旅たび写真缶

小さい旅から大きい旅まで、時にはいい歳して恥ずかしい旅まで、写真旅日記。

談山神社から飛鳥の里へ

2016-11-25 | 京都・奈良旅行記

 

2016年11月21日 奈良二日目

今日は、奈良県内では屈指の紅葉の名所である「談山神社」(多武峰)から、飛鳥の里を目指して歩く。

昨日と同様、いつ雨が降り出すか分からないような空模様なので、早めに動き出す。

7:30 JR奈良駅発の桜井線(万葉まほろば線)に乗車。

8:01 桜井駅に到着。駅のコンビニでおにぎりや水などを購入。

この時期は談山神社行の臨時バスが出ているが、この時間はまだ走っていないようだ。できるだけ急ぎたいので、奮発して駅前のタクシーで多武峰に向かう。(コミュニティーバスは若干あるようです)

                ≪談山神社(たんざんじんじゃ)≫

8:30 談山神社に到着。タクシー代¥3,350。

ちょうど拝観受付開始時間で、参拝客もまばらだと思っていたら、次々に団体客が到着。

紅葉は、絶好調のようだ。

 

大勢の拝観者が押し寄せてくるところで、奇跡の一瞬を辛抱強く待って額縁撮影。

                  ≪十三重塔≫

世界中でも唯一とされる木造建築の十三重塔。これを含め、境内全体がお寺の造りだ。

明治の神仏分離以前は、「多武峰妙楽寺(とうのみねみょうらくじ)」というお寺だったそうだ。

 

9:40 十三重塔の脇からトレッキング開始。まずは、談山神社の名前の由来になった「談い山」に向かう。

 

9:50 「談い山(かたらいやま)」に到着。海抜566m。

かつて、中大兄皇子と中臣鎌足が大化の改新の談合をした場所とされる。

 

10:00 「御破裂山(ごはれつざん)」という、とんでもない名前の山の頂(海抜618m)に到着。

山頂に藤原(中臣)鎌足の墓がある。 この背後に展望台があるが、樹木が成長したためか、天気が悪いからか、ほとんど景色は見えない。

 

10:10 山頂のお墓のチョット手前に「明日香方面」の道標を見つけたので、それにしたがって下山開始。簡易舗装の歩きやすい遊歩道だ。

私が今回持ってきたコースマップは、「近鉄のてくてくまっぷ(奈良-10)」だが、この道はコース外ということになる。御破裂山への登山はそもそもオプションコースなので談山神社境内まで戻らなければならないのだが、雨が心配なので近道を選択。(近道だという保証はないのだが・・・。)

途中で女性の一人旅ハイカーと出会う。

「橿原神宮」から「石舞台古墳」経由で登ってきたということだが、やはり「雨が心配なのでハイペースで来た」と言っていた。

かなりの健脚のようで、厚めの化粧が全く崩れていない。お互いに「お気をつけて」と声をかけて別れた。 

 

10:30 御破裂山山頂から20分くらい歩いたところで、民家が二、三軒あるT字路に出た。畑に居たご婦人に岡寺へ行く道をたずねたら、右側だと教えられた。

最初の目標地「万葉展望台」を目指して、舗装道路を森の中に進む。 

                ≪念誦崛(ねずき)不動尊下口≫

5分ほど歩いたところで、読めそうで読めない名前の不動尊の道標があった。

非常に興味をそそられたが、ぬかるんだ獣道のようなところを谷底に降りて行く感じなので、一人では危険と判断して見に行くのを断念。(後で調べたら、お不動さんの摩崖仏があるらしい)

さらに舗装道路を進んだところで、道が良すぎるのではないか・・・と不安になった。

先ほど道を教えてくれたオバサンは、車で行く道を教えたのではないかと疑心暗鬼になる。

だいぶ来てしまったが、一応いったん戻ることにして、最初のT字路のところで右往左往。スマホも圏外で検索ができない。

しばらくして、このT字路が「近鉄のてくてくまっぷ(多武峰・飛鳥の里)」のコースとの合流点であることが判明。

「てくてくまっぷ」を詳細に見たら「念誦崛不動尊」も載っている。

11:15 結局45分ほど時間をロスして、最初にオバサンに教えてもらった道を進む。ここからは、地図があるので心強い。

11:31 万葉展望台への道標を見つけ、やっと舗装道路から地道の遊歩道に入る。

                 11:35 石仏三体

11:50 「万葉展望台」に到着。

展望台は改修工事中で、ちょうど作業員の方々が昼食中。

年配の方から何処から来たのか聞かれ、「仙台です」と答えたら、「仙台から来た人なら、何としても説明をしたい」と言われ、二人で展望台に上がる。

                                           ≪工事中の万葉展望台≫

天気が良ければ、眼下に明日香の里が一望に見渡せるのだそうだが、今日は雲海の下。

しきりに「絶景をお見せできなくてザンネンだ」と言っていたが、私としてはこれも趣があって良いと思うのだが・・・。

盆地を取り囲む山々は見えているが、明日香村や藤原京跡は時折うっすらと見えるだけ。

左から、金剛山、葛城山、二上山と続き、一番右に生駒山が見渡せる。

かつては石舞台も見えていたが、今は成長した木々に隠れて見えないらしい。

ここで今日初めての休憩。おにぎりを食べながら景色を眺める。

親切なオジサンの解説が10分以上も続いたので、予定より長居してしまった。

12:20 展望台の登り口の脇に「岡寺」の道標があったので、この道を降りる。 

 

12:31 ここまでは歩きやすい道だったのに、この先は思いがけず悪路の連続。けっこう急な下り坂なので慎重に歩く。

 

        12:45                  

イノシシ対策のゲートを、通ったあとは丁寧に鎖でロック。

 

         12:55

13:02 石舞台古墳との分岐。石舞台は以前見ているので今回はパス。岡寺に向かう。

13:15 今日のトレッキングコースの終着、「岡寺」に到着。

明日香村は、以前歩き回っていて、何故かこの「岡寺」だけ見ていなかったので、ここを最終地点とした。一般的には、石舞台古墳か飛鳥寺(飛鳥大仏)を起点あるいは終点とするようだが・・・・。

何故か、ダリアと紅葉の組み合わせ。

                 ≪十三重石塔≫

  

                     ≪奥之院石窟≫ 

「もみじトンネル」は、まだこれからという感じ。

14:25 ぐるぐる回って、やっとバス停を見つけた。

このまま飛鳥寺まで歩いて飛鳥大仏を拝んでいこうかとも考えたが、すぐバスが来るようなので今日の歩きは終了。

14:34 橿原神宮前駅行きのバスに乗る。

15:07 橿原神宮前駅から近鉄の急行で、京都に向かう。

今日のコースのタイムチャート

談山神社-(10)→談い山-(10)→御破裂山-(20)→近鉄てくてくまっぷとの出合-(5)→念誦崛不動尊石柱-(30)→万葉展望台-(55)→岡寺-(10)→岡寺前バス停

       歩いた時間:2時間10分、歩いた距離:不明

      道に迷った時間は含まず。

      拝観時間:談山神社70分、岡寺45分


室生寺の紅葉

2016-11-25 | 京都・奈良旅行記

2016年11月20日

このところ続けている「奈良、京都」の古道歩き。

今回も、紅葉真っ盛りの古都の周辺を、三泊四日で歩く予定。

効率よく歩くために綿密な計画を立てたものの、紅葉の具合を見定めていたらホテルを予約するのに四苦八苦。

今年の紅葉見ごろは早いと判断して、いつもより旅程を繰り上げて20日~23日にしたのだが、日曜日と祝日が含まれるので混雑具合がチョット心配。

今日11月20日は、「室生古道」を歩いて紅葉真っ盛りの「室生寺」を目指す。

仙台市地下鉄→東北新幹線→東海道新幹線→近鉄京都線特急→近鉄大阪線準急と電車を5本乗り継いで、近鉄・榛原(はいばら)駅に向かう。

東海道新幹線から見る富士山は、青空を背景に今日もクッキリと美しい。

絶好のトレッキング日和だ・・・と思ったのだが・・・。

12:01 近鉄・榛原駅に到着。ここからは、奈良交通バスで室生古道起点の高井に向かう。

12:15発のバスに乗るため駅舎の外に出たら、ナント絶妙のタイミングで雨が降り出した。若い女性たちなどほかのハイカーは、すぐに駅の改札に引き返した。

私はカッパも傘も持っているので、諦めきれずにシバシ天を仰ぐが、天気予報は完全にハズレ。

雨は次第に強くなって来たので、やむなく「歩き」を断念。

選択肢としては、近鉄と奈良交通バスを乗り継いで「室生寺」に向かうしかない。

12:45 室生口大野駅で、秋の臨時バスに乗り継ぎ「室生寺」にようやく到着。

雨は上がっていたが、またいつ降り出すか分からない空模様。観光客もガイドさんも傘を持って歩いている。太鼓橋が濡れていて滑りやすいので、慎重に境内に向かう。

                ≪女人高野 大本山室生寺≫

本来なら、室生古道を佛隆寺→腰折れ地蔵→西光寺と歩いて午後3時頃に到着する予定だったが、2時間以上も早く室生寺に着いた。

日曜日なので、大勢の観光客やお遍路さんでけっこうな混雑。

室生寺の参拝はこれが二度目。前回は、お寺の屋根や軒下に雪が残っている時期だったが、今回は紅葉のピークの後半といった感じ。

                 ≪国宝 金堂≫

さっそく国宝の「金堂」に向かう。

お坊さんの解説に耳を傾けながら、ずらりと並ぶ国宝の仏像に手を合わせる。

     ≪国宝 十一面観音像≫

         ≪国宝 五重塔≫

予定通り「室生古道」を歩いた場合は、15時ごろ室生寺に入ってそのまま17時からのライトアップを見て行くつもりだったが、早く着いてしまったので夜の部はヤメ。

代わりに、東海自然歩道を下って大野寺まで歩こうと思いついたが、室生寺門前のソバ屋さんで聞いたら、「こんな雨の日は危険だからやめた方が良い」と忠告され、またも歩きを断念。

14:50 再び奈良交通バスに乗り、大野寺に向かう。

15:01 大野寺前でバスを降りると、川の対岸に巨大な「摩崖仏」が見えた。 

       ≪大野寺 弥勒摩崖仏(線刻)≫

宇陀川越しに弥勒摩崖仏を遥拝して、ここから近鉄の室生口大野駅までは徒歩で2,3分。

15:37 近鉄急行に乗車。

大和八木、大和西大寺で近鉄を乗り継ぎ、近鉄奈良駅に向かう予定を立てたが、ふたつ目の桜井駅で突然気が変わって下車。

桜井駅前でタクシーに飛び乗って、「安倍文珠院」に向かう。問題は、閉門が何時なのか。

16:05 安倍文珠院に到着。

                    ≪安倍文珠院≫

陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)で有名な安倍一族ゆかりの寺で、日本三文珠のひとつ。

抹茶と菓子で接待を受けた後、本堂で文殊菩薩を拝観。

途中から参拝客は私一人になったので、お寺さんのスタッフは私が帰るのをジッと待っている感じ。

17時まで粘ったので、きっと嫌な客だと思われたと思う。

 

17:00 交通手段がないので、徒歩で桜井駅に向かう。

とっぷりと日が暮れ、雨も強くなって来た坂道をトボトボと20分ほど。

桜井駅からは、JR桜井線で今日泊まる奈良を目指す。

 


奈良の古道を歩く 秋篠、斑鳩

2016-04-29 | 京都・奈良旅行記

2016年4月16日

奈良の古道を歩く旅、四日目最終日。

夕べ、奈良の地酒をシコタマ飲んで早く寝たせいか、薄暗いうちに目が覚めた。

シャワーを浴びる前にテレビをつけたら、昨日の熊本地震の続報をやっていた。

しかし、「どうも様子が変だな・・・」と思いながら見ていたら、何と、昨日よりはるかに大変な事態が起きている様子。

テレビの前でシバシ呆然。結局、ホテルのチェックアウト時間ギリギリまで、テレビにかじりついていた。

今日は、「古道歩き」の予備日としていたので何をするか決めていない。

帰りは伊丹空港19:45なので、それまでどうするか・・・・。

熊本地震のニュースに気を取られ、考えがまとまらない。

10時近くになってから、取りあえず奈良で時間を潰すことにして、午前は今まで行ったことが無いところ、午後は超有名なところに行く事に決定。

                        ≪秋篠寺 南門≫

10:34 大和西大寺駅からタクシーで、「秋篠寺」に到着。

青モミジが美しいアプローチを進む。

                      ≪秋篠寺 本堂(国宝)≫

薬師三尊像(重文)に、熊本で救出を待つ人々の無事と被災者の健康をお祈りする。

ついでに、有名な伎芸天(重文)にもお参り。

11:02 秋篠寺を出て、西大寺に向かう。奈良で東大寺には何度か行ったことがあるが、西大寺は初めて。

奈良市の「歴史の道」のコース上を歩く事になる。

かなり無理矢理なコース取りだ。

 

 

11:23 秋篠寺から徒歩で約20分。西大寺に到着。

                       ≪西大寺 本堂(重文)≫

本尊・釈迦如来立像(重文)に、熊本地震の被災者を救ってくれるよう祈願。

                     ≪西大寺 四王堂(観音堂)≫

四王堂にも寄って、十一面観音立像と四天王像(各重文)にも熊本・大分の救済をお願いする。

12:20 お寺を出て、大和西大寺駅に向かう。

駅前でタクシーを拾い、「斑鳩の里」の法起寺に向かう。

タクシーの運転手によると、「法起寺まで・・と言われたのは初めてだ」とのこと。

                       ≪法起寺(ほうきじ)≫

11:57 「斑鳩の里」の北端、法起寺に到着。

久しぶりに若い女の子たちが大勢いて、チョットうれしい。今までは、ほとんど貸切状態のお寺や神社ばかりだったので・・・。

現存する最古の三重塔(国宝)。

10:07 午後は、法起寺をスタート地点にして、斑鳩の里を歩く。

「古道歩き」とは言えない立派に整備された道だが、まあ、奈良盆地を歩けば何処でも古道でしょう・・・・。

この辺りで昼食にするつもりだったが、食堂どころかコンビニもない。道には影もなく、ジリジリと暑い。

                         13:17 法輪寺

昨日までのハードワークが祟ったのか、夕べ飲み過ぎたのか、やや足元がフラつき体調不良。

もしかしたら熱中症かもしれないと思い当たり、チョット不安。

ヌルくなったお茶を飲みながら歩く。「自販機が欲しい、影が欲しい」と言う感じ。

このコースのウオーキングは、暑い日はお勧め出来ません。

女性はみんな日傘を差して歩いているが、オジサンはそこまではしたくない。

                        ≪中宮寺 本堂≫

13:40 中宮寺に何とか無事たどり着いた。

アルカイックスマイルを浮かべる菩薩半跏像(国宝)に、早速お参り。

この仏様にお目にかかるのは二回目のハズだが、よく覚えていない。

本堂内がほぼいっぱいになったころを見計らって、録音(日本語)による解説があった。

拝観客の多くが外国人なので、正座して日本語の解説を聞かされるのは相当辛そうだ。

                    14:00 法隆寺 夢殿(国宝)

                 14:25 法隆寺 金堂と五重塔(国宝) 

中宮寺の「菩薩半跏像」を見たところで体力を使い果たし、「法隆寺」は素通りしただけという感じ。

収穫は、前に来た時に本物を見られなかった「玉虫厨子」をジックリ見たことだけか・・・。

15:30 門前のお店で一休みしたところで、体調も回復。今回の奈良の旅はこれで終了。

 

京都経由で伊丹空港に向かう。


奈良の古道を歩く 柳生街道(滝坂道-2)

2016-04-29 | 京都・奈良旅行記

2016年4月15日 つづき

朝、春日大社を出発。午前中、柳生街道(滝坂の道)を石仏を巡りながら歩いてきて、石切峠の「峠の茶屋」に到着。

午後からは、峠を「柳生の里」に向かって下る。

12:15 「峠の茶屋」を出発。

歩き出して直ぐに、集落に入る。

とある家の玄関にぶら下がっているのは、これは「龍吐水(りゅうどすい)」ではないでしょうか・・・。

家の飾りとしては、あまりにも「カッコ良すぎ」だ。

ネットや電気柵でガッチリ守られた田んぼ。シカ避けなのかサル避けなのか、あるいはイノシシ避けなのか・・・。

           

次第に道は細くなり・・・。

こんな道になってしまった。雨の日は最悪。

「滝坂の道」のゴール「円成寺」は、もう直ぐだ。

 

13:30 やっと車道が見えて来た。

半日以上も山道を歩いて来たので、走り過ぎる車が速過ぎて、道を渡るのが怖い。

              ≪忍辱山 円成寺(にんにくせん えんじょうじ)≫

13:33 「滝坂の道」のゴール地点、「忍辱山 円成寺」に無事到着。

ここで、若かりし天才仏師「運慶」(25歳)が製作した「大日如来坐像」(国宝)を拝観するのが、今日の最大の目的。

まずは本堂で、ご本尊の阿弥陀如来坐像と四天王像(いずれも重文)に、熊本地震の一日も早い復興を祈願。

つづいて多宝塔に移って、運慶作の大日如来坐像(国宝)を拝観。

いやぁ~・・・良かったです。

庭園内の食事処にあった、大日如来坐像の写真。

 

14:30 すっかり遅くなってしまった昼食。円成寺の見事な庭園を眺めながら、里定食をガッチリ喰う。

ところで、「柳生街道(滝坂の道)」コースはここで終了したものの、当初の計画ではここからさらに歩を進め、「柳生街道(剣豪の里)」コースを歩いて、「柳生の里」を見物するつもりだった。

しかし、スタートの遅れから途中もいろいろあって、既にスケジュールは大幅に遅れている。

このまま「柳生の里」まで歩くと、見物どころか17時5分の最終バスにも間にあわない可能性がある。

柳生行きのバスも16時台までないので、これ以上進めないのが決定的。

仕方が無いので奈良市内に戻ろうと思うが、16時7分までバスは無し。

お寺に戻り、また「運慶の大日如来」などを見せていただいた。

それでも1時間近く時間が余ったので、お庭をブラブラ。

結局、お寺に2時間半もいた。

16:07 2時間ぶりにやって来たJR奈良駅行きのバスで、奈良市内のホテルに戻る。

快晴の天気が勿体ないので何処かに行こうか考えて、名案が浮かんだ。

ホテルでタクシーを呼んでもらい、若草山の山頂へ向かう。

18:10 若草山山頂展望台。

タクシーの運転手も、「こんなに美しいとは思わなかった・・・」と感動。

まあ、タクシーで夕日を見に来る観光客は少ないのでしょう。

本来ならもっとヒキの画が良いのでしょうが、カメラをもっているみんなが集まってくるので難しいのです。

一眼レフの高級カメラを持って来た人は、早々と諦めていた。

このアングルを撮るには、地面に腹バイにならないとファインダーを覗けないのだが、地面は鹿の糞だらけ。

私のカメラは、液晶画面を動かせるコンパクトカメラなので、地面スレスレでもOK。

二匹いた鹿が移動すると、カメラやスマホを持った人たちも一緒にゾロゾロと・・・。

18:30 真っ赤な太陽は、生駒山の裾野に沈んで行きました。

  

「柳生街道(滝坂の道)」コースタイム(単位:分)

春日大社拝殿-(5)-若宮神社-(25)-柳生街道入口-(27)-寝仏/夕日観音/三体地蔵

-(8)-朝日観音-(7)-首切地蔵-(24)-地獄谷石窟仏-(44)-春日山石窟仏-(20)-

峠の茶屋-(80)-円成寺

 

     歩いた距離:約11.5km

       歩いた時間:4時間

         ※地獄谷石窟仏と春日山石窟仏を見る順番が、逆の方が良かったかもしれない.


奈良の古道を歩く 柳生街道(滝坂の道-1)

2016-04-29 | 京都・奈良旅行記

2016年4月15日

今回の奈良の古道歩きも三日目。

今日は、去年の秋に歩けなかった「柳生街道 滝坂の道」を歩く予定。

7時にはホテルを出ようと思い、6時起床。

天気予報を見ようと思ってテレビをつけたら、何と熊本で大地震が発生していた。

しばしテレビの「災害報道」を見る。

こんな時に、遊んでいていいのか?・・・・とも思ったが、どうなるものでもない。

予定より1時間ほど遅れて、ホテルを出発。

                          ≪春日大社≫

8:15 春日大社に参拝。熊本の地震で被災した方々の無事と一日も早い復興を祈る。

 

8:20 春日大社の拝殿を後にし、若宮神社の方に廻って十五社巡りをしながら、全ての神々に被災者の無事を祈る。

昨日までは、自分の健康のことだけを祈っていたが、今日は熊本の被災者のことを優先する。

         

十五社巡りを済ませて「上の禰宜道(かみのねぎみち)」を、旧柳生街道へ向かう。

朝のお参りに来る近所の方と擦れ違うだけで、静寂そのものの道だが、時折、鹿の鳴き声が聞こえる。

8:50 昨年の秋、北・山の辺の道で行った「白亳寺」への分岐。

いよいよ、「柳生街道の滝坂の道」へ入る。

取りあえず、道の真ん中にある汚水マンホールの蓋を撮影。

この通りには二種類あったが、上の写真は鹿と桜の模様で、中央に「奈」の文字をデザイン化した市のマーク。

         

8:55 道の舗装も無くなり、やっと古道といった雰囲気になる。

新緑が朝日にキラめいて美しい。

今回の旅では、いつも持ち歩いている大型の一眼レフカメラは持たずに、コンパクトカメラ二台にしたので、荷物は非常に軽くなったが、木漏れ日や逆光でのマニュアル撮影が難しい。

         

新緑の美しさのほかにも、渓流の音やウグイスの鳴き声が盛んに聞こえて癒される道だ。

頭上の緑や脇の流れにばかりカメラを向けていたら、肝心の石仏を次々見逃してしまい、途中から引き返したりして右往左往。

                           ≪寝仏≫

          

写真の中央上の矢印が「夕日観音」、その右下の矢印が「三体地蔵」。非常に分かりにくい。

                          ≪夕日観音≫

「夕日観音」は遥か崖の上にあった。仏像観賞用の単眼鏡で探し出し、予備に持ってきたコンパクト望遠カメラで撮影。

                          ≪三体地蔵≫

「三体地蔵」は、一度目は分からずに通り過ぎたが、他の石仏を探しに戻った時に気がついた。

                          ≪朝日観音≫

どう見ても「観音さま」とは思えない「朝日観音石仏」。夕日観音とのゴロ合わせでしょうか・・・・。

横目で見るだけなら15分ほどで通り過ぎる石仏群だが、かなり時間を掛けてしまった。

タイムロスを取り返すため、誰もいない山道を急ぐ。

                         ≪首切地蔵≫

10:02 剣豪・荒木又右衛門が試し切りにしたという「首切地蔵」に到着。

いろいろなハイキングコースが合流するところなので、広場になっていて、ハイカーもチラホラ。

なるほど、首が切られたようになっている。

ここにはトイレや休憩所があるので、シバシ休憩。

 

ここからは「春日山石窟仏」が見られる真直ぐのコースと、「地獄谷石窟仏」が見られる右の迂回コースとに分かれる。

最近、石仏マニアに成りつつある私としては、どちらも見たいのだが・・・・。

近くで休憩していた地元のハイカーと思われるグループに、「どちらも見られる効率的な方法はないか?」たずねたところ、一組のご夫婦がこれから行くと言うことで、「ご一緒しませんか」とご親切に誘われた。

10:08 首切地蔵前を出発して、右手のコースに入りまずは「地獄谷石窟仏」を目指す。私より年上かと思われるご夫婦だが、かなりの健脚でお二人ともお話し好きのようだ。

当然、昨夜あった熊本地震の話になったが、最近、東北の被災地巡りをしてきたばかりだと言っていた。 

                        ≪地獄谷石窟仏≫

10:31 おしゃべりに夢中になっている内に、「地獄谷石窟仏」に到着。

鉄格子と金網に囲まれているが、写真撮影用の窓がついている。

この辺りでは最も古い(奈良時代後期)石仏だということだが、けっこう色が残っている。

地獄谷石窟仏を後にして、ご夫婦はドンドン登って行く。

鎖場もある本格的な登山道といった感じ。

 

道はますます急な登りになり、「石切峠を越えた」と言われたが、それが何処なのか分からない。

逆向きのコース(下り)だったら、相当に膝に負担がかかっただろうと思う。

キツイ峠道も、新緑の中のヤマツツジが癒してくれる。

途中で、ご夫婦の仲間だと言う男性と合流。ガイドブックに載っていない「秘密の石仏を見に行こう・・」ということになり、「春日山石窟仏」は後回しに・・・・。

道標の無い山道に入り、「秘密の石仏」というところに到着。

写真右手奥に、石を切り出そうとした痕跡が残る。この周辺一帯は、東大寺大仏殿建立の際の、石切り場だったらしい。

         

風化があまり進んでいないのか、仏像の姿かたちがハッキリ残っている。お釈迦様でしょうか・・・。

この山の中には、他にもガイドブックや観光マップには載っていない石仏があるそうで、「藪コギ」の話も出て来たので、私はこの辺で分かれて、「春日山石窟仏」に向かうことにした。

親切なご夫婦は、私が若草山の方に抜けると思っていたみたいで、「これから柳生へ行きます」と行ったら、驚いていた。
地元奈良のハイカーの方々は、春日山石窟仏を見たら若草山の方に回って市内に戻るのが一般的らしい。

 

したがって、案内してもらったコース取りが、効率的だったかどうか良く分からない。

しかし、「秘密の石仏」も見ることが出来たし、地獄谷のコースもけっこうハードで面白かった。

 

                        ≪春日山石窟仏≫

11:27 「春日山石窟仏」に到着。ここは「奥山ドライブウェイ」からも入れるからか、囲いが頑丈そうだ。

網目が小さいので、一眼レフカメラだとレンズが突っ込めない。

11:40 いったん横切って来た「奥山ドライブウェイ」との交差点に戻り、水分補給。柳生方向に真直ぐ進む。

                          ≪峠の茶屋≫

11:50 有名な「峠の茶屋」に到着。

ここで昼食にしようと思って来たが、ナント、名物「草餅」が売り切れ。しかたなく「くず餅」を注文。

ご主人に聞いたら、この建物は築180年。

 

地震関係の仕事をしているという一人旅の男性と、シバシ熊本地震の話をしながら「くず餅」を食べる。

 

ここまでのコースタイム(単位:分)

春日大社拝殿-(5)-若宮神社-(25)-柳生街道入口-(27)-寝仏/夕日観音/三体地蔵-(8)-

朝日観音-(7)-首切地蔵-(24)-地獄谷石窟仏-(44)-春日山石窟仏-(20)-峠の茶屋

     歩いた距離:約6km

       歩いた時間:2時間40分

       要した時間:3時間30分

         ※石仏を見逃して右往左往したり、秘密の石仏(?)を見に行くなど時間が掛かった。

         ※地獄谷石窟仏と春日山石窟仏を見る順番が、逆だったかもしれない.

 

 奈良の古道歩き 柳生街道(滝坂の道-2)へつづく