先日からRENOGY社のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを色々試している。
今回はブロ友さんから送ってもらって、届いたばかりのRENOGYの12V 40Aの走行充電器を使って、100Ahのリン酸鉄リチウムバッテリーの充電テストを行った。
この走行充電器はリチウム専用ではなく、色々な種類の鉛バッテリーにも使える。
出力によって20A、40A、60Aの3種類があって、今回はその真ん中の40Aのもので、価格はそれぞれ14,000、20,000、29,000円といったところ。
細かい仕様はこちら
結論としては、
1. 800Ahのリチウムバッテリーを元電源として使用して、走行充電器に入れる電圧を13.1V程度で試したが、充電開始から、リチウムバッテリーの容量値 99.9%までカタログ値の40Aで一気に充電する。
2. 満充電になっても、自動停止はしないので、充電電圧の14.4Vが掛かり続けるので適当なところで充電をカットする必要がある。
3. ファンの騒音は 1 mの距離で測って59dbで、機械音が混じったような音なのでアイドリングなどでは気になるかもしれない。 (ファンの音はYouTubeに挙げた。)
4. 出力電流を簡単に半分の20Aに制御できるので、便利な使い方が出来る。オルタネーター容量が小さい場合は、昼間は40Aで充電してヘッドライト等使用電力が増える夜間は20Aに落とせばいい。
以下はテストの概要
まずは、基本的な事をチェックするために、部屋で動作確認。
走行充電器の出力電圧は14.4Vに設定する。
走行充電テストは本来ならエンジンを掛けてオルタネーターからの電力を使用するが、今回は充電制御車等の低電圧車を考慮して、ジルに積んでいる800AhのLiFePO4から電力を供給する。
供給側のバッテリーの残量は半分程度で、電圧は13.1V程度。
800AhLiFePO4 → バッテリー切替SW → RENOGY 40A 走行充電器 → RENOGY 100Ah LiFePO4
配線は22SQを使用。
走行充電器の右側から出ている赤白の細い線は、充電器の動作コントロールと充電電流を半分にする為のもの。
バッテリー残量は36/100Ahからスタート。 ( 100Ahのバッテリーなので 残量Ah = % )
リチウムの電圧は13.12V (スマホの表示電圧は少数2桁まで表示されているがカウントは少数1桁まで)
充電開始後にから徐々に電流が増えて10秒くらいで40Aまで上昇。
バッテリー残量 36.45Ah
バッテリー端子電圧 13.70V (マルチメーター)
充電電流 40.43A
バッテリー残量 50.17Ah
端子電圧 13.71V
充電電流 40.06A
800Ahからの送り出しは13.1Vだが、40A充電中の走行充電器の入力端子電圧は12.62V
バッテリー残量 62.75Ah
端子電圧 13.74V
充電電流 40.01A
バッテリー残量 80.36Ah
端子電圧 13.77V
充電電流 40.10A
バッテリー残量 90.00Ah
端子電圧 13.88V
充電電流 40.10A
バッテリー残量 99.99Ah
端子電圧 14.26V
充電電流 40.09A
バッテリー残量 99.99Ah
端子電圧 14.33V
充電電流 24.54A
バッテリー残量 99.99Ah
端子電圧 14.41V
充電電流 7.02A
バッテリー残量 99.99Ah
端子電圧 14.45V
充電電流 0.00A
走行充電を止めて一晩放置
バッテリーの端子電圧は13.37Vまで下がった。
BMSとBluetoothがわずかばかり電気を食っている。
ファンの音が気になるとの書込みがあったので騒音測定を行った。
この内蔵ファンは充電を開始してもすぐには回らない。内部の温度が上がると温度に応じてファンの回転数が変わる。
最もファンの回転が速いときで、走行充電器から1m離れての騒音は59db
実際の音をYouTubeにアップした。
RENOGY 40A走行充電器 ファンの騒音
走行中は大して気にならなくても、アイドリングで充電することもあるのでシートの下等 ( 風通しがいいところに限る) がいいかも知れない。
使ってみた感想
世の中にはかなり高価な走行充電器も存在するが、性能的にうなづけるものは少ない。その点このRENOGYの40A 走行充電器はちゃんとした昇圧型の走行充電器で価格も2万円なので、これを基準に他の走行充電器を比較すればいい。
今回はリチウムバッテリーの充電に14.4V設定で行ったが、バッテリーの種類によって充電終了のタイミングが違うのでそれぞれに合わせる必要がある。RENOGYの100Aリチウムは充電終了の記載がなかったので、14.4Vで充電して0Aになるまで放置した。これは満充電を通り越してセルに負荷を掛けてバランスを取る電圧に近いので、セルバランスが崩れたときに行う程度で、普通は満充電の13.8Vくらいで止める方がセルにストレスが掛からない。場合によっては走行充電器の出力電圧を14.0Vに設定すれば、バッテリーの充電時間は大して変わらなくてバッテリー電圧はそれ以上に上がらないのでストレスは抑えられる。
40Aの走行充電器の場合、入力電圧にもよるが一般的なオルタネーターからは50A程度は必要。当たり前の事だが、一次側の電圧が低いほど高い電流が流れる。オルタネーターが130Aの場合の走行充電器は60Aでも大丈夫(入力は70~80A必要)だが、80~90Aのオルタネーターの場合は40Aがいい。
実際の使用にあたって40Aで発電しても、キャンカーの冷蔵庫等の電気機器が動いているので充電量はそれを差し引いた量になる。
実験中の記事 RENOGYのヒート機能付きリチウムバッテリー
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先日はありがとうございました
renogyに限らず私のような24V車→12V仕様用の製品が少ないのが残念です
私の車のオルタネーターの出力は90Aらしいのでレノジーの60Aの充電器を買おうと思ってました。
出力が60Aだったら入力は70A以上になるというのをすっかり忘れていました。
忘れていたというか、知らなかったというかです。笑ってください。
60Aを買っていたら失敗したところです。
それだけならまだしも、発熱もすごいです。
私も先の方と同じようにファンで冷やしていますが、それでもかなり熱いです。
このまま使って故障しないか不安です。
走行充電器って、よくわからないのですがオルタネータを使って充電しようとするんですよね
オルタネータと走行充電器とバッテリの間に、満充電を検知する装置をかまさないのでしょうか
太陽光発電のチャージコントローラみたいなやつです
そうすれば、自動で充電が停まると思うのですが
「本体の温度がすぐ50℃オーバーになる」というのは知らなかったですね。
かなりの人にススメていますからこの点では恨まれているかもしれません。 (笑)
この走行充電器の構造から、吹き出し出口の開口を開けてやれば大丈夫でしょうが、メーカー保証を受けられなくなりますね。
購入後1年以上経過してからの方がよさそうです。
リチウムバッテリーは種類によって充電終止電圧が違いますから、設定も変えたほうがいい場合もあります。
14.0Vでもお使いのリチウムだったら最後まで20Aで充電出来ると思います。
ダウンコンバーターを使うのは限られますから、メーカーもあまり積極的ではないですね。
オール電化にされたようですが、リチウムバッテリーの容量は大丈夫ですか?
今度画像でも送って下さい。
60Aの走行充電器を買われても、30Aの設定にできますから、全く無駄ではありませんが、
高いお金を出して、能力も半分というのは少々ガッカリですからね。
ファンは40Aと同じ2個でしょうか?
それだったら、夏場はかなりきついでしょうね。
手元にあるのは40Aですから、これでテストするしかありませんが、寒い時期にヒートテストは難しいです。
夏になれば実験も可能ですね。
この充電器も鉛バッテリーだったらアルゴリズムに従った動きをします。
リチウムバッテリーは色々な種類がありますから、余計な事はさせてないのかも知れませんね。
せめて充電停止電圧でも設定出来ればいいですが・・・。
20Aではなくて40Aでした。
今まで何度もご相談させてもらっていますが、今はリチウムの100Aを3個に60Aの走行充電器、100W×3の300Wのソーラーパネルでシステムを組んでいます。
走行充電とソーラー充電の併用は駄目だとのことでどちらか片方しか使っていません。
本当に駄目なのでしょうか。
ネットで色々調べると併用できるとの書き込みもありますから、実際どうなのかと疑問に思っております。
以前にこちらのブログでも併用しているのを読んだことがあります。
うちの車の場合は、リチウムバッテリーは800Ahを積んでいて、ソーラーは710W、走行充電は自作の充電器ですが60Aです。
普段はソーラーパネルだけの充電ですが、旅に出て天気の悪い日が続くとバッテリーの残量も少なくなるので、走行充電とソーラーを併用しています。
併用ですから、入る時には100A近くになることもあります。
満充電などは程遠いですから、ガンガン入れています。
バッテリーは、鉛、リチウムに関係なく、満充電ではなく途中までの充電は併用でも構いません。
ただし、鉛バッテリーはリチウムと違って満充電にすることを求められますから、2つの充電器があると充電混食して、本当のバッテリー電圧が分からなくなって次の動作に入るタイミングを見失ないます。
すると充電が完全でなかったり、過充電になる可能性があります。
それを防ぐには満充電近くの電圧になったらどちらか片方を切ってやれば大丈夫です。
リチウムの場合はBMSが管理しているので気にしなくても問題ない場合が多いですが、鉛バッテリーはそれが何度も続くとセルのバランスが崩れたりします。
そのため、一般的には2種類の充電器は使えないと言われています。
2年ほど前に貴殿と同じ仕様のシノポリー800Ahを装備したものです。その節はお世話になりました。
ちなみにウチはZILのディーゼルです。
さて、走行充電器ですが昇圧型の必要性は理解していたので、当初はNewエラのSBC-004を使っていました。ただ通常時30A、昇圧時10Aで中々たまりませんでした。
そこでRenogyのDC60に転装しましたが、ご存じの通り触れない位の凄い発熱で、USBファンを併用して使用していました。その状態で3度事件が起ったことを報告します。
1.メインバッテリー上がり
→恐らくDC60の性能が良すぎてメインへの負担が増したのでしょうか?その際は、メインの寿命(3年くらい)のため交換しました。
2.メインのマイナス側ターミナル端子が溶断
→焦げるような異臭がしたので調べたら、端子がすさまじい熱を持ち、鉛部分がぽろっと逝ってしまいました。端子腐食による抵抗増大で発熱したと判断し、ターミナル端子とともに再度メインを交換。
3.今度はRenogy DC60Aの供給側マイナス端子が絶縁隔壁(プラカバー)の溶解により導通不良。
内部基盤から端子へ半田劣化の影響を確認。
で、先日端子・配線共に新品にしてRenogy DC40へ交換しました。発熱もそこそこでDC60と違って本体を触っても全然平気です。端子部の発熱も確認されず、やはりDC60固有の問題も影響ありと思います。
結果的にDC40で充分ですね。あの発熱抵抗が上がって効率が落ちていたのか、トータルでの充電時間はDC60とほとんど変わっていません。
あれこれ長文失礼しました。
>1.メインバッテリー上がり
→恐らくDC60の性能が良すぎてメインへの負担が増したのでしょうか?その際は、メインの寿命(3年くらい)のため交換しました。
>2.メインのマイナス側ターミナル端子が溶断
→焦げるような異臭がしたので調べたら、端子がすさまじい熱を持ち、鉛部分がぽろっと逝ってしまいました。
端子腐食による抵抗増大で発熱したと判断し、ターミナル端子とともに再度メインを交換。
私のZILと同じ130Aのオルタネーターだとしたら60Aの走行充電器を付けるとオルーネーターから70A弱くらいの電流が走行充電器に流れます。
うちの走行充電器は自作のものですが、連続60Aで流してもメインバッテリーは韓国製の安いバッテリーですが、現在5年目のものです。
オルタネーターの能力は車エンジンを掛けて無負荷の場合、走行充電器に90A近くまでは流せます。
ところが、端子の接触不良等があると、走行充電器は14.4Vで60Aで出力するので、接触不良によって入力側の電圧が下がります。
しかし、走行充電器は出力電流を維持するために入力電流を増やします。
普通は70A弱ですむものが、接触抵抗が増したためにかなりたくさん流れたものと推測されます。
おまけに、バッテリー端子の過熱により電流が熱に変わってものではないかと思われます。
DC60は発熱の問題があるようですが、こちらで確かな検証を行っていませんので何とも言えないですね。
もしDC60をお使いでないなら、テストさせていただければ助かります。
この件とは違うと思われますが、北海道の旅で同じDC60を使われている方のメンテを行いました。
https://blog.goo.ne.jp/camp8877/e/357532f5a180654acc4ec42eb25db7dd
ご返信ありがとうございます。
やはり発熱による抵抗増大で電圧が下がり、さらに見合った電流が流れ、さらに熱を帯びて絶縁隔壁を溶かすという悪循環みたいでした。
そもそもの発熱の原因は端子の緩みと思います。
外していた時にグラグラしていたので。。。
振動の多い環境ですから油断大敵ですね。
ばらしてみたところ、隔壁の溶けてプラ液化し、端子にべっとり付いていました。それを軽くグラインダーで除去しまいたが、基板部分の半田がはがれているので、現状で良ければ差し上げますよ。
よろしければ貴殿の着払いで発送させていただきますので、ushi19670114taka@ezweb.ne.jp まで送り先をお願いいたします。
お恥ずかし案件として、今後皆さんの注意喚起になれれば幸いですので、物身御供いたします(笑)