馬とお昼寝

他愛ない毎日の日記と、旅行と福袋とちょこっと映画のブログです。

硫黄島からの手紙

2007年07月02日 13時17分47秒 | 映画
硫黄島からの手紙を見ました。
クリント・イーストウッド監督のアメリカ映画ですが、日本映画を見ているかのようでした。
海外の映画で日本人が出てきたり、日本を描いていたりすると、思い込みやイメージでかなり違和感のあるつくりになっているものですが、この映画は日本人の作った日本映画のようで、全く違和感がありませんでした。

太平洋戦争終盤、本土決戦の最後の砦として硫黄島で一日でも二日でも敵の進行を止めるため栗林中将(渡辺謙)が赴任してくる。
アメリカに駐在した経験を持つ栗林中将は、圧倒的な力の差で、勝ち目はないことを知っていたが、本土のため援軍もこない状態で硫黄島でアメリカ軍を迎え撃つ。

渡辺謙、かっこいいです。
出て来るだけですごい貫禄です。
歴史的なことには疎いのでよくわかりませんが、映画を見ている分にはとても有能そうな栗林中将がなぜ、捨石覚悟の硫黄島に送られたのでしょう?
もったいない気がします。

嵐の二宮和也は、ちょこっと出るだけかと思ってたんですが、出ずっぱりでした。
彼だけが子供みたいな顔なので、パシリにされています。
本人は結構冷めた性格で、「こんな島アメリカにくれてやればいいんだ。」といってはばかりません。
映画は西郷(二宮)と栗林中将の手紙をそこここにちりばめて構成されています。

犬を助けたせいで憲兵隊から追い出されて硫黄島に送られた兵士のエピソードもかわいそうでした。
あれはどう考えても犬の飼い主のおばさんが配慮が足りなさ過ぎです。
ほえる犬を殺せと命じる上司に、裏庭で隠れて処分したことにして助けてやるのですが、その直後にまたほえたらどうなるのか馬鹿でもわかります。
私が飼い主なら、犬の口を縛ってでもほえないようにします。
馬鹿な飼い主のせいで犬も兵士もかわいそうです。

そして、西竹一中佐(バロン西)!
日本で唯一の、オリンピックの馬術競技のゴールドメダリストです。
彼のことは知っていましたが、唯一のゴールドメダリストであることと馬の名前がウラヌスだということぐらいしか知りませんでした。
この映画の公開前にネットの掲示板で、硫黄島からの手紙ではバロン西のことにも触れているとかかれていましたが、私はゴールドメダリストとしてラジオなんかで情報が流れるシーンがあるだけでは・・・と勝手に思っていました。
本人が硫黄島にいてそこで戦死していたなんて全く知らなかったので・・・

なので、映画を見て驚きました。
伊原剛志が演じているのですが、男爵で当時の日本人っぽくない様子がすごくイメージどおりでした。

硫黄島に配属された時には戦車隊として来ているのに、なんで馬を連れてきてるんでしょう・・・
それは事実ではなく、映画の中で彼のイメージ付けをするために馬に乗せていたのかもしれません。
材木が積んであるのを障害に見立てて跳んでいました。
すごく良い馬なのに、空爆ですぐやられます。
連れてきちゃだめ!!と、悲しくなります。

彼が自決する時、肌身離さず持っているウラヌスのたてがみに触れるのを見て涙があふれました。
愛してたんだなあ・・・と。

映画を見終わってから、ネットで本当に西中佐が硫黄島で亡くなったのか調べてみましたが、事実でした。
アメリカ軍が侵攻して来た時、拡声器で、「バロン西、世界が君を失うのは大きな損失だ。投降して欲しい。」と呼びかけたという逸話まで残っているそうです(映画ではそういうシーンはありません)。
彼が亡くなった一週間後、馬事公苑で余生を過ごしていたウラヌスも後を追うように死んだそうです。

あんなすごい人が、あんなふうに亡くなるのは本当にもったいないです。
戦争でなければ・・・

西中佐の話ばかりになってしまいましたが、映画、とてもよかったです。
おすすめです

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