今度引っ越したマンションの我が家は
一階で日当たりが悪く、
正午から午後1時過ぎの一時間ほどしか
部屋に日が差しません。
『半日村』という
日照時間が短く作物が育たないので
貧しい村の話がありますが
我が新居(古いけど)は「一時間部屋」です。
中国にいたとき、
送ってもらった写真を見て購入を決めたのですが
隣家がこんなにも差し迫っていて、日光が遮られているとは
思いが至りませんでした。
でも、部屋の外には狭いながらも土部分があり、
リフォーム会社さんが以前生えていた木や草を全部きれいに
刈り取ってくれていました。
切り口が痛々しくて、
見るたびに(悪いことしちゃったなあ)と
申し訳なく思う切り株もあります。
今年、関西は暖冬で雨が多く、まるで菜種梅雨のようです。
引越して約3週間経つと
土の中から草たちが一斉に芽吹いてきましたよ。
↓藻類と言うのか、苔類と言うのか。
下の右にシダ類の子どももいます。
塀の隙間から
スミレみたいなのが花を咲かせていました。
私はそれを見て、
日当たりのことでグジグジ思うのを止めました。
この小さくて可憐な花に心を動かされたのです。
ここで暮らしていこうと覚悟を決めました。
ある朝、外に置いてあるごみを出そうと外に出ると、
(あれ、何か違うな)と感じました。
黄色い丸の部分が違和感を覚えた個所です。
近寄ると、やっぱり!
堂々たるサイズのカタツムリでした。
根本まで切られた木に張り付いて
生きている小枝の先を食べています。
私が撮影していることなど一切お構いなしです。
もはや撮影会のモデル状態。
しかし、この巨大カタツムリを養育する十分な施設設備は
私の土地には今はありません。
隣家に緑が豊かに生い茂っていることに着目した私は
カタツムリの幸せのため、そちらへ引っ越させてあげました。
物干しざおの上に置いてあげたのにすぐ落ちて
ポト、と音がしました。
(お隣さん、あとはよろしく頼みます)
塀の隙間で生きて咲く小さな小さな花を発見したときは、胸いっぱいに温かいものが満ちました。
こんなけなげな花が生きてくれているんだもの、ここはいいところだ、と思えてきた単純な私です。
日陰で静かに暮らす草花はたくさんありますので、日本に帰ってきたら落ち着いた雰囲気の庭作りをしたいものです。あと、シイタケの栽培とかも(笑)。
カタツムリちゃんもブルーはーとさま同様、ホッとしていることでしょうね。
良かったこと。