10年後のキミへ贈る大切なこと

わたしのタイムカプセル

「人を喜ばせる喜び」って

2019-03-02 11:32:33 | 日記
「パラリンピックの競技にもなっている、ボッチャというスポーツに使うボールに印刷したいんです。」

と言って、あだちメッセの会場にいらした女性がいました。

安心堂に電話したら今日は展示会に出ていると言われて居ても立っても居られなくなり、静岡からすぐに新幹線に飛び乗ってやってきたとのこと。

東京パラリンピックのブラジル選手団の事前合宿場が浜松市に決まり、その記念品としてボッチャボールをプレゼントすることが決まったそうです。

そのボールに浜松市のマークとブラジルの国旗を、二箇所に分けて印刷して欲しいとの依頼内容でした。

お客様の話によると、行政が関わってることなので入札で決まるんだけど、それが決まったのがつい先日のこと。
納期が決まってるのに、印刷してくれるところが無くてとても困ってたんです、とのことでした。

「これなら大丈夫。できますよ。」

って言ったら、ものすごく安堵していらっしゃいました(笑)

その場で2つボールを預かり、翌日にはインキの定着テストや印刷位置の確認のため試作をし、乾燥後に返却したらすぐにやる事が決まりました。

ところが、行政が絡んでるだけあって、印刷位置と印刷の大きさがなかなか決まらない。

何回かやり取りをした後やっと決まった!と思ったらまた一難…。

ボッチャボールは手縫いで出来てるボールなので、形状がまちまち。

いや、本当にまちまち。

受治具に合わせても印刷位置がずれてしまう。

なので結局、ボールひとつひとつに透明のシールを貼り、印刷位置を確認しながら、ひとつずつ合わせて印刷することにしました。

何回も何回も繰り返して、やっとひとつ。
そんな感じで進めてきました。

他の受注もあったから、他の人たちはそちらを進めてもらい、私が「なんでもくん」を使って印刷することにしました。

それでも、空いた時間にスタッフの真由美ちゃんが手伝ってくれたり、卒業式まで長期の休みに入っている長女に手伝ってもらったりして本当に助かった。

ボールの数は130個だけど、2箇所の印刷なので合わせて260回。

ひとつひとつ位置合わせしながらの印刷は至難の技です。

そして、印刷だけに取り掛かれたらいいんだけど、電話応対や見積り依頼、メールの返信やら打ち合わせやらで、一気に印刷を終えることが出来ず、数日かけて印刷するようになりました。

正直、割りに合わない仕事になっちゃったなーって思ってたけど、昨日お客様からお礼のメールを頂いてそんな気持ちは吹っ飛びました。

「安心堂さんに頼んでよかった!
本当に本当に本当にありがとうございました!」

って。

あー、やってよかった!って心から感動しました。

心を込めてひとつずつ印刷したこと、本当によかったなって思いました。

会長のブログに、まるで自分が印刷したかのように書いてあったのには驚いたけど(笑)、あれは私が心を込めて印刷したんです。

でも、それにじっくり取り掛かることが出来たのは、他のみんなが場内の印刷を一生懸命進めてくれたからです。

安心堂は少人数の会社です。

みんながいてくれるからこそ、仕事ができる。

感謝の気持ちを無くしては、うまくいかないことが多い。

忘れてはならない大切なことだと思います。

そして、この仕事は「なんでもくん」だったからこそ出来た仕事です。

じっくりと、ひとつひとつ丁寧に。

なんでもくんって本当にすごい!

それを開発した会長は、やっぱりすごい!


「人を喜ばせる喜び」は、安心堂の理念です。

この言葉のあり方をとことん追求して、これからも頑張っていきたいと思います。