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女王陛下のプラチナム・ジュビリーまであと一週間
来月、6月5日の日曜日とその前後は、英国では空前絶後になるであろうお祝いごとがある。
エリザベス女王陛下の在位70周年記念式典Platinum Jubilee of Elizabeth II。
これまでも、今後も、在位70年を超える君主が英国で出る可能性は低いであろう。
1952年、父親の国王ジョージ6世が崩御。
王位継承法に基づいて、25歳でエリザベス2世(Elizabeth II)として英国連邦王国君主に即位して以来、70年。
例えば、連邦に属するカリブ海の国々で独立への動きが起きなどしてはいるものの、王室が今も多くの支持を集めていられるのは、いわば彼女個人の功績と言っても過言ではないほど、絶大な人気を誇る。
わたしが英国に住むようになってからも、2012年には在位60周年記念式典が執り行われた。
2015年には、在位期間が63年216日を数え、ヴィクトリア女王をぬいてイギリス史上最長在位の君主となった。
来週は6月2日木曜日から祝日になり、王室主催のパーティーから庶民のストリート・パーティーやホーム・パーティー、とにかくこれを口実にあちこちでパーティーが開催される。
「プラチナム・ジュビリー・ビスケット」や「プラチナム・ジュビリー・マグカップ」が販売され、セールが行われ、メディアもこれ一色になる。
写真のリージェント通りも歩行者天国になるようで、人混みは苦手だが、ロイヤル・オペラ・ハウスに行く予定もあるので、ロンドンがどんなお祭り騒ぎか見学に行こうかとは思っている。
話のネタにプラチナム・ジュビリー茶くらい買ってみようかなあ!
昨日は久しぶりに大都会ロンドンに出て、和・イタリアンのランチを食べて、娘の買い物などにつきあっておそろいのスカートを買ったり、化粧品の色を物色したり...丸一日歩き回ったらもう今日はクタクタ。万歩計では1.3万しか歩いていない。
先日、バスクで毎日観光で毎日2万歩近く歩き回ったのとは全然疲れ方が違った。人混み疲れだろうか。
...
これとそれでは話が別...なのかもしれないが、英国は女王様の在位70年などと浮かれている場合では全然ないのである。
英国のインフレは今年に入って9%まで上昇。今月中には10%と報道されている。
はい、欧州で最悪です。(最良は先週の時点でフランスだった。フランスに引っ越したい)
つまり今まで100ポンド(約16100円)だったものが110ポンド(約17700円)になっている計算だ。
これはかなり大きい。しかもこれ、全国平均ですからね。
中でも目を疑うのは光熱費で、53.5パーセント上昇。5%じゃないのよ。
例えば今まで光熱費の支払いが5万円だったなら、7万7千円になっているということです。
ガソリンは1リッターが1ポンド62ペンス(約260円)に(去年は1ポンド25ペンス)。
わたしが住んでいる物価のバカ高いエリアでは、1ポンド62ペンスで買えるスタンドなんか見たことがない。安いところで1ポンド80ペンス(約289円)くらいはする。
食料品は平均6.7パーセント上昇(いや、もっとだろ)。今年中に15%まで上がるという人もいる。
一番安い類のパスタは50パーセント、パンは一斤16パーセント値上がりしているもの...
揚げ物に使う油は値段がちょうど倍になっているのを見かけた。
原料、日用品、家具、レストラン、ホテルも全体的に値段が上がっている。
例えば昨日、百貨店で見た某ブランドのハンドバッグは先月まで900ポンドだったものが1100ポンドになっていた。便乗値上げ?
レストラン(上の写真)は、娘と二人で和食ひねりの入ったイタリアンのランチを軽く食べて、お酒も飲んでいないのに180ポンドだった。なんと、驚きの3万円である。うどん屋さんで天ぷらうどん(一人前3000円くらい)を食べればよかったよ...
このインフレに対抗するため金利が上昇(来年には2・5パーセントになる)、賃金も上がらなければならないはずなのに4.2パーセントしか上がっていない。しかもインフレ率を勘定に入れると1.2パーセントしか上がっていないことになるそうな。
この結果、今年から来年にかけて、英国の絶対貧困数は130万人になるという(うち子供50万人)。英国の人口はざっと6600万人なので驚きの数字である。6人に1人。
フード・バンク(無料で食料品がもらえる施設)を利用する人が増えているのはこのような状況で当然としても、「ガスや電気が使えないから調理する必要のないものを」と希望する人が少なくないそうで、とても先進国とは思えない状況なのである。
ロシアのウクライナ侵攻、新型コロナのパンデミック、そしてEU離脱などの影響で...だけでなく、完全に政府の失策だと思うのだがいかがか。
わたしは英国の永住権を持っているが、選挙権はない。
庶民は、パンとサーカスを与えられ、奴隷のように好きにされている場合ではないと思う。
プラチナム・ジュビリー、在位70周年記念式典の予算は13億ポンド(約2000億円)。
英国の将来が心配だ。
(数字はBBCニュースを参考にしました)
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