令和2年度三木市一般会計予算の反対討論の原稿をアップします。
第10号議案、令和2年度三木市一般会計予算について反対の討論を行います。
昨年10月に消費税が10%に引き上げられました。増税後3か月間の国内総生産は、マイナス7.1%、個人消費、住宅投資、企業の設備投資、輸出のすべてが落ち込んでいるなど、日本経済は新たな消費不況と言える状況です。また、年金・医療・介護など社会保障の負担が増える一方で、給付はどんどん減っています。
加えて、この度の新型コロナウィルスの感染拡大による影響は、国内外を問わず経済的に重大な危機に直面し、市民生活にも及んでおり、先の見えない状況に市民の不安が広がっています。
このような中で、市民生活に最も身近な基礎自治体がどう向き合うかが問われています。緊急性の高い問題は、国の追随だけでなく、三木市の問題として対応を求めることを冒頭に申し上げます。
さて、新年度予算案について、意見を述べ、態度を明らかにいたします。
1つ目に、三木市内の学校統廃合を強力に進める予算についてであります。
三木市は、志染中学校と星陽中学校が緑が丘中学校と三木中学校に、また吉川の小学校を一つに統廃合されることになりました。今回の統廃合を決めるにあたって、統廃合すべきという声とすべきでないという声があったにもかかわらず、統廃合を前提とした議論がすすめられました。
来年度からは、教育振興部に学校再編室を新設し、小中一貫教育の実現に向けた研究がすすめられます。小学校と中学校を一つの学校にして統廃合をすすめて、市内5か所の学校に集約する案を当局は持っています。
市民や保護者、或いは生徒児童からの要望にもとづいたものではありません。今回の問題は地域コミュニティの根幹にもかかわる問題でもあります。小中一貫校ありきの進め方をされないよう強く求めるものです。
2つ目は雇用の創出についてであります。ひょうご情報公園都市次期工区整備がすすめられています。新年度予算案には、三木東インターから情報公園都市への直接アクセスできる道路の予備設計とボーリング調査の予算として7500万円が計上されています。
施政方針では、新たな雇用の創出に期待をされていますが、情報公園都市の企業に出している助成金と雇用創出の数が釣り合っているのか検証が必要です。
またこのアクセス道路は、情報公園都市に誘致された企業には利便性の高いものですが、私たち三木市民の利用は殆どありません。
企業誘致そのものに反対はしません。若い市民が正規職員として安心して働ける雇用を増やしてもらえ、市内の企業と様々な取引や関係を持ちながら、地元企業と一緒に成長できる企業を誘致して頂くことを求めます。その上で、情報公園都市等優遇措置助成金9612万円やインフラ整備の費用7500万円がこれらに見合う額なのかどうかの見極めが必要だと考えます。
一方で中小企業への支援は、セミナーの開催や専門家派遣などの個者支援や空き家改修補助等の新規事業があります。冒頭にも、日本経済の消費不況と言える状況であることを申し上げましたが、今を耐え忍ぶのが精一杯という企業が市内にたくさんあります。後継ぎがなくて廃業する企業もたくさんあります。そのような企業を応援する施策も大いに必要です。企業誘致に伴う予算と比べると、中小企業事業者への支援は少ないと考えます。
農業の後継者対策も同様です。事業をしてないわけではありませんが、これで将来何とかなるというところまで行っていないのが現状です。農業にも未来の見える予算へと補正されることを求めます。
3つ目に、スマートインターに関する予算についてです。
国への申請では三木サービスエリアからスマートインターを付けることで市内の渋滞緩和に繋がるとしたものですが、その影響はごく限られています。それでも、高速道路から市内中心部へのアクセスは今よりスマートインターを活用した方が良くなるかもしれません。
しかし、その利便性を享受するのは、市内中心部で高速道路をよく利用する方か、市内中心部に来られる市外の方です。この費用負担は三木市民全体の負担となります。また、利用者が増えれば、加佐草加野線と大村岩宮線に信号も付けなければなりません。新たな渋滞が生じることも考えなければなりません。
4つ目に、マイナンバーカード取得と利活用の促進する予算についてです。もともと市民にとって、ほとんどニーズのないカード取得のために、様々な特典を付けて交付率を上げようとしています。マイナンバーカードがないと出来ないわけでないのに、無理やりマイナンバーカードと関連させて、差別化を図ろうとしています。市民に対して公平なサービスを提供しなければならいという原則が曲げられようとしています。マイナンバーカードの普及に汗をかくのでなく、市民サービスの向上にこそ汗をかくべきです。
5つ目に社会保障についてです。一般会計から国民健康保険特別会計への法定外繰入を無くそうとしています。県からの指導があるのは理解しますが、払えない人が増えていることにこそ着目すべきです。
民生産業常任委員会の議論で国保税の支払えない、生活保護までいかない人に対しては一般会計の中で、近隣市の動向を見ながら手当するという答弁もありました。しかし、税金の支払えない市民は近隣市の動向は見ていません。目の前の生活しか見えないのです。
また、不安定雇用に身を置く方にとって、会社の都合や、自分や家族の健康状態、急な入用等で、家計のバランスが崩れます。今の制度では貯蓄が無くなり生活保護の要件になるまで行政の支援が出来ないのが現状です。
払いたくても支払えない人への支援、少ない貯蓄が目減りする不安を感じなくても済む支援を求めるものです。
以上のように指摘させていただいた点が一つでも改善されることを期待して反対の討論とさせていただきます。