札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

美唄の建築探訪⑥ 旧三井美唄小学校 「糸」映画ロケ地 旧三井美唄炭鉱所長住宅 旧三井美唄炭鉱職員・鉱員住宅 旧三井鉱山(株)美唄鉱業所事務所 旧三井美唄娯楽館 

2021-11-09 12:36:16 | 美唄市

美唄の建築探訪は大まかに分けて

東美唄(旧三菱美唄炭鉱に関する施設、建物)

中心部(旧桜井家などの名家)

北部・西部(閉校跡地)

南美唄(旧三井美唄炭鉱に関する施設、建物)

光珠内・峰延(閉校跡地)

に分けてルートを考えた
今回は南美唄の旧三井美唄炭鉱に関する施設が中心になる。

 

⑱「旧三井美唄小学校」 


*美唄市100年史より

 

所在地:美唄市南美唄町西町左1
開 校:昭和5(1930)年
建設年:()年
閉 校:昭和54(1979)年


かつては日本一のマンモス校であったという

右手の上部に
旧国鉄函館本線南美唄支線南美唄駅跡が隣接していたが
それを示すものは何一つない。

公園入口の門にはかつて「三井美唄小学校跡地」と表記されていた
それが「南美唄公園」に代わっているので
ここに学校があったことを示すものはない。

現在は南美唄公園で「南美唄地区コミュニティセンター」が建っており
もしかすると、この施設内に当時の学校の何かが展示してあるかも知れない。

 

正面に横1列で校舎があったと推測する

2021年11月撮影

 

 

 

⑲「糸 映画ロケ地(子供食堂)」 

 

所在地:美唄市南美唄町中央通り
建設年:()年

2019年夏に撮影された「糸」は
1998年の中島みゆきヒット曲「糸」をモチーフに、菅田将暉、小松菜奈演じる平成元年に生まれた男女の18年間を生活者からの視点から見た邦画である。

そのロケ地は道内に点在しているが、美唄に2か所あり
ここと、近くの旧炭鉱住宅街にある

ロケ時の「子供食堂」はご覧のように半ば廃墟化している空家を使用した

 

 

 

看板はそのままになっているので見学者が今でも来るらしい。

2021年11月撮影

 





⑳「旧三井美唄炭鉱所長住宅」 道央の建築探訪138

 

所在地:美唄市南美唄町
建設年:昭和10(1935)年

 

旧三井美唄炭鉱のある南美唄は日本国内の炭鉱集落の中で最も今もなお施設を活用している地域である。

炭鉱住宅は区域を鉱員と職員を明確に分けており、職員住宅はその職制によって所長宅を筆頭に
4種類に区分された。

この住宅は甲号社宅(最上級)2棟のうち現存する唯一の社宅であった
一般職員住宅の2倍以上の大きさを有している
当時に住んだのは所長か病院長かと言われる。

多少の補修は当然あるだろうが
白枠の窓などが特に印象的で今も木造住宅の美しさを保っている
現在の施主さんの保存管理によるものだろう。

 

 

2021年11月撮影

 

 

㉑「旧三井美唄炭鉱職員・鉱員住宅」 道央の建築探訪138

 

所在地:美唄市南美唄町
建設年:昭和15(1940)年ころ


住区は職員と鉱員を明確に分けているとあるが、どのような地区ごとかはわからない
南美唄には同じような炭鉱住宅がたくさん並んでいたが多くは鉱員住宅と推測する

所長宅の近辺あたりが職員住区かと思うがはっきりしていないので
ほんの一部だが各地区の住宅を載せてみる
1枚目2枚目は所長宅のすぐ並びにある。

 

 

ここからは所長宅裏の丘に住区があった

1棟1戸でギャンブレル屋根が多い


ここからは鉱員住区と思われる
美唄娯楽館近辺も含む

1棟2戸も多い


こちらはかなり原型では?


おそらく1棟2戸を一つにしたような住宅


こちらは逆に1棟1戸にして隣は解体したように見える

購入後にご自分で補修したであろう住宅が多い
ただ原型はわかるものも多い。

2021年11月撮影

 

 

㉒「旧三井鉱山(株)美唄鉱業所事務所」 道央の建築探訪138

 

所在地:美唄市南美唄町
建設年:昭和6(1931)年


炭鉱は元は大正7(1918)年採掘開始 三井美唄炭鉱に昭和3(1928)年から採掘が代わり
戦時増産期には出炭能力で全国一位を達成している。

また美唄駅から専用の支線を敷いて石炭の輸送を行っていた

戦後も2万人が居住する大型炭鉱であったが
三菱美唄炭鉱と比べて採炭量は劣り、昭和38(1963)年 早期に閉山を余儀なくされた。

事務所の外観は創建当時を思わせる木造建築であり
特に玄関、L字型に突出した棟のタイルや窓枠が印象的
施設右奥にある建物には出入口の改築の後が認められる。

現在は三美炭鉱事務所として現在も露天掘りで採掘をしており
火力発電の燃料となっている。

 

 

 

 

 

 


枝道を通って娯楽館に行く途中に見えた。

2021年11月撮影

 



 

㉓「旧三井美唄娯楽館」 

 

所在地:美唄市南美唄町大通り1丁目
建設年:昭和30(1955)年

 

道内の産炭地域では最大規模と言われる映画館で、座席数は1500ほどあったといわれる
この娯楽館は2代目の建物で、8年間の営業の後に炭鉱閉山に伴い閉館。

民間企業の倉庫として使用されているとのことだが、隣の倉庫と併せて廃墟化しており
使用しているようには見えなかった。


屋上には木々が目立つ

 


おそらく階段室であろう

 

 

コンクリートの錆びれとカビ、煤などの汚れが逆に廃墟美を醸し出す。

2021年11月撮影

また以前、隣に道央の建築探訪138
に記載している「旧三井石炭鉱業美唄鉱業所厚生館」があったが
取り壊されている。

 



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あさくら)
2023-05-05 03:35:21
三井鉱山三井美唄鉱業所の所長邸。
元々は、病院院長の社宅として建てられました。しかし閉山の何年か前から技師長の社宅だった。
所長の社宅は仲町にあった。
通りからちょっと奥まった木々の鬱蒼とした中に、所長邸と経理のトップの方の社宅がありました。
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あさくら様 (bstime)
2023-05-05 11:41:10
コメントありがとうございます

情報は大変ありがたいです
美唄ほかまだ勉強不足なので調査する楽しみが増えます
ありがとうございました!
返信する
Unknown (ななみ)
2023-10-09 16:25:06
現在も居住され維持管理されている建物は、所長宅ではなく病院長宅です。道路を挟んで病院長宅側の並びは課長クラスの方が住んでいた家があり女中部屋がありました。山の上の方には工長宅があったようです。山の方に行く手前の突き当たりには迎賓館がありました。昔は高松宮様などがいらしていたようです。
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ななみ様 (bstime)
2023-10-10 20:01:24
コメントありがとうございます。

貴重な情報をありがとうございます!
美唄には久しく行っておらず、次回からの訪問予定は旭川~上川と次に砂川~深川を予定しています。

美唄は親戚が住んでいた馴染みのある街なので次回行くときは情報を元に見て行きたいと思います。
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