NHKBSP放送プレミアムカフェ10/21日放送分。
2002年の放送だったらしいけれど、当時の放送はまったく知りませんでした。
あがた森魚さんが「北斗星」に乗り、阿房列車ゆかりの横手と錦秋湖を訪れるという内容でした。
内容は予想以上に深いものでした。おもしろかったです。
内田百閒は横手に2度行っています。
そして、横手から出ている横黒線(現在の北上線)にも2度乗っています。
2度とも大荒沢という駅で引き返しています。
番組ではなぜ大荒沢駅に2度も行ったのか?がテーマになっていました。
単にダイヤ上の都合だとは思います。
番組ではあがたさんが大荒沢駅に行こうとしますが、すでに大荒沢駅はダム湖の工事のため、鉄道の付け替えがあり、廃駅となっていました。
付け替えられた線にあるゆだ錦秋湖駅から、かつての大荒沢駅のあった場所を眺めるあがたさん。
百閒はダム工事により無くなりゆく大荒沢駅に思い入れがあったのだと結論付けます。
百閒が阿房列車で一度も降りることのなかった故郷の岡山駅のように…。
すごい深読みです。これも楽しい解釈ですな。
そして、横手の宿で百閒が残した書「忘却来時道」忘却ス来タル時ノ道。
この書のことは阿房列車では「何を書いたかも覚えてゐない」とあります。
覚えていないとは忘却スということです。
この書のことを知っている人はここのところでニヤニヤしたんだろうなー。
なんて思いました。
こういう番組がもっと見たいものです。
「特別阿房列車」でなく「奥羽本線阿房列車」を題材にする。
番組を作った人は相当「阿房列車」好きなのがわかります。