Boruneo’s Gallery

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4月の雪 17

2007年01月20日 00時40分15秒 | 創作話
        

          17 ~後悔~

「奥さん、ご主人ですが、あれから状態も大変いいですね。明日にも普通病棟に移ろうと思ったら移れますよ」

ソヨンはドクターに呼ばれて、キョンホssiの容態とこれからの治療について説明を受けていた。

「しかし、少しリハビリが必要ですね。といっても、障害が残るとかそういうことでないですよ。あれだけ意識不明の時間があったんですから、落ちてしまった筋肉を戻してやらないと・・。生活に戻るためのリハビリですから、毎日少しずつ頑張りましょう」

「はい。よろしくお願いします」

意識が戻って5日目には、家と病院の往復の生活も少しはリズムが出来てきていた。
仕事はしばらく休むようヘギョン先輩が言ってくれたおかげで学校のほうも問題はなかった。
病室に戻るとキョンホがソヨンに話しかけた。

「ドクター、何だって?」
「うん・・ちょっとリハビリしたらいいって。それと明日には普通病棟に移れるって・・」

キョンホは「そうか・・・」と言って、ソヨンから視線を外した。
「今日から移れないかな・・・」
「え?今日?」
「・・ああ。ここだとなんだか気が滅入りそうなんだ。ソヨン、ドクターに頼んでくれ」
「・・・本気なの?」
・・ああ・・と返事したキョンホに、ソヨンの心は翳を落としていった。

・・・スジンssiを気にしてるのね・・・彼女から逃げるの?
・・・逃げて、それからどうするの? 
目覚めてから、私はあなたに一言も何も聞かなかった。
体のことも心配だったけど、私自身がどう聞けばいいのかわからなかったからよ。

キョンホはソヨンが事故について何も聞かないことに、“彼女はすべて知っているのだ”ということをわかっていた。
誤魔化すことの出来ない真実。
自分の中のずるさに目を背けてでも、キョンホはソヨンを取り戻す時間が欲しかった。

“わかったわ。ドクターに話してみるから・・・。”とソヨンは病室を後にした。

取り残されたのはカーテン越しの「男と女」。
気配で相手の家族がいないことがわかった。

「・・・・大丈夫か」
「・・・そっちこそ、どうなの」

「俺のことは心配いらない」
「・・・・そう」

「・・・・・・」
「・・・何か言えば?」

「・・終わりにしようか」
「・・・そうね。・・これ以上続けてもいいことないわね」

「・・簡単だな?」
「・・・本気だった?・・後悔してるの?」

「さあ・・・どうだろう。だが、楽しかったよ」
「あなたのそういうずるさも好きだったけど、夫としては最低ね」

「君が言うなよ、お互いさまだろ」
「・・・・」
 
「じゃあな・・」
「・・・ええ・・じゃあね」

スジンはキョンホに気づかれないように一人小さな涙を流し、別れの儀式を終えた。
キョンホはひとつ仕事をこなしたような疲れを感じて、眠りにつき始めていった。

ドクターから特に問題はないと許可を得たソヨンが病室に戻ってくると、キョンホは眠りについていた。

起こすことないわ・・・・

ソヨンは踵を返して、今来た廊下をゆっくりと歩いていった。

なんだか、外の空気が吸いたい・・・

外来の時間が過ぎた午後のロビーは人もまばらで、病院関係者がうろうろしているくらいだった。
一歩外に出ると、冷たさの中に春が近づいている気配の風が、ソヨンの頬や髪を優しく撫でていった。
ソヨンは冬の名残空に向かって顔を上げながら、目を閉じてゆっくりと3月の風を聞く。

「気持ちいいかい?」

風に乗って、インスの声がソヨンの耳に届けられた。
あの朝以来に聞くインスの声。

「インスssi ・・」
「ソヨンssi、こんな所でどうしたの?」

「ちょっと、風に当たりたかったの。インスssiは今、来たの?」
「ああ・・」

「やっと、君に会えた」
「・・・この間、メールの返事をしなくてごめんなさい。なんだか・・色々あったから疲れて」
「いいよ、気にしなくて。もう、大丈夫?」

私に問いかける彼の笑顔に目が奪われて、そのまま見つめていた。
・・・どうしてそんなに優しく私を見るの?
・・・あなたは恐くはないの?
彼の瞳が暖かくて、優しくて、その胸に飛び込んで呼吸がしたかった。
そしたら私は自由になれるのに・・・・。

「ソヨンssi・・・少し話しが出来る?」

頷いた私は、彼に誘われて駐車場に頭から突っ込んで停めている車の中に乗り込んだ。
病院側には私たちの後ろ姿が少しわかるくらいだから目立つ心配はなかった。
そんな考えを余所に、あなたは私の顔をじっと見たかと思うと “元気そうで本当に良かった。” って嬉しそうな顔をするのね。

「実は、あれから君に会いたくて、何度もメールしようとしたんだ。 だけど、返事が貰えなかったことが本当は気になっていて。 あなたは、後悔しているのかと・・・思ったんだ。」
インスはそう言うと、ソヨンの顔を見つめては答えを探し始めた。

・・・僕はあなたを、後悔・・させてしまったのか・・・? 

--- インスssi・・後悔なんて・・あの時、あの夜の海にすべて持っていかれたのよ---

・・・僕の気持ちはあなたを苦しめるだけだった?・・・

--- 一度飛び込んだその胸に、もう一度飛び込めたら・・・あなたを愛してるって大声で言えたら・・・ ----

二つの熱情は空回りしながら混じることなく、もどかしさが苦しく胸に募るだけになった。
インスは彼女の答えを見つける前には、もう口に出していた。

「ソヨンssi・・・少しずつでもいいから、僕たちのことをこれから話していこう・・・」

--- 僕たちのことをこれから話していこう ----

それは、どういうことなの?・・・。
あなたは強い人なのかしら。
私が口に出せずにいたことに手を差し伸べてくれるの?
後悔はしないと言った言葉は嘘じゃなかったのね。

こんなふうにあなたの気持ちを知っても、返事を求めるインスssiに私は何も答えられなかった。


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もちろん登録したけど、哀しい問題が発生・・・
私の携帯は受け取れる容量が12KBしかないため、待ち受け画面が小さい事。
動画もFLASHも対応してないため、見ることすら出来ない。
ううっ・・中身はどうなってんの未公開って言葉に弱いんだよ~~
世の中は3G中心なのね・・・機種変更しようかな