攻した。まさか、と思ったが更にロシアは大苦戦してキーウ近郊から撤退して東南部戦線に注力している。そうした中、ロシア海軍の旗艦である「モスクワ」が沈没したとの報道があった。ウクライナはロシアを押し返すかもしれない。その時にプーチン大統領はどんな判断をするのだろうか。
ウクライナは負ければ領土を失うが、ロシアが負けたと感じるときには戦術核の使用がありうる。とにかく核保有国との戦争は出来るだけ早く停戦しないと、核戦争のリスクが高止まりし続ける。再びまさか、が起こるのか?
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