FileMakerでシステム開発

SE経験者がファイルメーカーを用いた場合、どのような設計、開発を行うのかを検証するブログです。

業務分析について(その2)現行業務フロー

2020-07-18 17:52:56 | 現状調査と業務分析
以前にご紹介しました業務分析の続きを記載致します。
現状の業務を可視化する上で現行業務フローを作成する場合があります。
何故作成する場合があるか、作成しない場合もあるのかと思われるかもしれません。
我々の業界(IT系)で特にお客様の業務をシステム化する場合、大きく以下の2つに分かれます。

1.現行の業務システムを分析し、それらに対する要求を確認した上で、自社が保有している類似
 システムに対してカストマイズする。
2.現行の業務システムは参考として確認するが基本的に業務ルール、業務フローも含めて見直し
 、ゼロから再構築する。

当然、2.の方が設計期間、開発期間、併行試験が大幅に増加しコストも大きくなります。
極端な話ですが、お客様は1.2.を比較して最終決定をして頂くことになります。
最初からお客様に対して1.の提案しか行わない企業もありますが、それらの企業は2.にかける資
源(人的、機械的)が不足しているのか、スキルが不足しているかのどちらかと思います。
たまに他社との競合になった時、お客様が業務システム開発での設計・開発工数および単価の妥当
性がわからないまま契約に至っているケースが見受けられることもあります。

正しく工数試算が行われているのか、提案されている内容は単に現在のシステムの焼き直しなのか、
それとも改善程度かなどなど。
これらを精査する方法の一つとして、単に提案書に書かれた、①現状、②課題、③改善だけで納得
するのではなく、それらを実現するための根拠となる資料の有無を精査することが必要となります。

今回はそれらの根拠となる資料の一つとして「現行業務フロー」をご紹介致します。
前述した2.の方法でシステムを再構築する場合はもちろんですが、再構築までは考えていないが現
行システムの改善とともに業務内容も改善したい場合には必要となる資料です。
何故なら、現状の課題、対策を最終決定して承認するのはお客様であり、そのための基礎資料として
必要なものだからです。

自社の業務を可視化するため、ある程度をカバーした業務フロー図を作成し保有されている企業はあ
まり存在しないのではないかと思われます。フロー図の代替として業務の手続きを細かく文書化した
資料でも実態は同じではないかと思います。
現在は業務システム構築だけのためではなく情報セキュリティ(ISO/IEC 27001、JIS Q 15001)の認
証取得およびそれらの運用でも必要となります。


「現行業務フロー」を以下の2つの観点からみていきます。

1.業務システムの構築
・現在の手続きの妥当性を検証する。
・現在の手続きの過不足を検証する。
・現在の手続きのシステム化の要否を検証する。
・現在の手続きのシステム化を阻んでいる要因を特定し検証する。
・現在の手続きのシステム化の要件を検証し定義する。

2.情報セキュリティ(ISO/IEC 27001、JIS Q 15001)
・現在の手続きのリスクを特定する。
・現在の手続きのリスクの原因およびそれらの要因を検証する。
・現在の手続きのリスクの対策を検証する。
・現在の手続きのリスクの対策の妥当性、有効性を検証する。
・現在の手続きのリスクの対策後の残留リスクを特定する。

今後、SE(システムエンジニア)は上記の両方に着目して上流工程が達成できるスキルが必要になって
くるのかもしれません。

フロー図の作成方法はネットで検索すれば参考となるものがあります。
私が作成する業務フローはNOMA方式のものを自分でカストマイズした形で使用しています。他にも
産能大方式などがありますが、お客様が理解するには事前の知識習得が必要となります。
いずれにしても自社の業務について利用されるのであればどの方式を採用しても良いと思います。
但し利用するにあたっては、必ずフローに出てくる記号を統一しておく必要があります。



フロー図(サンプル)


記号(サンプル)


以上です。

P.S
かみゅーのホームページ
https://www.date-systems.com/

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