①
ぼくのママは バクバクザウルス
「たくさんたべて おおきくなってね」
ぼくのまえには やまもり ごはん
みただけで ぼくは おなかがいっぱい
➁
「もう!
こんなにのこして もったいない!」
バクバク バクバク
バクバク バクバク
ママが
ぼくの かわりに
ぜんぶ たべて
ママが
ぼくの かわりに
おおきくなっちゃった
③
ぼくのママは バクバクザウルス
「ちゃんと あいさつ してね」
ママが
ぼくに きたいしている
よし ゆうきをだして あいさつするぞ
えっと こんにちは がいいかな
おはようございます がいいかな
ぼくが かんがえていたら・・・
④
「もう!
このこは はずかしがって!」
ペチャ クチャ
ペチャ クチャ
ママが
ぼくの かわりに
ぜんぶ はなして
ママが
ぼくの かわりに
なかよしになっちゃった
⑤
ぼくのママは バクバクザウルス
「もう!
はやく しゅくだいしなさい!」
きょう がっこうで がんばったから
これは ごほうびのじかん だったんだ
このあと しようとおもっていたのに・・・
ちゃんと するつもりだったのに・・・
ぼくの きもちが しゅるるるる・・・
あ~ぁ しぼんじゃった
⑥
「もう!
いつまで ゲームしてるの!」
ガミガミ ガミガミ
ガミガミ ガミガミ
ママが
ぼくの かわりに
べんきょうのじかんを きめて
ぼくの やるきが しゅるるるる・・・
ぺしゃんこに なっちゃった
⑦
ぼくのママは バクバクザウルス
「おおきくなったら なにになる?」
ぼくには ゆめが ある
ママが ぼくに きいてくれてくれたのが
とっても うれしくて・・・
ぼくは ぼくの ほんとうのきもちを
いっぱい はなした
だけど ママは
ぼくのゆめが
すきじゃなかったみたい・・・
⑧
「もう!
また そんなゆめみたいなこといって!」
バクバク バクバク
バクバク バクバク
ママが
ぼくの ゆめを かんがえて
ママが
ぼくの ゆめを うばっていく
それは もう ぼくのゆめじゃなくて
ママの ゆめ・・・
⑨
あるひ ぼくは
なにも おいしくなくなって
なにも するきがおきなくて
なにも かんがえなくなった
ぼくは ぼくのへやから
いっぽも そとへでないで
ぼくだけのせかいに とじこもった
⑩
あのひから ママは
バクバクザウルスじゃなくなった
ママは やせて ちいさくなった
ママは あまり はなさなくなった
ママは よく ないた
ごめんね ママ
ぼくは ぼくが なにがしたいのか
わからなくなって
こわくて うごけないだけなんだ
⑪
ママが はじめて
ぼくのことを まってくれて いる
ママが はじめて
ぼくのことを しんじてくれて いる
ぼくは ひさしぶりに
とびらを あけてみた
すると ママが
ニコニコザウルスになっていった
「あなたは どうしたい?」
ぼくは あかちゃんのときから
ずっと ママのことが すきだったけれど
いまのママのほうが もっとだいすき
ぼくも ニコニコザウルス
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