第3回目の御出現:1917年7月13日(金曜日)
約束の第3回目の日になり、ルチアはほとんど抵抗できないある力に促されて、突然行かなければならないと感じました。
彼女がいとこたちの家に行くと、フランシスコとヤシンタは寝台の側に泣きながら跪いていました。
ルチアが出かけないのかと尋ねると、彼らはルチアと一緒にでなければ行かない、一緒に行こうと言いました。
ルチアが一緒に行くと言うと、彼らの顔は喜びに輝きました。
3人は一緒に出かけましたが、途中で群衆が待ち受けていて思うようにコヴァ・ダ・イリアに近づけませんでした。
ルチアの母親マリア・ロサはヤシンタとフランシスコの母親オリンピア・マルトと一緒に、何が起こるかを見るために、人目につかないように身を隠しながら、3人の子どもたちから遠く離れてついて行くことにしました。
ティ・マルトは三人の子どもたちの側にいました。
ルチアがロザリオの祈りを先唱し、群衆がその後を続けました。
人々は日差しをよけるために日傘をさしていましたが、聖母の御出現の時刻になったとき、ルチアは「傘をすぼめてください。聖母がおいでになりました!」と叫びました。
ルチアが尋ねます。
「あなたは私から何をお望みですか?」
「あなたがたが来月の13日にここに来ること、世界のために平和を得、戦争を終わらせるために、ロザリオの聖母をたたえて毎日ロザリオの祈りを続けることを望んでいます。なぜなら、ただロザリオの聖母だけがあなたがたを助けることができるからです。」
「私はあなたがどなたであるかを私たちに教えてくださること、そしてあなたが私たちに御出現になっていることをすべての人が信じるように奇蹟を行ってくださることをお願いしたいのです。」
「毎月ここに来続けなさい。10月に、私が誰であるか、何を望んでいるかをあなたがたに教えます。そしてすべての人のために見て信じるように一つの奇蹟を行います。」
ルチアはあることを聖母にお願いしましたが、聖母はそれに対して恩寵をその年の内に得るためにはロザリオを祈る必要があるとお答えになりました。聖母はそしてこう続けられました。
「罪人のためにあながた自身を犠牲として捧げなさい。そして何度も、特に何か犠牲をするときにはこう言いなさい。おお、イエスよ、これはあなたのため、罪人の回心のため、そしてマリアの汚れなき御心に対して犯される罪の償いのためです、と。」
聖母がこう言われた後、5月、6月の時と同じように、三度目に両手を拡げられました。
強い光線が地上を貫き、その中で彼らは一瞬の間でしたが、火の海のような地獄を見せられました。
悪魔、人間の形をした霊魂たちが絶望と苦悶のうちに透明な火の固まりとなっていました。
ルチアが恐怖のあまりに叫んだ声を周りにいた人々が聞いています。
三人は救いを求めるかのように聖母を見ました。そのとき、聖母はこうおっしゃいました。
「あなたがたは哀れな罪人たちが行く地獄を見ました。彼らを救うために、神は世界の中に私の汚れなき御心に対する信心を打ち立てることを望んでおられます。私があなたがたに言っていることがなされるならば、多くの霊魂が救われ、平和が来るでしょう。戦争は終わるでしょう。しかし、人々が神に背くことを止めないならば、ピオ十一世の御代の間にもっとひどい戦争が起こるでしょう。未知の光によって照らされる夜を見るとき、これが神によってあなたがたに与えられる大きなしるしであるということを知りなさい。神は戦争、飢饉、教会と教皇の迫害によって世界をその罪のために罰しようとしておられるのです。」
「このことを避けるために、私は私の汚れなき御心へのロシアの奉献と、初土曜日の償いの聖体拝領を求めるために来るでしょう。もし私の要求が顧みられるならば、ロシアは回心し、平和が来るでしょう。もしそうでないならば、ロシアは戦争と教会の迫害を引き起こしながら、その誤謬を世界中に広めるでしょう。善い人々は殉教し、教皇は多く苦しみを受け、さまざまの民族が絶滅させられるでしょう。」
「一軍の兵士たちによって 白衣の司教ら大勢の高位聖職者達が、射殺されるでしょう」
「最後に、私の汚れなき御心は勝利するでしょう。教皇は私にロシアを奉献するでしょう。そしてロシアは回心し、ある期間の平和が世界に与えられるでしょう。」
「ポルトガルでは信仰の教義が常に保たれるでしょう。このことを誰にも言ってはいけません。フランシスコには、ええ、言ってもよいです。」
「ロザリオの祈りを唱えるとき、各玄義の後にこう言いなさい。おお、わがイエスよ、私たちの罪を赦し、私たちを地獄の火から守ってください。すべての人々、ことに最も御憐れみを必要としている人々を天国へ導いてください。」
ルチアが最後に「何かもっと私にお望みのことがありますか?」と尋ねると、聖母はこう言われました。
「いいえ、今日はそれ以上何も望んでいません。」
この3回目の御出現に立ち会った人々の数は800人くらいという報告から1000人、1000人以上、中には2000人という報告まであり、一致していません。しかし、いずれにせよ、前回の50人を大幅に上回る人々が集まったことは確かです。
7月13日以来、コヴァ・ダ・イリアには好奇心の強い人たち、信仰心を持った人々が大勢やってきてロザリオの祈りを唱えるようになりました。
ファチマの聖母御出現の問題はもはや教会内の問題や三人の子どもたちの問題ではなくなってきました。
8月13日、聖母との約束の日に三人はコヴァ・ダ・イリアに行くことができませんでした。
しかし、コヴァ・ダ・イリアでは三人がいないにもかかわらず、巡礼者たちには聖母がおいでになったと思われる出来事が起っていました。
この日の巡礼者は1万8000人から2万人くらいいたと言われています。
御出現の木、ウバメガシのまわりを取り囲んだ群衆は祈りを始め、聖歌を歌いました。
しかし、子どもたちはやって来ず、皆は我慢できなくなり始めました。
そのとき、ファティマから人が来て、郡長が子どもたちを誘拐したと告げました。
人々が一斉にしゃべり始め、何が起こるかわからないような雰囲気になったとき、雷が轟きわたりました。
その後で稲光がしました。
そしてあのウバメガシの上に真っ白な小さい雲がしばらく止まり、それから上の方へと上がり、やがて消えました。
人々の顔や衣服、木々の葉が虹のすべての色に次々と染まりました。
葉は花のように見えました。
これは聖母マリアがご自分の現存をお示しになるために、雷鳴と稲光と虹というすべての人に見え、聞こえるしるしを与えられたと考えられています。
ファティマの聖母④に続きます。
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