旅たび写真缶

小さい旅から大きい旅まで、時にはいい歳して恥ずかしい旅まで、写真旅日記。

柳生街道(剣豪の里-1)

2018-11-23 | 京都・奈良旅行記

2018年11月20日 柳生街道(剣豪の里コース)前半

今日は、毎年行っている奈良の古道歩き。

2016年の4月に、柳生街道のうち「滝坂の道コース(春日大社~忍辱山円成寺)」を歩いているので、今回はその続き、「剣豪の里コース(円成寺~柳生バス停)」を歩く。

   参照:奈良の古道を歩く 柳生街道滝坂の道コースー1奈良の古道を歩く 柳生街道滝坂の道ー2

前回は、「滝坂の道コース」と「剣豪の里コース」を通しで一気に歩く計画だった。

夜も明けきらない早朝に起きてテレビをつけたら、ナント熊本で大地震が発生していた。

ニュース特番をかじり付いて見ていたので、出発が大幅に遅れ、結局「滝坂の道コース」しか歩けなかった。

今回こそはと計画を練ったが、事前の調査では、「滝坂の道コース」は昨年の台風被害が復旧した直後、先日の台風24号被害で再び通行止めになったようだ。

奈良に来てからも、その後の復旧状況が掴めないので、今回は「剣豪の里コース」のみをユッタリ歩く。

 青色の線が歩いたコース                                                         国土地理院

9:00 タクシーで「忍辱山円成寺(にんにくせんえんじょうじ)」に到着。

奈良駅前のホテルから25分、¥3,900。

本来なら奈良交通の路線バスで来たかったが、8時台にはバスが無い。

円成寺(9:00~受付)ではどうしても見たい国宝などがあるので、やむなく高い出費。 

               ≪忍辱山 円成寺≫

快晴無風となり、池に映る紅葉も美しい。

全体的には、紅葉の盛りはこれからと言った感じ。

本堂で阿弥陀如来坐像(重文)に旅の安全を祈願した後は、運慶作・国宝「大日如来坐像」を拝観。

             ≪茶店に貼ってあったポスター 2016年≫

若き運慶が心血を注いだ「お大日さん」は、何度見ても美しい。

二年前に来た時、「大日如来坐像」は多宝塔に鎮座していて、狭いガラス戸越しで見にくかった。

現在は、新築された建物(相應殿と言うらしい)に安置されていて、至近距離で拝観することができた。

多宝塔では、平成の大日如来坐像(模刻)も拝観できる。

9:40 円成寺を出発。柳生街道(剣豪の里コース)歩きの開始。

「大日如来坐像」をジックリ拝観出来たので、予定を大幅に過ぎてしまった。少し急ぎ足で歩く。

円成寺は、国宝や重要文化財が多数あり、ついつい長居をしてしまう。

歩き出して数分で、荒れた山道に入る。

9:54

       

10:18

10:22

狭い道の両側に獣除けの電気柵が設けられているので、間違って触ってしまいそうで怖い。

           ≪夜支布山口(やぎうやまぐち)神社≫

10:30 夜支布山口神社に到着。拝殿は大きいが、やや小ぶりの社の後ろにご神体の岩があるらしい。

今日の古道歩きが無事に終わるよう祈願。

5分ほどで出発したが、少し行ったところで緊急の用事が出来て神社に戻る。

境内脇のトイレを使わせてもらったが、こういう場所の公衆トイレとしてはかなりキレイに管理されてあった。

10:45 山口神社を出発。

「大柳生」の田園風景を左手に眺めながら歩く。

清く正しく美しい日本の風景と言った感じ。天気も良くて絶好のハイキング日和。

10:52 水木古墳

集落の中を快調に歩いていたら、田んぼの方に下り出したのでおかしいと思い、引き返したら見逃した道標を発見。駐車していたトラックの陰に地道と道標があった。危なかった。

道標がしっかり整備されているコースでは、逆に一個の道標を見逃すと大変なことになる。

入り組んだ集落の道の角ごとに道標が立つ。

11:14 今にも倒れそうな四阿と電気の入っていない自販機。目がそちらに行ってしまうと、ここも道標を見逃しそう。

                ≪大柳生の盆地≫

11:18 山道に入る。次の目的地、「南明寺」まで0.7km。

11:20 このコース最大の悪路。道がえぐれてしかもウエット。

11:32 歩き出してから2時間近いが、ここで初めて人と出会う。

犬の散歩中のご婦人と、挨拶を交わして擦れ違う。

つづいて、服を着た犬と出会う。

             ≪南明寺(なんみょうじ)≫

11:35 南明寺に到着。

入口がカラーコーンとトラロープで閉じられている。別な入口があるのかと思い、寺の周りを半周してみたがそれらしい気配はない。

後で知ったのだが、拝観するには予約が必要らしい。

重要文化財が何点かあるようだが、諦めるしかない。ここで弁当を喰うつもりだったが、それも諦める。

11:40 南明寺前を出発。

11:44 「おふじの井戸」を通過。

田園地帯を軽快に歩く。

11:55 田園風景を後にして山道に差し掛かったら、Y字路に道標がない。

このコースでは初めてのケース。

排水溝の蓋の上に朽ち果てた道標を発見。一応、「右」と言うことか・・・。

杉林の中に入ると、突然急坂となる。ほぼ直登の山道。簡易舗装の狭い道。

今日初めて、汗がドッと噴き出す。

登るにつれ、次第に道は急坂になり、歩行の滑り止めなのか石畳となる。

道の両側には、間伐や枝打ちされた木々がそのまま散乱している。あるいは台風の爪痕か・・・。

大雨洪水などの時に、こういうものが里の集落に流れ込むのだろうと思うのだが・・・。

           ≪阪原峠(かえりばさとうげ)付近≫ 

12:09 急坂をヒイヒイ言いながら坂原峠と思われるピークに到達。

本日最大で唯一の難所をクリアー。

ここまでのタイム

円成寺ー(50分)→夜支布山口神社ー(55分)→南明寺ー(29分)→阪原峠  計2時間14分

                柳生街道 剣豪の里コース 後半につづく


談山神社の紅葉再び

2018-11-23 | 京都・奈良旅行記

2018年11月19日

毎年行っている奈良・京都の古道歩き。

今回は奈良の古道を歩き、ついでに赤目四十八滝(三重県)を覗いて帰る、二泊三日の旅。

今日は移動日で、午後半日しかないので、無理せず観光のみの予定。

紅葉真っ盛りの季節なので、奈良でも最も美しいと言われる多武峰の「談山神社」を目指す。

談山神社には一昨年の秋にも行っている(参照:談山神社から飛鳥の里へ)が、今回は天気が持てばライトアップまで居るつもり。

6:54 仙台市地下鉄、東北新幹線、東海道新幹線と乗り継いで、京都からは近鉄特急、準急と乗り継ぐ。

12:49 奈良県 桜井駅に到着。

13:15 チョット一息入れた後、JR桜井駅前から奈良交通「談山神社行き臨時バス」に乗り込む。

                ≪聖林寺バス停前≫

13:25 聖林寺バス停で途中下車。一度見てみたいと思っていた聖林寺の「国宝」を見に行く。

通常は、2時間に1、2本しかない路線バスだが、紅葉の時期は臨時バスが多数出るので最大のチャンス。

直前まで雨が降っていた様で、道はウエット、空はドンヨリ。ここでまた降り出したらかなりヤバイ。

                  ≪聖林寺≫

境内は南天だらけ。

境内からは桜井市街地を見渡すことができる。その向こう、右側に「三輪山」、左側に卑弥呼の墓とウワサされる「箸墓古墳」が見える。

 

ご本尊の「子安延命地蔵菩薩」に参拝。「安産・子授け」には当面縁がないが、取り合えず健康と旅の安全を祈願。

巨石のお地蔵さんが、何でも願いを聞いてくれそうな気がする。

つづいて左の階段を観音堂に登り、国宝「十一面観音菩薩」をジックリ鑑賞。数年来の念願叶う。

田舎の小さなお寺さんだが、見るべき仏像など多数あり。

ここを参拝した後、安倍文殊院へハイキングするひとたちも居るようだが、私は、聖林寺バス停までトボトボ歩く。

14:10 再び談山神社行きの奈良交通バスに乗車。

14:33 談山神社に到着。

一昨年は11月21日に来て、その時は紅葉がピークだったが、今回は19日だと言うのにヤヤ遅れ気味か・・・。

      

「十三重塔」付近は、一昨年は終わりかけだったが、今回は丁度いい感じ。

15:30 一応、ライトアップまで見ていくことにして、いったん境内を出る。

門前のお土産屋で、甘酒を飲んで身体を温める。

ライトアップが大分効いてきた。

                ≪重要文化財 十三重塔≫

16:50 ほぼ日没の時間だが、空はまだ明るい。

真っ暗になるまで粘ろうかとも思ったが、紅葉は十分に楽しんだし、今日泊まるホテルは奈良市内なので、

そろそろ移動した方が良いだろうと判断。

17:07 臨時バスでJR桜井駅に向かう。

17:58 JR桜井線で奈良へ。

 


午前大阪、午後京都

2017-11-29 | 京都・奈良旅行記

2017年11月22日

大阪・奈良・京都を巡る旅、三日目最終日。

8:27 奈良駅始発のJR大和路快速で、大阪天王寺に向かう。

昨日の生駒山・信貴山縦走で、身体はギシギシ・ボロボロ。

一昨日、天王寺駅の南側、阿部野界隈を歩いたので、今日は駅の北側、四天王寺界隈を歩く。午前中、軽く大阪を歩いて、午後京都に立ち寄ってから家に帰る予定。

9:02 天王寺駅到着。

コインロッカーを探したり、無理やり缶コーヒーを飲んで小銭を作ったりして時間を喰ったものの、ナントか北口から歩き出しブラブラと「四天王寺」を目指す。

 

                   ≪四天王寺庚申堂≫

 9:30 10分ほど歩いて、四天王寺庚申堂に立ち寄ってお参り。この辺りも、もとは四天王寺の境内だった様だ。御本尊は青面金剛童子。

庚申堂の脇門から出ると、すぐに四天王寺らしきお寺さんが見えてくる。

9:52 庚申堂から数分ほど歩いて「和宗総本山 四天王寺」に到着。

 

手水舎は、今時珍しいガチャコンポンプでした。大阪でもガチャコンと言うのかどうか分からないが・・・。けっこうスムーズに水が出て来た。

今日22日は、聖徳太子の月命日。「太子忌(たいしき)」として四天王寺の縁日。何と拝観無料。

四天王寺は、聖徳太子の七大寺と言われる日本で一番古いお寺のひとつ。

                    ≪左から講堂、金堂、五重塔≫

五重塔に上がって見たかったが、昨日の生駒山縦走で太腿パンパン。下りで転びそうなのでヤメた。

回廊の内側(いわゆる四天王寺式伽藍配置)だけを、1時間ほど見て帰るつもりだったが、もう二度とこない可能性もあるので、回廊の外側も見て行くことにした。

                                    ≪石舞台と六時堂≫

 

                    ≪縁日の出店≫

回廊を取り囲むように、出店が沢山あって賑やかだ。衣料品や食料品、美術品や骨とう品、得体の知れない雑貨品やら中古品など、何でもあって面白い。

ショウガがピリピリ効いた甘酒を飲んで休憩。唯一の縁日気分を味わう。

石の大鳥居をくぐって四天王寺を出る。約1時間40分ほど長居をしてしまった。

いったん西に出て、天王寺公園にそって天王寺駅に向かう。

 

                    ≪堀越神社≫

11:42 数分歩いたところで、堀越神社に参拝。

一生に一度の願いを聞いてくださる神様だそうです。一生懸命お祈りして来ました。

11:52 天王寺駅に到着。

コースタイムを書くほどの道のりではありませんが、天王寺駅を出て戻るまで、所要時間は2時間半。このうち、四天王寺の見学に1時間40分(1時間あれば、十分に拝観可能)。

天王寺駅からは、地下鉄で新大阪駅に移動、新幹線で京都に立ち寄る。

13:10 京都駅に到着。

京都には、京都国立博物館で開催されている「国宝展」を見に立ち寄った。

京都駅は相変わらずの大混雑で、構内のコインロッカーは全く開いていない。なにしろ登山用の装備なので、リュックやカメラ、着替えなどは駅に置いていきたいところだが、外人さんたちが必死の形相で空きロッカーを探しているのでアキラメた。

 

                 ≪京都国立博物館 国宝展≫

14:00 路線バスで国立博物館に到着。なんとか、ここの仮設ロッカーに荷物を預け、入場待ちの列に並ぶ。待ち時間40分。 

 

仏像と絵画、そのほか曜変天目茶碗や火焔型土器、縄文のビーナスだけを見て退出。

16:00 京都駅に戻ろうと思って博物館・三十三間堂バス停に行ったら長蛇の列。やっとバスに乗っても大渋滞で、数分で着くハズが、50分もかかってしまった。

秋の京都に来てしまったのが間違いだった。

どうにか新幹線には間に合ったが、一時も早く、大混乱の京都から逃げ出したい。


生駒山から信貴山へ縦走

2017-11-27 | 京都・奈良旅行記

2017年11月21日 二日目

朝、ホテルの出発が予定より1時間も遅れてしまった。

今日は、生駒山から信貴山まで縦走するつもりだが、昨日、氷雨降る大阪阿倍野を長時間歩き回ったので、やや風邪気味。

今回の旅の最大の目的は、信貴山の朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)を見に行くことで、最初の計画では大阪側からスタートして「恩智越・信貴山朝護孫子寺コース」を歩くつもりだったが、宿が奈良駅前になったので、直前に「生駒山・信貴山縦走コース」に変更した。私にとっては長距離なので、ユンケルを飲んで気合を入れる。

近鉄奈良駅から、朝の通勤通学で込み合う快速急行で生駒駅に移動。

 

    ≪近鉄生駒ケーブル 鳥居前駅≫

8:30 生駒駅に隣接する「鳥居前駅」から近鉄生駒ケーブル(宝山寺線)に乗る。

8:35 宝山寺駅へ到着。予定ではここから生駒山頂目指して登山開始の予定だったが、出発が遅れたのと風邪気味なのを考慮して、宝山寺駅からケーブルを乗り継いで生駒山上駅まで楽することにした。

山上線の始発まで時間があるので、取り合えず「宝山寺」にお参り。

 

両側に料理旅館が並ぶ長い長い石段をヒタスラ登る。こんなところの旅館にも、中国人の団体が泊まっているようで、朝から賑やかな声が飛び交う。中国語のガイドブックに載っているとは思えないが・・・。

                       ≪生駒山 宝山寺≫

10分ほど急な石段を登り詰め、宝山寺の本堂前に到着。今日のトレッキングの安全を祈願する。時間がないので、すぐに宝山寺駅に戻る。

長い長い石段を下りながら、お参りの後、そのまま山頂まで歩いた方が効率的だったのではないか・・・と、やや後悔。

9:09 山上線始発の上りケーブルに乗って、生駒山上駅を目指す。生駒山上遊園地で働く人々なのか、通勤風の客でけっこう混んでいた。

 

       ≪生駒山上遊園地≫                ≪テレビ塔群≫

9:16 生駒山上駅到着。

ここで大問題が発生。生駒山縦走の地図が無い。二日前にコースを決めたのだが、その時参考にした近鉄「てくてくまっぷ」をプリントしてくるのを忘れた。

ほかの客たちはサッと散って行ったが、私はドッチに行ったらいいのか分からない。いくら探しても登山道や遊歩道といった道標が見当たらない。遊園地のスタッフに聞いても知らないという。

まあ、信貴山まではヒタスラ南下することになるので、一応、南を目指す。林立するテレビ塔を見上げながら、遊園地を抜け出る。

                                  国土地理院

9:30 地道に出たところで、やっと登山用の道標を発見。

しかし、ここでまた問題。最初に目指すのは暗(くらがり)峠という所だが、道標によれば「左 暗峠近道(足元注意)」「右 摂河泉コース 至 生駒縦走コース」とある。どちらに行けばいいのでしょう?

シバシ考えた末、計画通り生駒縦走コースを目指すことにして、右のコースをとる。

9:32 生駒山・信貴山縦走トレッキング開始。信貴山の朝護孫子寺が最終目的地だ。

9:37 舗装道路下のトンネルをくぐる。

トンネルの先は急な下り坂になっていて、10分ほど下ったところで、「これは何か変だ」と気がつく。たまたま下からオバチャン二人組のハイカーが上って来たので道をたずねたら、「このまま下ってはダメ。戻った方がイイ」らしい。下って来た急坂を今度は必死に登る。

結局、オバチャンのアドバイスもあって、このトンネルの左側の法面を強引に登る。

「間違ったらゴメンね!」と何度も念押しされながら道路に出て見ると、けっこう立派な舗装道路。これが、「信貴生駒スカイライン」だと気がつく。これで解決したわけではないが、取りあえず車道を左へ進む。この段階で、貴重な20分と体力をロス。

 

     ≪信貴生駒スカイライン≫              ≪パノラマ展望台≫

10:03 車道を少し歩いたところで、「パノラマ展望台」に出た。

凄く眺めの良い展望公園で、大阪市内などが見渡せる。 

「あべのハルカス」の奥の方に、ウッスラと「明石海峡大橋」も見える。右端に「大阪城」、右下には「花園ラグビー場」

スタート早々大汗をかいたので、ここの東屋でクールダウン。

10:15 展望台の一番奥に「暗峠」への道標を見つけたので、気を取り直して出発。

 

快調に遊歩道を歩く。時折スカイラインの脇に出る。

 

                  ≪暗闇(くらがり)峠≫

10:38 突然集落が現れたと思ったら、そこが暗峠だった。

              ≪日本の道百選 暗越奈良街道 暗(くらがり)峠≫

何組かのハイカーがこの道を歩いていたので、道をたずねたら、信貴山への縦走コースはこの道を横切って細い道を行くようだ。どこにも信貴山への道標がないので、危うく間違いそうだった。

同年配のハイカーたちがみんなストックを持っているので、私も念のため持って来た折畳みストックを用意。この先、登りがキツクなって来たので、ちょうど良かった。

 

        ≪神感寺?の塀≫                 ≪鳴川峠≫

11:05 八代龍王神感寺の脇を通過。このお寺さんは見たかったが、時間が押しているので断念。寺のHPによれば、アクセスには近鉄枚岡駅から徒歩2時間とある。

11:20 鳴川峠に到着。休憩せずに通過。 

 

所々に、キノコ型の雷シェルターがある。

 

二か所ほど、ロープ場があった。急坂だからと言うよりは、道がかなりウエットで滑りやすいからだろう。トラロープにつかまりながら急坂を登りきると、展望台があった。

 

                    ≪鐘の鳴る丘≫

11:55 「鐘の鳴る丘」に到着。

階段を昇って鐘を鳴らし、ユラユラ揺れる階段をさらに上へ進むと、人ひとり分の見晴台がある。360度の絶景。

                       ≪生駒山頂方向≫

                       ≪大阪平野≫

                        ≪大和盆地≫

景色を十分に堪能した後は、展望台のベンチでお弁当。後から来た人たちも、みんなここで昼食のようだ。

12:15 鐘の鳴る丘を出発。

 

                                ≪歩道橋≫

 

                    ≪十三峠の石仏≫

12:38 「十三峠」に到着。十三街道の峠で、かつて村人によって祀られた地蔵石仏がある。昔は大阪からの伊勢参宮のルートとしても賑わったようだ。業平(なりひら)道とも呼ばれ、歌人「在原業平」が女性の元へ足げく通った道とも言われている。

 

12:45 ついに「信貴山」の道標(右上の写真)が現れた。

 

12:55 信貴生駒スカイラインに出たら、通行止めの標識。舗装道路が激しく陥没している。ここまでの間、スカイラインの近くを歩いているのに、全く車の音を聞かなかったので「おかしいなぁ~」とは思っていたが、このために全面通行止めになっていたようだ。多分、台風21号の被害だと思うが、復旧工事は全くしていないようだ。

 

「猪出没注意」の看板が突然現れた。ここまで来て、そう言われても・・・。

しかし、この10分後に危険を思い知る。

            ≪イノシシの足跡≫

イノシシの足跡発見。それもかなり新しい。二匹以上か? 子連れだとかなりマズイのではないか。イノシシが突然人を襲うことは少ないだろうが、近づかない方がいいに決まっている。とわ言え、私の直前を歩いているハズなので、どうしたらいいかシバシ悩む。こういう時、一人歩きは辛い。

今更戻るつもりはないので、意を決して進むことにする。ストックを二本そろえて身構えてみるが、太刀打ちできないのは明らか。

一応、いつもリュックに入れてある「熊除けベル」を鳴らしながら、前後左右に目を配る。この熊除けベルは、効果があるのか、はたまた逆効果なのか?・・・(効果はないようです。逆効果の場合があるようです)

高安山山頂付近まで来ると、イノシシの足跡も消え、緊張が解ける。安全になったという保証はないのだが・・・。

13:47 ついに、今日の最終目的地「信貴山朝護孫子寺」の道標が現れた。

先が見えて来たので、心も軽やかに山道を急いだら、足元に落ちていた道標を見逃してしまった。

写真の上の方から下りて来たので、折れ曲がった板が見えなかった。このためT字路を右に登るところを、左に下りてしまった。またもや大失敗。

軽快に下った後に間違いに気づいたので、引き返すのに身も心もズタズタ。

貴重な30分をロスした上に、全身汗だく。

気を取り直して、「信貴山城跡」を目指す。

 

                    ≪信貴山城跡≫

14:47 「信貴山城跡」に到着。

城跡脇の赤い鳥居をくぐっていくと・・・。

 

                    ≪空鉢御法堂≫

14:53 信貴山山頂「空鉢御法堂」に到着。大和盆地や金剛山などの見晴らしが最高。

15:00 お参りを済ませてゴールを目指す。この堂の前で、落葉の清掃をしていたオネエサンに「朝護孫子寺」への行き方を聞いたら、すでにここは朝護孫子寺の中なのだと教えられた。勉強不足でした。

 

赤い鳥居が連なる石段をヒタスラ下る。生駒山系を縦走して来た足腰で、この急な石段下りはかなりシンドイ。転ばないように注意しながら、慎重に下る。

右手に、境内が見えて来た。紅葉が美しい。

 

15:13 長い長い石段を下り切って、多宝塔に到着。

 

                ≪信貴山 朝護孫子寺 本堂≫

15:25 やっと本堂を探し当てた。何しろ、お寺の裏山から入って来てしまったので、境内案内のパンフレットなど貰っていないので、本堂を見つけるのに四苦八苦。

ご本尊の毘沙門天をお参りしようと思い、靴を脱ごうとしたら、膝から下が泥だらけ。

本堂前からは奈良の盆地が見渡せる。絶景。斑鳩方面だそうだ。

境内の紅葉も絶好調。

この後、塔頭の成福院、玉蔵院、千手院を回って下山。

                      ≪大寅と本堂≫

16:07 普通の参拝なら一番最初に見るハズの「大寅」を最後に見る。デカい。

大寅の向こうで、夕日に染まる本堂が美しい。

 

16:25 仁王門を出たところで、本日の信貴生駒縦走のトレッキング終了。

16:47 仁王門前の信貴大橋バス停から、奈良交通の路線バスでJR王子に向かう。

17:09 JR王寺駅着。JR大和路快速で奈良に帰る。

今日のコースタイム(生駒山上駅~信貴大橋バス停) 単位:分

生駒山上駅-(10)→生駒縦走コース道標-(15)→パノラマ展望台-(23)→暗峠-(40)→鳴川峠-(35)→鐘の鳴る丘-(23)→十三峠-(60)→高安山分岐-(32)→信貴山城跡・空鉢御法堂-(25)→朝護孫子寺本堂-(10)→信貴大橋バス停

      歩いた時間:4時間33分

       所要時間:7時間5分

          ※コース間違いのロスタイム50分を含む。

          ※朝護孫子寺の見学所要時間(本堂~仁王門)60分を含む。

          ※鐘の鳴る丘での昼食休憩20分を含む。

          ※その他、写真撮影の時間などを含む。

          ※高安山の山頂には行っていません。

         天候:晴れたり曇ったり。前日の雨で、コースはウエット。

 

 


大阪阿倍野の歴史散歩

2017-11-25 | 京都・奈良旅行記

2017年11月20日

 このところ続けている「奈良・京都の古道歩き」。

今回は大阪も加え、大阪・奈良・京都の近畿三府県をたった二泊三日で旅する。

秋の観光シーズンなのに、宿を手配したのが出発の五日前。

ナントか奈良駅前のビジネスホテルに二泊予約がとれたが、三府県を回るには効率が悪い。結局、当日新幹線に乗ってから、何処に行くか考えるというドタバタ旅行となった。

京都までの新幹線往復チケットを買ったものの、まず、初日の今日は、大阪まで足を延ばし阿倍野区周辺を地味に歩く。

 

    ≪JR天王寺駅とあべのハルカス≫             ≪天王寺公園≫

12:35 天王寺駅に到着。駅を出たら外は雨。しかも、異常に寒い。「大阪歩きは止めて、奈良に向かおうか・・・」とも考えたが、セッカクここまで来たのだからと、傘を差してのウォーキングを強行することにした。

チョット思い入れのある阿部野神社までは、ナントか行きたい。

12:45 JR天王寺駅を出発。まずは、徒歩で阪堺電軌鉄道阪堺線の「新今宮駅」を目指す。歩き易いように、天王寺公園のヘリを西に向かって行こうと思っていたら、いつの間にか深みにはまってしまい、ドンドン公園の中に入り込む。

 

市立美術館前に出たところで、通天閣を右に見ながら動物園前、新世界のゲート前を通過。

13:17 阪堺線新今宮駅に到着。JR天王寺駅から10分ほどで来る予定だったが、30分もかかってしまった。

 

   ≪阪堺電気鉄道 阪堺線 新今宮駅≫

13:34 新今宮駅からは昔懐かしいチンチン電車に乗る。我孫子道行き。

 

       ≪天神ノ森駅≫               ≪天神ノ森天満宮≫

13:40 「天神ノ森駅」に到着。駅に隣接する「天満宮」に立ち寄り、旅の無事をお祈りする。

13:47 天満宮から徒歩2分ほどで、「天下茶屋跡」(西成区)到着。

太閤秀吉が茶会を催した場所跡らしいが、想像した通りの場所だった。写真を一枚撮っただけで、すぐ来た道を引き返えす。

 

                    ≪阿部野神社≫

13:54 阿部野神社に参拝。

「阿部野神社」は、南朝、後醍醐天皇の忠臣、北畠顕家とその父北畠親房が祀られている。

北畠顕家は、足利尊氏の大軍を阿部野に迎え撃って、この地で戦死したと言われる。

顕家には、かなり前から興味があったので、この阿部野神社は今回のコースの中では一番来たかった場所だ。

                      ≪北畠顕家の銅像≫

境内には、「北畠顕家」の銅像が雨に濡れてヒッソリとたたずんでいた。

顕家は、最年少記録の14歳で参議に昇進した公家で、大変な美少年だったと言う話もあり、大河ドラマ「太平記」では当時日本一の美少女「後藤久美子」が演じていたのを覚えている。

後醍醐天皇の命により、16歳の時に陸奥守として、私の住む宮城県にあった多賀国府(多賀城市)に赴任。

二年後、鎌倉の足利尊氏が京に攻め上ると、顕家は奥州などの大軍を率いて京に向かい、新田義貞や楠木正成らと共に足利軍を九州に追いやった。

この時の北畠軍の侍大将のひとりが、奥州の有力大名の伊達家だった。

足利尊氏が二度目に京に攻め上がった時には、顕家は、当時伊達家の本拠地だった陸奥の国伊達の郡にある天然の要塞、霊山に国府を移し、再び奥州や関東の大軍を引き連れて後醍醐天皇のもとへ馳せ参じ、最後はこの阿部野の地で戦死している。

北畠顕家が戦死した大阪阿倍野区には、顕家を祀った阿部野神社や、墓がある北畠公園、北畠の町名などが残るが、多賀国府があった現在の宮城県では、ほとんどの人がその名前すらしらない。

14:16 阿部野神社をあとにして、顕家の墓がある北畠公園に向かう。地図を見ても道路が複雑で分かりにくいので、磁石だけを頼りに東に向かう。

 

14:27 路面電車の走る通りに出る。阪堺電軌上町線。大阪市内を路面電車が走っているなんて知らなかったので、ちょっとビックリ。

私は「撮り鉄」ではないが、しばらくの間、珍しい路面電車を撮影。ドシャブリの中、片手に傘、片手にカメラなので、ナカナカうまくいかない。

 

                 ≪北畠公園 北畠顕家の墓≫

14:55 さらに東に進み、「あべの筋」に出たところで、北畠顕家の墓を見つけた。

鉄の門扉があって近づけないので、サッと眺めて、ここからは北上。

 

                   ≪阿倍王子神社≫

15:04 「阿倍王子神社」に参拝。

京・大阪から熊野へ向かう参詣道、熊野街道沿いに祀られた熊野九十九王子のひとつ。

 

                    ≪安倍晴明神社≫

阿倍王子神社から50mほどで、「安倍晴明神社」に到着。阿倍王子神社の末社。陰陽師・安倍晴明の生誕地とされる。

                  ≪陰陽師・安倍晴明と葛の葉霊狐≫

       ≪清明の産湯井戸≫

「あべ」と名の付く神社を三ヵ所回ったが、

阿部野神社(あべのじんじゃ)

阿倍王子神社(あべおうじじんじゃ)

安倍晴明神社(あべのせいめいじんじゃ)

と、漢字がみな違うので紛らわしい。

15:26 安倍晴明神社のお参りを済ませ、神社の前をさらに北上。「松虫通」に出る。

ここまで歩いてくる間、傘を差して自転車に乗った人がやたらと多いと思っていたが、よく見ると、みんな傘はハンドルに器具で固定されているようだ。一応、両手でハンドルを持っている。初めて見た風景なので、ちょっとビックリ。

年配のオバチャンが多いようだが、中には、オッチャンやオネエチャンもいる。

大阪の条例ではこういう器具が認められているのだろうか・・・?

とても雨を防いでいるようには見えないし、突然、風が吹いたらハンドルをとられて転倒する危険もある。歩行者の顔などに当たったら、かなりヤバイでしょう・・・。

閉じた傘がハンドルに突き立っていると、何かオカシイ。

 

                     ≪松虫塚≫

15:32 傘を差した自転車を見ながら歩いていたら、歩道を塞ぐように「松虫塚」というのがあった。この辺りの地名の由来になった塚のようだ。よく分からないが、一応カメラに収める。

 

                    ≪聖天山正圓寺≫

15:41 「聖天山正圓寺」(聖天さん)に到着。

摂津八十八か所霊場のひとつ。本尊の歓喜天は、我が国最大の聖天さんといわれる。

歓喜天は異形の仏像で、やはり秘仏の場合が多い。「秘仏の歓喜天」といわれると、ちょっとソソラレルが、ここでも見ることはできない。

不純な考えを振り払い、本殿前でお参りしようとしたら小銭が7円しか残っていなかった。ここまで神社をたくさん回ってきたので、お賽銭を使い果たしてしまった。

 

15:50 聖天さんの北側にある聖天山公園の東屋で一休み。今日初めての休憩。

自販機で缶コーヒーを買って、お釣りの小銭を確保。再びお賽銭を用意できたものの、そろそろ暗くなる時間。それに今日の宿は奈良なので、天王寺駅に戻ることにする。

16:06 往路の松虫通を戻り、あべの筋へ出る。 

 

所々に現れる「熊野街道」の道標や阪堺電車を眺めながら、ノンビリ天王寺駅に向かう。

                   ≪阪堺電車とあべのハルカス≫ 

16:45 JR天王寺駅に到着。今回の「古道歩き」を終了。

17:00 JR大和路快速で奈良に向かう。

17:34 JR奈良駅到着。

 今日のコースタイム

JR天王寺駅ー(11)→大阪市立美術館ー(5)→新世界ゲートー(9)→阪堺線新今宮駅=(6)⇒天神ノ森駅ー(1)→天神ノ森天満宮ー(2)→天下茶屋跡ー(7)→阿部野神社ー(30)→北畠公園ー(7)→安倍王子神社ー(2)→安倍晴明神社ー(6)→松虫塚ー(8)→聖天さんー(30)→JR天王寺駅

             歩いた時間:1時間58分

              乗車時間:6分(電車待ち時間23分)

              所要時間:3時間50分

       ※雨降りなので、かなり遅いペースで歩いています。

       ※観光コースではないので、道標や道案内はほとんどありません。

        コースどりは、かなりいい加減です。