在宅医療の対象となる患者さんは、超高齢、脳卒中後遺症、悪性腫瘍や慢性疾患の末期,重症心不全、神経難病(脊損を含む)などで現在の医療では回復が困難な方が殆どです。
そして、たとえがん末期で予後が1か月も無いと予想される方でも、その方なりの自宅での生活を送っておられます。入院していると、患者さんは 治療の対象物 でしかありませんが、自宅に帰ると主役の座を確保されます。在宅医療は、患者さんが主役でいてほしい医療なのです。
患者さんの病態は一見安定していても、いずれ病状の悪化は避け得ない。
往診を開始するにあたり、患者さんのご家族,可能であれば患者さん本人も含めて、この先、病状が悪化した場合どのような対応をするか話し合います。人生の終末期に過度な医療が行われることを避け,穏やかな最期のときを患者さんが迎えるようにしましょうという方向で話が進むことが多いです。(主役の座をいかに守っていただくか、周囲で如何にサポートしていくかを考える場でもあります)
この言葉では表しにくい雰囲気形成の過程を,終末期医療におけるACP(Advance Care Planning)と言います。
厚生労働省は、ACPを広めようと「人生会議」と言う名前を付け、それを広く知らしめようとして小藪さんを使った下記のポスターを作りました。
私は、厚生労働省の意気込みが伝わる良いポスターだな と、思ったのですが
患者さんの団体や、ご遺族からの猛反発があり、このポスターはボツになりました。配慮が無さすぎるとのことです。インパクトの強さを狙ったので、配慮が無いと捉えられてしまったのでしょうか。
私は、配慮がないと抗議する方々には「いずれ死にゆくという覚悟がない」と思えてしまいます。時代が経過すれば、いずれ、このポスターに対する評価も変化すると思っています。時代に先行し過ぎたのかもしれませんね。
と、此処まで書いてから・・・・あれ、似たようなことを書いた記憶があるぞ・・と、思ったら・・・・ありました。似たようなこと書いてました。
でも、今更消したくないし・・・
ま、重要なことなので2度言いましたよ!!という事にして下さい
ラジオ深夜便、時折聞くのですが、その回は聞き逃しておりました。
その方が言っておられた事、とてもよく分かります。
看取りをする医者の間で良く話題になる事なので、次回是非取り上げたいと思います。また、感想聞かせてください。
あのポスター、ボツにはなりましたが、ボツになったことで大きな話題にはなりましたので、それなりに存在感は今でもあると思っています。私は、いい出来だと思っております。