荒井龍男(1904-1955)は抽象画家として知られていますが、この絵は具象でタイトルは「雪」。
1945年の敗戦の年、札幌に疎開したときの作です。小品ですが、抒情性と造形性のある秀作です。
彼は51年の生涯、朝鮮、仏、米、ブラジルなど各地を巡り、作品も具象と抽象のあいだをめまぐるしく変貌していきます。
その変貌の本質をいまいち把握できなかったのですが、水谷嘉弘さんの本(『板倉鼎をご存知ですか エコールドパリの日本人画家たち』コールサック社)を読んで納得。
<・・・通底しているのは「こだわり」とか「てらい」をかんじさせない点である。デネシネのようなところがある>と。
(キャンパスに油21×27センチ)
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