皆様こんばんは、飛び飛びになってしまって、申し訳ありません。
本日も、しばしお付き合いください。
今回も福岡義登議員の質問が続きます。
国鉄の貨物輸送は現在一〇%のシェアである。旅客については二五%でしかない。エネルギーその他交通関係の制約条件を考えてみると、大体どのくらいのところにはどう見直していかなければならぬかというような具体性のあるお考えを聞かしてもらわないと、将来は伸びていく、決して国鉄は斜陽ではないとおっしゃっても、具体的にどうなるのかということを説明していただかなければ理解できないです。
昭和55年における鉄道旅客輸送のシェアが、25%というのは意外なのですが、【実はもう少しあると思っていました。】たしかに昭和30年代の90%以上のシェアから考えればその下げ方は半端ではないような気がします。
現在はさらにそのシェアは下がっているようで、自家用車の普及と高速道路の開通が追い打ちをかけていると思われますが、最近は、少しだけ持ち直してきているようにも思います。
それに対する答弁が下記の内容なのですが・・・
> 太平洋ベルト地帯の稠密な人口の張りついている地帯において新幹線がこれだけ伸びてきた。世界的に斜陽であった旅客輸送というものにおける鉄道の地位の回復というのは新幹線鉄道にあったわけでございまして、やはり鉄道特性に合ったところに鉄道というものがさらに伸びていくということは疑うべくもない事実であろうかと思うわけでございます。
新幹線が鉄道に復権をもたらす。・・・・確かに間違っていないのですがそれによる並行在来線の問題というのが現在現実問題として出ているんですよね。
> 都市間における国鉄のシェアというものがいまでも依然として五〇%を占めておるという事実、それから大都市圏における私鉄と相並びまして通勤通学輸送に果たしている国鉄の役割りというものに着目し、さらには先生のおっしゃいました大量定型輸送というものにおいて貨物の輸送ということで鉄道が果たしている役割りに着目いたしますと、この三つの分野においてはぜひ鉄道でやっていくということが必要であろう、こういう認識のもとに、今後その三分野を中心に活力のある企業体というものをつくっていくのが国鉄の再建の道である、かように考えておるわけでございます。
都市間輸送と通勤通学輸送についてはそのとおりなのですが、貨物輸送に関しては多少の見直しが行われていると言われながらも現状ではかなり厳しい、特に車扱い輸送の落ち込みは激しく、今後もJR貨物が厳しい状況であることには代わりがありません。
JR貨物の輸送現況 車扱貨物の落ち込みが大きいと思われる。
○福岡委員 そういう一般論ではなくて、国鉄の貨物輸送は現在一〇%のシェアである。旅客については二五%でしかない。エネルギーその他交通関係の制約条件を考えてみると、大体どのくらいのところにはどう見直していかなければならぬかというような具体性のあるお考えを聞かしてもらわないと、将来は伸びていく、決して国鉄は斜陽ではないとおっしゃっても、具体的にどうなるのかということを説明していただかなければ理解できないです。どうですか。
○山地政府委員 いまのような状態になったのが非常に理想的な姿であるかどうかということでございますけれども、まずは鉄道というものが世界の中でどういうような趨勢をたどってきたのかということを考えてみますと、いまの大臣の答弁にございましたように、モータリゼーションということで、やはりどうしても便宜性という点で近距離というものは自動車にとられてきている、それから遠距離になりますと航空にとられてきているというのが世界的な趨勢であううかと思うわけでございます。
ところで、日本という特殊の地形の中において鉄道というのはどういうような役割りを果たしていくのか、あるいは道路はどういうふうな役割りを果たしていくのかということは、諸外国とは確かに違う点があろうかと思います。太平洋ベルト地帯の稠密な人口の張りついている地帯において新幹線がこれだけ伸びてきた。世界的に斜陽であった旅客輸送というものにおける鉄道の地位の回復というのは新幹線鉄道にあったわけでございまして、やはり鉄道特性に合ったところに鉄道というものがさらに伸びていくということは疑うべくもない事実であろうかと思うわけでございます。
今後のわが国における鉄道、特に国鉄の位置づけにつきましては、今回の法律におきましても基幹的な輸送機関というふうに位置づけをいたしましたのは、都市間における国鉄のシェアというものがいまでも依然として五〇%を占めておるという事実、それから大都市圏における私鉄と相並びまして通勤通学輸送に果たしている国鉄の役割りというものに着目し、さらには先生のおっしゃいました大量定型輸送というものにおいて貨物の輸送ということで鉄道が果たしている役割りに着目いたしますと、この三つの分野においてはぜひ鉄道でやっていくということが必要であろう、こういう認識のもとに、今後その三分野を中心に活力のある企業体というものをつくっていくのが国鉄の再建の道である、かように考えておるわけでございます。
○福岡委員 鉄監局長、そういう抽象的なことを聞いておるのじゃないのですよ。長距離は飛行機である、あるいは自動車がふえた、国鉄の特性がどうだ、そんな抽象論を聞いているのじゃないのですよ。私は具体的に数字を申し上げまして、旅客輸送は二五%で貨物は一〇%だ、エネルギーその他交通関係の制約条件がいろいろある、そういう中で、国鉄再建の基礎となるべき事業分野というのはどのぐらいのことが考えられるのか。それを、細かい数字は別といたしまして、現在のシェアはこうなっていますけれども、五年先、十年先には段階的に事業量はふえていって、少なくともこの程度のシェアは持ってもらうようにやっていきたい、そういう具体性のあるお答えでないと、国鉄の特性がどうだなんて一般論の演説は、聞かなくてもわれわれはわかっているんだ。
○山地政府委員 今回の再建の案をつくりました中で、国鉄の再建の基本構想案というのを国鉄がつくりまして、私どももそれに参画したわけでございますけれども、その中におきまして、国鉄の旅客輸送というものは、ほぼ現在の横ばいということを考えております。それから、貨物については、やはり四百億トンキロを維持するというのが精いっぱいではなかろうかという見通しのもとに、今回の再建計画を立てております。
○福岡委員 それなら、さっきの御答弁と違うじゃないですか。確かに五十四年の七月二日に国鉄が国鉄再建の基本構想の中で経営指標というものを出しております。鉄監局長がいま答弁されたのはそのことだと思うのですが、それは承知しておるわけであります。横ばいなんですよ。シェアは上がっていきはしない。五十四年度に千九百六十億人キロの輸送をしているのですよ。それを六十年度では二千五十億人キロにするというのですから、わずかな増しかないのですね。貨物に至っては、同じ四百億トンキロ。五十四年の実績が四百億トンキロに対しまして、昭和六十年にも四百億トンキロ、こう書いてある。それなら、国鉄の特性を生かすとかなんとか演説をされるけれども、国鉄の分野というのは横ばいじゃないですか。
私が申し上げておるのは、エネルギー問題やその他交通関係の制約条件がある、もう少し輸送機関別のシェアを政策的に見直していかなきゃならぬじゃないかということを言っているのですね。その中で一体国鉄の役割りはどうなんだということを聞いているのです。都市間輸送であるとか大都市圏輸送であるとか貨物の定型大量とかいろいろ言うけれども、問題は、国鉄の業務量はふえるのか減るのか、その点を明確にしなきゃ職員の情熱が、わけと言ったってわきゃしない。こういうことで日本の交通政策は将来やっていけるとお思いなんでしょうか。答弁になってないよ、こんなものは。前段で言われた大臣の答弁、鉄監局長が前段で述べた答弁と、ここに考えられておる国鉄の経営指標とは一致しないじゃないの。これで国鉄の特性を発揮した将来のシェアはふえていきます、見直されますということが言えますか。
○山地政府委員 私の申し上げましたのは、三分野において特化して、企業というものの再建を図りたいということは申し上げました。それから、そういった結果、国鉄の輸送量というのは現在の横ばいになる。つまり、国鉄の鉄道特性のある分野について重点的に経営を志向してやるということになりまして、地方交通線等、他の交通機関の方が効率的であるものについては他の機関にやっていただく、国鉄の方がいいものについては国鉄がやっていくということの結果、全体的な輸送量というものは六十年まで横ばいということで考えているわけでございます。
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