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「日本の人たちは福島甲状腺ガンの勃発を知っているの?」2013年6月10日(月)No.676

2013-06-10 14:02:14 | 原発事故
日中戦争や太平洋戦争の間、ずっと、日本政府は国民に
「この戦争は正義の戦争だ。日本は勝ち続けている。」
と言い続け、国民を騙していた。
国民の多くは、1945年の敗戦までその大本営発表を鵜呑みにしていた。

今、それと同じ状況が、日本国内で起きている。
17万4千人の福島の子どもたちのうち、
12人が甲状腺ガンであることが確定し、
さらに15人にガンの疑い(細胞診検査)があるという。
(6月5日福島健康管理調査委員会の発表)
ここで言う「疑い」とは
福島健康管理調査委員会責任者:鈴木真一福島医大教授によると、
「細胞診検査の制度(確率)は9割」だという。
つまり、17万4千人のうち27人弱の子が甲状腺ガンであるという結果が出たのだ。

注)従来の発症率は、未成年100万人に1人程度と公表されている。
また、年齢を15歳から19歳に限った場合、全国発生率は100万人に5人(1975年から2008年)、
年齢15歳から24歳における平均全国発生率は100万人に11人(1975年から2008年)というデータもある。

未成年全体の100万人に1人という平均と比較すると、
この17万4千人当たり27人弱の発症は約155倍
になるのは、小学生でも計算できる。
従来の全国平均の155倍もの発症率で、
福島の子どもたちが甲状腺ガンに冒されているという事実。

これはあらゆる新聞、テレビ、雑誌、ネットニュースのトップに扱うべき事実である。
にもかかわらず、メディアはそうしない。
国民は、この重大な意味を知らされていない。
地元福島の新聞には下のような記事が載った。

「8歳以下は0人でよかったね~」
「原発事故の影響じゃないんだって。よかったよね~」

と言っているとしか思えない記事だ。
(いや、あの、それで終わるつもり???)
と誰しも思うだろう。
平均より155倍もの発症率を
「とにかく、たいしたことないんだって。良かったよね~」
と、大本営発表に加担し、
国民をゴマかすつもりのマスコミ。
どこまで庶民を馬鹿にするのか。

為政者も、これらのマスコミのヒトたちも、
自分の身に降りかからなければ、誰が死のうとどうでもいいのだ。
戦時中、軍隊の上層の人間たちは、美酒を飲み、たらふく食べていたが、
その時、戦い現場に追いやられた庶民の男たちたちは、痩せこけて、
日々、他人を殺すか、さもなくば自分が死ぬかの選択しか許されなかった。
さらに、戦場の慰安婦たちは、一日何十人もの男の慰み者になるか、
舌を噛んで死ぬかの選択しか許されなかった。
支配者にとって、庶民の命なんか虫けら同様の意味しかないのだ。
今も、全く、全く、全く同じだ。


福島の子どもたちが、
「ぼくはおとなになれますか?」
と尋ねる声は、誰が聞くべきなのか。
原発を作って稼働させてきた、
そして、それを許容してきた大人たち全てに向けられた言葉なのだ。
今は、全国の子どもたちにガン検診を実施しなければならない事態ではないのか。
国内の子どもの数が減って困っているなら、
せっかく生まれて、育ちつつある子どもたちの命を大切にしないとダメじゃないか。
日本、しっかりしてよ!







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2 コメント

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空気を読む (宗純)
2013-06-12 10:08:01
どうでも良い重箱のすみ突き的な細かいイチャモンですが、
『27人弱の子が甲状腺ガンであるという結果』は間違いで、
正しくは27人弱+アルファで、9割が正しいなら多分40人近い数字です。
9割の精度なら細胞診で陽性(疑い)でも1割の1~2人が偽陽性ですが、
陰性と判定された人数は10倍程いるのです。検査人数の1割が偽陰性(小児甲状腺がん)なので。合計すると5割ほど総数が増えます。
細胞診ですが熟練者なら95%以上の精度があり、ほぼ間違いないそうです。

『国民の多くは、1945年の敗戦までその大本営発表を鵜呑みにしていた』
も間違い。
敗戦時点では、実は国民全員が薄々日本が負けていると知っていた。
知識層に限っては、敗戦間近どころか戦争開始の前から確実に結果を知っていた。
ところが誰ひとりも表てだっては口に出さなかったのですね。
日本の最も悪い部分が出てしまった悲劇で、
周りの空気を読んで、真実を語らなかったのです。
無力なインテリだけではなくて、日本で唯一の主権者である天皇も近衛文麿も東条英機も戦争をしたくなかったが、周りの空気に流されて『勝てない』『駄目だ』と言えない。
全員が同じなのです。なんとなく空気に流されて戦争に突入してしまう。
ところが一度戦争を始めると、今度は日本の最後の防衛ラインであるサイパン島陥落で敗戦が確定、命運が尽きたのに、誰も戦争を止められないのです。
日本ですがドイツのような明確な自覚がある戦争指導者が一人もいなかったのですよ。
誰も彼もが周りの空気を読んで流されていたのですが、今回の福島第一原発事故も全く同じ種類のことが起きています。日本人のひとりとして本当に情けないですね。
返信する
状況の把握と整理 (ブルーはーと)
2013-06-13 11:10:30
宗純さん、コメントありがとうございます。
2つのご指摘は「いちゃもん」ではなく、「さらに緻密な状況把握とその説明」であると、ありがたく受け止めました。
1つ目の
『正しくは27人弱+アルファで、9割が正しいなら多分40人近い数字です。
9割の精度なら細胞診で陽性(疑い)でも1割の1~2人が偽陽性ですが、
陰性と判定された人数は10倍程いるのです。検査人数の1割が偽陰性(小児甲状腺がん)なので。合計すると5割ほど総数が増えます。』
という部分は、(そこまで可能性を緻密に計算するのか!)とオドロキでした。陰性が陽性の10倍の人数がいるのが事実ならば、確かに15×10=150 1割がニセ陰性(つまり陽性)とすると150×0.1=15 27+15=42 で、42人になりますね。
あちこちのお医者さんが、それをワーワー指摘して欲しいものです。
2つ目の、
『敗戦時点では、実は国民全員が薄々日本が負けていると知っていた。
知識層に限っては、敗戦間近どころか戦争開始の前から確実に結果を知っていた。
ところが誰ひとりも表てだっては口に出さなかったのですね。
日本の最も悪い部分が出てしまった悲劇で、
周りの空気を読んで、真実を語らなかったのです。』
について。
私が学校の教科書などで説明を受けた「国民は騙されて、大本営発表を信じさせられていた」というこの言葉もまた「大本営発表」ですね。国民は自分の責任を為政者に全てなすり付けて、自分は無垢の民だったと言えば、罪は問われませんからね。
今の福島原発事故による健康被害等悪影響についても多くの国民は「政府が言うことは正しいと信じるふり、または、皆(これも曖昧な言葉ですが)が流れていく方向に自分も乗ることへの腐心」ばかりをしているのでしょうか。
どうしてこのような民族的風土が出来上がってしまったのか・・・。
しかし、同時に絶望の心を抱きながら、それでも希望に向けて発信を続けている多くの方々も日本にはたくさんいらっしゃいます。宗純さんもその一人ですね。
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