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72冊目のアマゾンレビューは『ランナー』
碧李と杏樹の心の交流が切ない・・・
ランナー あさの あつこ (著)
長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の碧李に惹かれていった。
無口で、感情を表に出さずに、自分自身のなかで家庭で起こる虐待を処理しようとしている。
抱えられないのに、抱えようとするその若さが切ない・・・。
それもこれも、家庭環境がそうさせているのかもしれない。
母は離婚する。
夫が愛人をつくり「すまないな。お前は、強いから一人で生きていける」と言うが、何も言えない母。
夫の弟夫婦が事故に遭い、その子ども・杏樹を引き取ることになる。
そして、杏樹が見せるしぐさや表情が別れた夫に似ていることから母親は、杏樹に虐待を始める。
夫への怒りをきちんと、処理できないために、こんな風に憤りが噴出してしまうのだろうかと考えた。
家庭の事情から陸上部を退部しようとした碧李だが
母親の虐待、そして、碧李は薄々感じながらも母に追及できない
そんな弱さや情けなさに心が奪われていった。
虐待を繰り返す母親は、もう、限界と思い、元夫と会い、
子どもを引き取ってもらおうとするが・・・
虐待をされていた杏樹が「ママ、ママ」と別れを惜しむ。
そして、母親も杏樹を抱きしめる。
この依存と共依存の虐待の怖さが、この小説とは別のテーマになった。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
あさの/あつこ
1954年岡山県美作市生まれ。「バッテリー」で野間児童文芸賞、
「バッテリー2」で日本児童文学者協会賞、「バッテリー1~6」で
小学館児童出版文化賞を受賞
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