アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

キャパは世界一ダンディな男だったかもしれない

2010-11-15 22:52:31 | エッセイ他
「ちょっとピンぼけ」そのときキャパの手はふるえていた!



「ちょっとピンぼけ」“Slightly out of Focus”
川添浩史・井上清壱訳 ダヴィッド社、1956年発行
(写真は1978年19版のもの)

ロバート・キャパは最も有名な報道写真家、戦場のカメラマンに違いない
彼に匹敵する報道写真家はたくさんいるだろうが
彼のように「有名」ではない
彼の生きざまがその写真とともに彼自身を有名にしたのだ

この写真でカメラマンとして認められ
同時に彼を代表する写真でもある
スペイン内乱中に撮影した「崩れ落ちる兵士」

一度は目にしたことがあるのではないか
ただ、この本には掲載されていない
物語は1942年から始まって1945年にヨーロッパでの戦争が終結するまでの話である
そして、彼の恋の始まりと終わりの話でもある

「そのとき、キャパの手はふるえていた」


これも誰もが目にしたことがあるだろう
ノルマンディー上陸作戦の写真
実は、現像担当者が現像に失敗しフィルムをだめにしてしまう
わずかに残った写真の1枚がこれで
もちろんブレもあったろうが現像ミスによるものだった

こうした逸話も含め
戦争のばかばかしさ、しかし、祖国のため人種のため
戦わなければならない運命
この物語(自伝なのだろうが)を読み進むうちに
世界一ダンディなカメラマンに魅かれていく

彼は不死身ではなかったのか・・
第二次世界大戦を撮り続けたキャパも
戦場カメラマンのとしての運命を免れるわけにはいかなかった
やはり戦争ほど愚かなものは無いのだ


読み終えたとき、私の手はふるえていた

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「たった一人の反乱」小説と... | トップ | B級グルメは脱帽して退散 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

エッセイ他」カテゴリの最新記事