アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

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こんな風にビストロに通えたらいいのに

2021-06-16 10:24:56 | ミステリー・ハードボイルド
重いテーマもあるけれど楽しく読めました

近藤史恵(著)「ビストロ・パ・マル」シリーズ

「タルト・タタンの夢」  近藤 史恵 (著) 東京創元社(創元推理文庫) 2014年発行


「ヴァン・ショーをあなたに」 近藤 史恵 (著) 東京創元社 (創元推理文庫)   2015年発行


「マカロンはマカロン」 近藤 史恵 (著) 東京創元社 (創元推理文庫)   2020年発行

書評をちら読みしたら同じ動機で読み始めた人が結構いるようだ
テレビ東京で放映が始まったドラマ「シェフは名探偵」の原作で
ほぼビストロ・パ・マルの店内で進行する
いわゆる「ワンシチュエーションドラマ」が
西島秀俊、濱田岳、神尾佑、石井杏奈のキャストと
堤幸彦のトリックシリーズに携わった木村 ひさし総監督の演出の妙もあり
なかなか面白く原作も読んでみようと思った
小説も基本的には「ビストロ・パ・マル」を舞台としたシェフと客たちが織りなすドラマで
それぞれ7、8編の短編が収められ
同じ登場人物で綴られるオムニバス作品となっている
(小説の場合はシリーズ短編集ということで良いのか)

料理とミステリと言えば美食探偵「ネロ・ウルフ」や健康志向の「スペンサー・シリーズ」など
レシピ本が出ているものも少なくない
このシリーズは「死体」も出てこないし「大事件」も起きない
フランス家庭料理や違う国の食文化を「メインディッシュ」として
主な4人の登場人物の個性で楽しく読ませる
作品解説で著者が「クレイグ・ライスのような軽妙でキャラクターが立っているようなものがすごく好き」
とインタビューに答えて話していることを紹介している
そう知って物語に好感を持ち楽しく読めたことが納得できる
どんなに完璧なトリックであろうと偶然に勝る完全犯罪はない
こういうミステリーが私は好きなのだと改めて思いました

ビストロに限らず外食は苦手で
結構好き嫌いもあり美食家にはなれない
ワインは好きだがコース料理より高いフルボトルワインを注文する勇気と金も持ち合わせない
シェフと粋に言葉を交わし季節の美味しい料理を堪能できる
そんな常連客になれたら楽しいだろうが難しい
せめて小説の中の「ビストロ・パ・マル」に今少し通いたいと思う
シリーズはまだ続いているらしいので続編の出版が待ち遠しい
そして同じ著者の「サクリファイス」シリーズも読んでみたくなった


一読し、もう一度料理本を片手に精読しても楽しめそう

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