ピュアという心の色を持った少女は
大空へと翼を広げ、
飛び立ってゆく渡り鳥を見上げながら、
いつか自分も空を飛べるんだと信じていた。
世間知らずの少女は
人を疑うことを知らず、
誰の色にも染まらずに
大人になったけれど、
痛みを知らない少女には
人の心の痛みがわからなかった。
何故泣くの?
何が悲しいの?
ねぇ、笑ってよ、いつもみたいに・・
だからその無邪気さは時折、
人の心をチクリと刺した。
誰でも若い頃は、
人として未熟な面が多くあり、
その未熟さに気付かない故に
まわりの人たちに
迷惑をかけてしまっていることは
多いかと思います。
それはある意味、仕方のないことで、
誰もが家族や友人や職場の人たちとの
触れ合いの中で
少しずつ学んで気づかされ
年を重ねてゆくのでしょうね。
人は自分が経験しなければ、
本当の意味で人の気持ちを
理解することは出来ませんね。
私もそうでした。
子供の頃から、
あまり人に助けを求めることはせずに
自分だけを信じて
生きてきたような一面がありました。
人の言ってることは気にしない。
人にどう思われようとも、
自分がいいと思うならそれでいい・・と。
そんな風にして
まわりの人たちや家族の心を
知らず知らずのうちに
チクリと刺したりひっかいたりして
年を重ねてきたのだと思うのです。
ただ、今ここでこうして
過去の自分を振り返ることが出来るのは
そんな自分に気づくことが出来たから。
未熟だった私を
黙って見守ってくれた人たちがいた。
私が気づくまで辛抱強く
側で支えてくれた人がいた。
人はあまりに身近すぎると、
その人の優しさに気付かないこともあります。
ましてや家族だったら
余計に甘えて曇りガラスで見てしまうもの。
そんな甘えから
どれだけ人に迷惑をかけてきたのだろう・・
と思うと、未熟だった昔の自分が
恥ずかしくてなりません。
でも同時に、
そんな私に呆れずに
今でも付き合いを続けてくれている友人や
家族、OTTO(夫)には
感謝の気持ちでいっぱいです。
彼らが何か
アドバイスをしてくれたわけではありません。
ただずっとずっと側にいてくれた・・・
人の優しさとか思いやりとは、
ダイレクトに投げかけられるものは
もちろん心に直球で響いてきます。
でも見守ってくれる優しさもあります。
いつもそこで見守ってくれていたことに
気付いた時、私は自分に欠けていたピースが
何だったのか…
ようやくわかったような気がしました。
でも人はいくつになっても
学ぶべきことがありますし、
誰かから何かを教えられることは
死ぬまで続くんだと思います。
カッコいい大人になんて、
どんなに高くジャンプしたって
インスタントにはなれませんよね。
でも心配ご無用。
年を重ねてゆけば誰でも、
何とか大人になっていきます。
私みたいにそれなりに(笑)
それは何かに気づいたら
目をそらさずにまずは
向き合って見ることではないでしょうか
どうして自分はいつも同じような所で、
つまづくんだろう ・・
どうして何度やっても
同じ失敗ばっかり繰り返すんだろう・・
それにはきっと意味があるんだと思います。
その意味に気付くために何度も同じことが繰り返し起こっている・・と考えてみてください。
自分を少しだけ離れた所から客観的に見つめてみてください。
自分の足りなかった部分が見えてきませんか?
気づくだけでいいと思います。
気づいたら時々、
ひとりの時間に
どうしてそのことに気付いたのかを
考えてみてください。
答えはすぐには見つかりません。
でもそれでいいじゃありませんか。
人間はまず自分が未熟であることを認め、
それを真摯に受け止めることから
変わっていけるんだと思います。
自分を卑下しすぎる必要ははありませんが、
相手の年齢に関係なく
素晴らしい人は素晴らしんだと
素直に拍手を送り、
教えを乞う素直さも必要だと思います。
謙虚な気持ちで人と接していると
目には見えなくても、
相手に伝わる気がします。
そして自分の中で温かい思いが流れて
相手に対しての感謝の気持ちが湧いてきます。
ただそれだけのことです。
何か大きな達成感があるとか、
悟りが一気に開いたとか
そんなことではありません。
何でもないことですが、
その何でもないことが
実は一番の心の平安だったりします。
今年もまた渡り鳥が
やってくるだろう。
いつか大空へ飛び立てると
信じていた少女は
大人になって年を重ね
自分に翼がないことを知ってしまった。
でももう、
自由の翼は要らない・・
と心の片隅でそっと呟いた。
今日という日を精一杯生きて、
この人生を終えることが出来たなら、
いつかあの空へ帰ることが
出来ると知ったから。。
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過去記事をスマホ版に手直ししています。
昔の自分が見れて面白いですね。
何だかこの記事、上から目線ですみません。
7年半経ちましたが、最近はどうも昔の元気も
なくなってしまってるかなぁ…
年でしょうかね (2020年3月追記)
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