三木市議会の12月議会が終わりました。今日は最終日で、二つの討論を行いました。
「絶歌」の本を三木市立図書館に置かないで欲しいという請願がこの度の議会でありました。
私も6月当初は図書館に置くのはどうかと思っていました。しかし、色々な意見を聞く中で考えがかわりました。
本も購入(※アマゾンの中古本)して全ては読めませんが、半分程度は読みました。
最終的な結論は、本が出版される段階での問題と、図書館に本を置かないという問題は別の問題だと思うようになりました。
自分もいろいろ考えることが出来ました。請願者にも感謝しています。
請願第4号、猟奇的殺人事件 加害者による手記の撤去についての請願に対して反対の討論を行ないます。
神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件の加害男性(32)が、「元少年A」の名前で発表した手記「絶歌」が太田出版から今年6月に出版されました。
そして、この本を図書館がどの様に取り扱うのかが当時話題となりました。
私は、この本が「元少年A」という形で、実名で出版されていないこと。
出版にあたり遺族への配慮が全くない状況出版されたこと。
本の内容が贖罪意識の欠如していること、つまり罪を悔いる立場の文章になっていないこと。
などから、出版元の大田出版は出版すべきではなかったのではないかと市民の1人として思います。
しかしながら、図書館の購入・閲覧について議会として意見を言うことについては反対するものです。
図書館は、戦前に思想善導機関として機能した歴史を反省し、図書館の自由に関する宣言を1954年(昭和29年)に打ち出されました。
その中には、図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務としています。
三木市が「絶歌」を閲覧可能としている理由として、
市民の購入要望があり、社会的関心の高いテーマであること。
他の関連資料と共に様々な観点から収集することなど三木市図書館資料収集管理要綱に基づいていること。
市民の知る権利を保障するのが図書館の役割であること。
本の内容が人権侵害などを主題としていないこと。
三木市犯罪被害者等の支援に関する条例に抵触しないこと。
などから市民の要望を拒む理由にならないと判断したと12月15日の総務環境常任委員会で報告がありました。
十分な議論をした上での対応だと考えます。
一般書店で図書が購入できる環境があれば、知る権利は侵害されないのではないかという意見もありました。
三木の図書館にこの本の予約が多いのはいかなる理由であれ三木市の図書館にてこの本を読みたい、つまり知る権利を行使したいという人がいるということだと思います。
また、一般書店の本がいつまで置かれているのかそれは各本屋の判断であり資料を収集する使命は持ち合わせていません。
その意味でも地方公共団体が閲覧や貸し出しすることに意義があると考えます。
この度の「絶歌」の購読・閲覧を中止した神戸市では、被害者遺族が住むまちとしてこの度は遺族に配慮しましたが、他市の事件であればまた違った判断がなされたであろうということが神戸市のHPからも見受けられます。
最後に、三木においては、閲覧可能としている理由についてHPを活用して市民に理解を得る努力にも取り組むことをもとめて、反対の討論とします。