フェアレディZ Z32に試乗しました!
※試乗当時の文章です。
○概要
スカイラインと並ぶ、日産の2大看板車種のひとつ。歴史も、ブランドイメージもピカイチの一台。本モデルは、デビューしてから約10年がたつ長寿モデル。スポーツカーというより、ハイウェイ等を快適に移動するGT的要素が強い。
○居住性 ★★★★
ツアラーとしては、雰囲気・機能共に十分ではないだろうか。さすがにリアシートは荷物置き場だが、前席2人は、なかなか快適な高速クルーズができるだろう。インパネも、さすがに少々古さを隠せないが、デザインとしては悪くない。乗り心地も硬すぎず、柔らかすぎず。
○動力性能 ★★★
エンジンはトルクフルで、重いボディをグイグイ引っ張っていく。しかし、吹けあがりはイマイチがさつで、スポーツカーとしてのエンジンの吹けを期待すると、がっかりするかも。試乗車はATだったが、このクルマは大排気量をいかして、トルクでクルマを前に進め、さっさとシフトアップするほうがいいかもしれない。
興味深いのはハンドリングと足回りで、乗った瞬間、”あ、トヨタ車と違う”というのが何故か分かる。表現しづらいが、トヨタ車の足回りは、まず安定性が前提にあって、その上でスポーティさを演出している感があるが、日産の場合、最初からスポーティを前提にしているかんじがする。トヨタのアシが、”できれば、このままマッスグ走ってたいなぁ”という感じなのに対し、日産車は、”走りたくてウズウズしている”かんじ。この差は、まさにメーカーとしての姿勢の差で、クルマ会社のDNAみたいなものだろう。そして、その遺伝子は間違いなくこのクルマにも流れているようで、10年前のGTとはいえ、それなりにワインディング等をこなすポテンシャルはありそう。耐久性は別にして、このクルマが現在中古でかなり安く購入できるのは、かなり狙い目と言えるかもしれない。
○総合評価 ★★★★
まず、このスタイリングに惹かれる人は、購入しても損のないクルマだろう。10年たった今でも、この独特なスタイルとZブランドは、所有者に充分な満足を与えてくれると思う。ただし、今更新車で購入するのは、ちょっと物好きだ。クルマの性格からして、それほど荒い乗られかたはしないだろうから、良質な中古車を探すのがベスト。ただし、修理代は高くつくかもしれないけど。