只今、65.4歳なので、完全に引退しても良い年なのですが・・・・する勇気がありません。
子供がまだ中学生と高校生であることを第一の理由に挙げてはいますが、多分、自分自身の生き甲斐をなくすことを一番恐れているのだと思います。
仕事からは少しづつ、少しづつ、抜けていきたいと思っています。
なかなかむつかしいとは思いますがね!
それだけ、評価していただいているとも感じていますので、痛しかゆしです。
この一か月ほど、毎週のようにキャンピングカーで泊まりで遊びに行っています。
これまで、泊りで遊びに行くときは周到に準備して、留守中に何かあった時に代わっていただける方に丁重にお願いをして出かけていたのです。
ここのところ、手のかかりそうな方を出来るだけお断りしていることもあって、出かけた回数の半分も留守番のお願いをしていません。
理想的には厚生労働省の言うように3人以上で24時間チームを作って恒久的に対処すればいいのでしょうが、そんなことできているチームが日本で何チームあるのだろうか??
私は、訪問看護師に可能な限り権限を委託して、訪問看護チームで医師に依存せずに患者を最後まで看取ることが出来るようにするべきだと思っています。
そんな風に訪問看護師のバックアップを出来るだけしようと思っている我が医院に厚生労働省は、何で逆風を吹かすのよ!!!
あなた方も最近は話の出来る方も多きおられるとお聞きするので、ぜひ話し合ってみたいです。
制度で在宅医療を摘み取らないでください
それだけですね。(以下、長文になってしまいました。)
私は、厚生労働省のやり方に20年ほど燃え、そして燃え尽きてしましました。
後続の皆を燃え尽きさせないように。お願いします
在宅の風に吹かれている奴らは、一概、良いやつばかりです。
在宅医療(訪問診療)をやっていくうえで一番大きな壁は24時間対応だと思います。
在宅療養支援診療所という制度があって、その届け出をすると、同じ医療行為をしてももらえる点数が少し高くなります。その代わり、24時間の対応が義務付けされます。我が診療所の場合、他の4つの診療所と契約を交わして、助け合うことになっています。
この在宅応用支援診療所という制度が結構曲者で、この制度を届け出て言う診療所は全国に1万件以上あります。ところが、その半分以上で年間身取り数ゼロです。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000161550.pdf
個別指導は、レセプトの平均点数の高い順に呼び出されるのですが、診療所の場合、一番初めに掲示している科目などによって何種類かに分類されるのだそうです。在宅医療をしている医療機関は点数が高くなるので、在宅療養支援診療所は別枠なのだそうです。
でも、熱心にやっていて年間に何人も看取っている診療所と、ゼロのところを比べられたら、ゼロのところの点数が低いのは当然ではないでしょうか。
我が医院は昨年21人の方を在宅で看取りました。在宅緩和ケア充実診療所加算という、より厳しい制限も満たしており、届け出は可能なのですが、またレセプトが高額になるので、まだ、届け出をためらっている状態です。
https://carnas.njc.co.jp/byouinqa/c-027-home-palliative-care-fulfillment-clinic/
点数が上がって診療所経営にはプラスになりますが、患者さんの負担金が上がりますし、何より個別指導で呼び出されえる確率がドドンと増えると思います。というか、在宅緩和ケア充実診療所の施設基準を満たすほど熱心に在宅医療をされている方が、個別指導に引っかからないわけがないと思います。
近くでこの制度を申請されている医療機関は、在宅医療専門であり、レセプトの平均点数が1万点前後と飛びぬけて高く、どう工夫しても上位8%から抜けることが不可能と判断されたうえで申請されています。その診療所は、5,6年に一度、定期的に個別指導を受けられています。
私は、診療報酬において悪いことをしているわけではありません。しかし、とてもなく複雑な制度でして、完璧なレセプトを書いていると胸を張れる人はごく少数だと思います。特に在宅の重症患者さんを診ていて、深夜に呼び出されたり、麻薬を経口で投与、口から飲みにくくなったら座薬または持続ポンプで連続的に皮下注射したり、患者さんの状態によって目まぐるしく治療は変化します。それを点数に換算するレセプトは複雑怪奇なものになり、点数も必然的に高くなります。細かいところを突かれると、色々と痛い思いもするのです。
例えば、前回の個別指導では、在宅で落ち着いていた癌患者さんの全身状態が悪くなったため、血液検査をしました。その時に腫瘍マーカー(癌マーカー)ってやつを測定しました。その値が、紹介していただいた3か月ほど前に比べて数倍に上昇していましたので、「ああ、やはりこれだったのか」と、得心しました。
しかし、それではいけなかったのです。
個別指導では、
「 腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点を診療録に記載する。必要がありますが、記載しておられますよね。」と聞かれました。特に治療計画の記載なんてありませんでしたから、「では、この悪性腫瘍得意物質治療管理料に対する点数(2項目でしたから400点)は、返戻してください。同様の症例があるでしょうから、1年さかのぼって全例お願いします。」と、なるわけです。突っ込まれそうなところは、前もってチェックしているのですが、複雑怪奇な制度ですので必ず見落としがあります。そして、過去に犯した見落としやミスがお金に換算されて吸い取られます。経済的だけではなく、プライドを叩きのめされるケースも多く、何人かの開業医が個別指導の後自死されています。
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/143456/
この、いやな個別指導を来年は受けないといけなくなりそうです。
それが、私が燃え尽きた最大の理由です。
今後、新たな在宅患者さんの受け入れはストップします。
それでも、来年度の個別指導は不可避だと思ってます。現在の患者さんが40人程度おられますから。その次の個別指導を避けるために在宅医療を縮小します。そしてワークライフバランスの改善を図ろうと思います!