国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

第093回国会 衆議院運輸委員会 第7号 第二十二話

2015-11-20 22:56:36 | 国鉄関連_国会審議
しばらく開いてしまいましたが、昭和55年の国会審議からアップしたいと思います。
国鉄ローカル線、特に未成線を誰が引き受けるのかという問題が語られています。

> 観光その他経営コストを下げるためにお話し合いを願いたいといっても、その状況がわからぬわけです。極端な話をすれば、あなたあの人と結婚しなさいと。写真も見ない、見合いもしない、そういう中で判をつきますか。どうですか、意思はどうですかと言われても、これは私は無理だと思うのですよ。

まさ、それに対しての発言もちょっと無理やり地方に押し付けようとする風にも取れます。
それに対して、自治省としては地方にローカル線を押し付けられるのは困る的な発言をしています。

> 先生御指摘のとおり、地方交通線について地方団体が第三セクターに加入するというような場合にありましては、これは制度的にということではございませんが、その赤字が地方団体にしわ寄せをされる危険性というのは非常に大きいと考えているわけでございます。現在の国、地方を通じます事務配分なり財源配分なりから申しますと、そういったものについて全部地方団体がかぶるという前提にはないわけでございまして、それを無制限にやりますと、国、地方の財政秩序の根幹に触れる問題になると考えているわけでございます。したがいまして、自治省としては、これは制度的には可能ではございますけれども、地方公共団体がこういった第三セクターに加入することにつきましては、その採算の見通し等について慎重な配慮が必要であると考えているわけでございます。

以下は本文になります。

○平石委員 いま地元地元とおっしゃいましたけれども、地元で考える内容がわからないのですよ。当然採算性のない路線をやろうとするのですから、地方としても果たしてどれだけの財源が要るものか、あるいは運営によってどれだけの赤字が出るものか、この処理をどうするのか、こういったことが不明確なままで話をいたしましょうといいましても、これはなかなか応じ切れぬと思うのですよ。在来線についても一緒です。新設についても特にそうです。したがって、その内容が明らかでないときに、観光その他経営コストを下げるためにお話し合いを願いたいといっても、その状況がわからぬわけです。極端な話をすれば、あなたあの人と結婚しなさいと。写真も見ない、見合いもしない、そういう中で判をつきますか。どうですか、意思はどうですかと言われても、これは私は無理だと思うのですよ。だから、その内容は、少なくとも地方団体にとっては大きな負担になってくる、こういう心配を持ちながらおるのです。したがって、その内容はどうかということであります。

○山地政府委員 その路線の具体的な見通しと旅客輸送需要がどれくらいあるかということについては、私どもなりにあるいは鉄建公団なりにいろいろな計算の方法はあろうかと思うのです。ただ、その鉄道をどうやって利用するのだというその土地の方々の計画がなければ、どうもその需要も出てこないということになりますので、私どもとしては県なりそういう事務局とはいろいろ御相談をし、材料は全部出しながらお話を進めていきたい、かように考えております。

○平石委員 私がいま申し上げていることは、結局地方は非常に心配をしているのです。自治省、おいでいただいておりますか。――非常に時間がないので急がしていただきますが、これは大変な地方負担を覚悟せねばならない、こう思うわけですが、自治省は、いまの地方財政の制度の上にこういったものが新たに出てくるのだろうと思うのですが、現在はありませんけれども、やはりそれを考えておられるのか、新たな制度を考えておられるのかどうか、お伺いしたい。

○井下説明員 先生御指摘のとおり、地方交通線について地方団体が第三セクターに加入するというような場合にありましては、これは制度的にということではございませんが、その赤字が地方団体にしわ寄せをされる危険性というのは非常に大きいと考えているわけでございます。現在の国、地方を通じます事務配分なり財源配分なりから申しますと、そういったものについて全部地方団体がかぶるという前提にはないわけでございまして、それを無制限にやりますと、国、地方の財政秩序の根幹に触れる問題になると考えているわけでございます。したがいまして、自治省としては、これは制度的には可能ではございますけれども、地方公共団体がこういった第三セクターに加入することにつきましては、その採算の見通し等について慎重な配慮が必要であると考えているわけでございます。

○平石委員 これも明らかになりません。そういったものがなぜ明らかにならないか。少なくとも私が申し上げたいことは、一つのモデルをつくる。第三セクターというのはAならA、BならB、二案、三案のモデルをつくって、これを示して、この中でどれか選定をして受けてくれぬか、こういったことがなぜできないのか。だから、あくまでもこの法律をつくるというので、そして地方へそれだけのしわ寄せをかけるというのであれば、やはり赤字の処理の問題、財源の問題、運営の問題、こういったものの一つのモデルをつくってやるべきであると私は思う。そういうことがなぜできないか、これを申し上げたい。そして、新線建設について現在百五十億のローカル線の予算がございますが、六十億が凍結になっておる、この根拠を示していただきたい。

○山地政府委員 予算の話でございますので、法律的な根拠ということになりますと、私どもとしては予算の効率的な使用を図るということ以外にはございませんで、法律的な根拠というようなものについては単に予算の執行の問題だと私ども考えております。

○平石委員 いまの答弁はどうもいけませんね。
 第三セクターで、内容も見せない、言わない。これは法律がないから現行法の中では言えません、こういう態度じゃないかと私は思う。そういう態度をとるのであるのなら、いまの新線建設について凍結する根拠もない。根拠がないのにこれを凍結しておくというようなことが果たしてできますか。新しい法律ができればこれはできるはずですよ。それは使わせない。何の根拠もない。それでやって、一方では新線あるいは既設線について、第三セクターへの移行についての内容も言わない。まことに不親切と言わなければならない。したがって、そういった該当の地域については、この点についてはっきりしてもらわぬと困る、こういう意見がある。なぜそういった理不尽な、まあ言葉が悪くて失礼ですけれども、昔の悪代官的なやり方と言わなければなりません。根拠のないのにそういうことができますか。
 それから、鉄建公団おいでいただいていますね。鉄建公団はこれをどうして執行しませんか。

○藤田参考人 公団は認可予算によりまして工事をやっておるわけでございまして、御承知のように、政府といたしましてただいま国鉄経営再建法案をお諮りしている、そういう整合性の中で、AB線の予算の進め方ということにつきましては運輸省等とも御相談いたしまして私どもとしても進めている、そういうことでございます。

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