【改訂版】 金時山 最短1時間矢倉沢ルート
山頂から第一級品の富士山が眺められる、箱根外輪山の金時山。「誰でも登りやすい手軽な山」として多くの方が訪れ、日本三百名山にも選定されています。数ある金時山登山ルートの中でも「金時山矢倉沢口」からのルートは、、約1 時間強で山頂までたどれ雄大な景色が眺められる魅惑のルート。交通機関のアクセスも良く、荒々しい山容を垣間見られることも!
金時山矢倉沢口からの見晴らしの良い登山ルートで!「公時神社分岐」までは混雑知らず
神奈川県箱根町の金時山は、箱根山塊の北西部に位置する標高1,212m。日本三百名山にもえらばれています。独立峰的な位置関係から、御殿場方面に広がる富士山が裾野から見える大人気の山です。
金時山山頂までのメインルートは「金時神社口」で、その理由は無料駐車場があるのと、距離が短かいからでこのルートで目指す方が大半。しかし樹林帯が多いこのルートは、景観を楽しみながらというほどではありません。
そこでおすすめしたいのが、金時神社口の東側にある「金時山矢倉沢口」からのルート。8合目の「公時神社分岐」で金時神社口ルートと合流こそしますが、そこまでは混雑もせず見晴らしの良いすがすがしいルートです。ルートに迷うところはありません。標準時間は山頂まで1時間50分ほどですが、登山経験者や健脚なら1時間ほどで山頂にたどり着きます。
今回の登り口となる「金時登山口」には箱根登山鉄道の「金時登山口バス停」があります。停留所近くの「喜多方ラーメン蔵一」の向かいに、「金時山ハイキングコース」の看板が設置されています。そしてここから山側へ向かえば徒歩10分ほどで「金時山矢倉沢口」に到着します。「喜多方ラーメン蔵一」の横には公衆トイレや、下山時の靴の泥を落とすための水道とブラシが用意されています。
登りはじめの階段状の登山道は、よく整備されているので心配ありません。自分のペースを保ってゆっくり登りましょう。登山口の大きな看板の先は別荘地なので足を踏み入れないように!!
矢倉沢に到着すると、明神ヶ岳方面と金時山方面に分岐します。左に曲がって写真の道で金時山を目指します。この分岐には矢倉沢峠うぐいす茶屋があり有料トイレもあります。
山の醍醐味が味わえる広大な景色!金時神社口からでも徒歩20分ほど
このルートは主にバスで赴くことになりますが、「金時神社」の駐車場に車を停めて、国道138号線を仙石方面へ歩いても20分ほど。「金時山矢倉沢口」まで足を延ばした方が「公時神社分岐」まで混雑もなく、ゆっくりハイキングが楽しめるでしょう。
「金時山矢倉沢口ルート」は、登山距離としては2番目に短いルートです。しかしその差は1kmにも及ばないほどで、明神ヶ岳への縦走ルートが広大に見渡せ、噴石が鎮座する荒々しい金時山の側面をのぞくこともできます。
途中一か所、ロープを使って昇り降りする場所があります。特に土日はここが混雑するポイント!登り優先で順番を待って登りましょう。
山頂の「まさかり」撮影、トイレは利用方法を守って!
金時山山頂には登山者が楽しく撮影できる「まさかり」のモックが設置されています。多くの登山客がいるので、順番で撮影しましょう。
山頂のトイレは有料です。一回¥100ですが、これは山のトイレにおいては常識となっています。トイレの維持管理は地上と比べ非常に大変なので、利用方法を守ってきれいに使いましょう。設置されている紙以外は絶対にトイレに流さないように。トイレが故障してしまいます。
金時山の山頂はさほど広くありませんが、トイレや飲食ができる小屋も2軒営業しています。多くの方が山頂斜面で昼食を取るなどとくに土日祝は大混雑になります。
大人気の金時山山頂へは午前中に到着するのがポイント!バスで帰るなら「仙石案内所」バス停からがベスト!
雄大な富士山が広がる絶景に見とれて長居してしまいそうですが、山頂での滞在時間は短めにするのがいいでしょう。登山ルートの横幅はあまりなく、すれ違うのに苦慮するところも多いので、正午を過ぎた頃には下山渋滞が発生します。金時神社口までの下山となれば、延々と下山渋滞に巻き込まれることになります。
金時山は老若男女が訪れるうえに登山経験値の少ない方も多く、下山のスピードは前を歩く方にかなりゆだねられます。特に「公時神社分岐」までは、驚くほどのハイカーの往来があるので、山頂へは午前中にたどり着く計画がいいでしょう。正午前に山頂を出発できれば、さほど下山渋滞に巻き込まれることはないと思います。
帰りは国道138号線を仙石方面へ徒歩で5分ほど行った「仙石原交差点」を右折した先の、「仙石案内所」バス停から乗車するのがいいでしょう。
「仙石案内所」バス停なら確実に着座できる上にバスの系統も多く、「金時登山口」バス停より有利です。仙石原交差点際にある「仙石」バス停からは着座できない場合があるので、行きは「仙石」バス停で降車し「金時山矢倉沢口」まで徒歩で、帰りは「仙石案内所」バス停まで赴き乗車するのがいいでしょう。
どちらにしても終点まで乗車しないのなら、車両前部の乗車がお勧めです。これは途中乗車客で車内があふれ降車するのに苦慮することが多いからです。
相原精肉店のローストビーフは格安絶品!
「仙石案内所」バス停の前にある雑居ビルには、箱根の別荘やホテルの多くに精肉を卸している「相原精肉店」があります。ここのローストビーフは絶品で、店頭で購入できますからお土産にするのもいいでしょう。量り売りですし、名物店長がしっかり接客してくれます。
約2時間弱!混雑なし!金時山をゆっくり楽しむ
いつ行っても山頂が混雑している金時山!誰をもを魅了する富士絶景と手軽さがあるからですが、やはり混雑は避けたいものです。山頂までの道のりを快適に過ごし、さらに他ルートでは見られない広大な景色を手にするなら金時登山口からがお勧め。短時間で行く金時山ハイキングならなら、このルートが一番です。
金時山登山ルートは5つ!他のルートに挑戦することも
金時山へのアクセスルートはおおむね5つ!金時神社口、金時山矢倉沢口、乙女峠口、矢倉沢方面からのアクセスする万葉公園口、足柄地蔵堂からスタートし沢沿いを登る金太郎コースなどがあります。
最長ルートは地蔵堂からの金太郎ルートで、各ルートにはそれぞれの風情があり全ルートを踏破するのも面白いかもしれません。
風情ある金太郎コースは魅力がいっぱい!
金時山金太郎コースは、小田急電鉄新松田駅から、箱根登山バスの地蔵堂行きで、地蔵堂(万葉公園行も地蔵堂に停車します)下車約40分!この先コンビニはありませんから、新松田駅等で飲料水などを調達していくことをお勧めします。
トイレは地蔵堂のバス停で済ませるようにしましょう。
金太郎コース入り口までは農村地帯の舗装路を登っていきます。この界隈は四季の彩りが素敵な地域。春は桜や菜の花、夏から秋はコスモス、初冬にはお茶の花が!地域の名物として猪料理があり、道端には猪の皮が干されている場所などもあります。
ぜひ立ち寄りたい夕日の滝
舗装路を登りきると夕日の滝と金時山への分岐があります。いい機会ですから夕日の滝に立ち寄って見てはいかがでしょうか?落差23m、幅5mの滝は金太郎が産湯をつかった滝と伝えられ、夕日に映える美しさからとも、毎年1月半ばに夕日が滝口に沈むところからつけられたとも言われています。
ここから豪快な夕日の滝を眺め、沢を渡り樹木帯に癒される一日が始まります。足元をしっかり注意しながら、楽しいハイキングをしましょう。
沢沿いの苔の森で川を渡って大自然を満喫
金太郎コースに入ると、本格的な山道になってきます。途中丸太橋が出現する場所には、休憩できる東屋も用意されています。路肩には箱根特有の植物なども散見され、自然散策としても興味的な場所です。
さらに足を進めると分岐にたどり着きます。ここを左方面へ沢を徒渉※して行くと、驚きの樹林帯と苔むした景観に出会えます。沢沿いの涼やかな風と、しっとりたたずむ苔の印象は神奈川県でも有数のスポット!
そしてここから足柄城址からつながる猪鼻砦跡(いのはなとりであと)まで樹林帯を進んでいきます。
※沢を橋を使わないで渡ること
徒渉しさらに山間の苔むした森を進んでいきます。何度か徒渉を繰り返していくと、ジブリのアニメに出てくるような森閑とした森の静寂と針葉樹の香りを感じ取ることができるでしょう。
猪鼻砦跡で壮大な富士山を眺める!金時山への分岐点としても
尾根を少し登っていくと視界が開けます。ここ猪鼻砦跡は富士山がすそ野まで広げる姿を眺められる絶好のポイント!さらに金時山登山道と足柄峠方面への分岐にもなっています。
金時山山頂付近にはロープや階段が用意されています。ここで無理をすると下山時に辛い思いをすることになりますので、気を引き締めていきましょう。
しかし金太郎コースは距離が長めなためにさほど混雑はしません。
金時山から足柄峠方面へ。秘滝をめぐる足柄古道をへて温泉三昧
猪鼻砦跡から足柄峠へ足を向けると、金太郎コースから分岐したエスケープルートと合流します。この道は途中から舗装路になり、足柄城祉に到着します。この付近の「足柄関所」付近にはトイレ、足柄山聖天堂や足柄関所などの観光拠点もあります。足柄城祉から県道78号線を右に行けば、万葉公園のバス停まで道が続いています。
万葉公園へのバスは季節運行!運行期間内でも終バスの時間が驚くほど速いので、事前チェックは必要です。
また足柄城祉も雄大な富士山のビュースポットで、早めに金時山に登頂した場合は、ここで昼食もいいでしょう。東屋や広い芝生もありますがここは混雑しません。
足柄城祉から猪鼻砦跡側へほんの少し戻ったところから、足柄古道への道が用意されています。
しばらくつづら折れの山道を下り、沢沿いの歩きやすい道を進みます。
秘滝「頼光対面の滝」はぜひとも見ておきたい
途中「頼光対面の滝」の道標が現れます。ここを右に登っていけば荘厳な滝が現れます。
観光マップなどにも掲載されていない滝なので、ぜひ立ち寄ってください。源頼光が、足柄峠で赤い雲のたなびく峰を見て「あの雲の下には偉人がいるにちがいない」と、渡辺綱に見てくるように命じ、初めて金太郎が頼光に対面したとされるのがこの滝!神奈川県の秘滝中の秘滝と言えるでしょう。
あしがら温泉は富士絶景の名湯
足柄古道をそのまま下っていけば、JR足柄駅に到着します。そこから徒歩で19分ほどに「あしがら温泉」があるので、汗を流してはいかがでしょうか?あしがら温泉は湯船から富士山絶景が広がる温泉で、泉質も素晴らしい所です。
アルカリ性単純温泉で鎮静効果、病後回復・疲労回復・筋肉痛・神経痛・冷え性・ストレス解消・健康増進などに効用があります。
富士絶景と秘滝をめぐるハイキング
金太郎コースは金時山登山の最長ルートですが、登り口には「夕日の滝」などもあり猪鼻砦跡を起点に足柄峠方面へもルートが用意されています。金時山山頂を目指さず絶景富士山も楽しめ、秘滝「頼光対面の滝」を眺めに行くレアルートも!独自のレイアウトですてきな富士山と大自然を満喫してみては?
2021年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。