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シリア・アサド政権の崩壊

2024-12-10 21:12:00 | 時事
 アサド政権の崩壊は、シリアの為に幸いなことだと思います。私は最近はイスラエルに批判的な記事を載せることがありますが、だからと言って、イスラム教を支持するものでも、バース党を支持するものでもありません。特にシリアのそれとは別問題です。
 例えば、反米でも、北朝鮮は支持できないという人はそれなりに多いと思います。似たようなところが、シリアのアサド政権にはありました。

 アサド政権では、刑務所事情と恐怖政治がひどく、2016年頃から、その凄惨な記事を沢山、読んでいました。
 シリアの刑務所はこの世の地獄であり、ある者は、収監されるとペニスを縛られ、2リットルの水を飲まされて、性器が壊れ、性的不具になり、常に小便等を尻から漏らすオムツ生活になったとか・・・刑務所は収監者ですし詰めで、疥癬など、あらゆる皮膚病が蔓延し、壁まで死んでいたとか・・・。

 カトリック的に言うならば、教理以前に自然法に大きく反するあり方でした。今後のシリアがどうなるかはわかりませんが、シリアから、暴君が退陣したのは、とりあえずは歓迎したいし、祝福したいと思います。

 シリアの恐怖政治は、先代から継承されたようで、バシャール・アサドは父から政権を継承後、一度は緩めようとしたものの、困難とわかり、再び先代の路線に戻してしまったようなのです。

 彼はジャスミン革命以後、こうした強権的な統治に加えて、ロシア軍の支援によって、かろうじて国の半分を支えていました。
 ロシア軍は、彼の要請によって、シリアの反政府勢力の支配地域を町ごと焼き払い、シリアの国土の多くが廃墟になりました。
 650万人が難民となって国外に出国し、同数の難民が国内難民となって、国中をさまよいました。私は、たまに西側に批判的な感想を持つこともありますが、それでも、これが、シリアを支持することができなかった理由です。

 今後のシリアも、とても心配ではあります。
 まず、シリアは統一されておらず、4つ以上の勢力に分割されてます。アサド政権を打倒したHTS、これは前の名称がアル・ヌスラ戦線で、元アルカイダのシリア支部です。
 続いて、SDF(シリア民主軍)などのクルド人勢力。大きく分けて、今のシリアはその大部分をHTSとクルド人勢力が二分していますが、その他にも、トルコの肩入れするSNA(シリア国民軍)やISIL(イスラム国)などが割拠していますので、これで内戦が終わったとは、とても言えないでしょう。

 アサド政権の崩壊は重大な経過点ではありつつも、ここからがシリアの問題のスタートラインであると言う識者もいるくらいです。シリアが存続できるかもわかりません。高い確率で、北西部を支配するクルド人勢力は、クルディスタンとして、シリアから独立してしまうかもしれません。

 シリアの問題はまだ山積ですが、それでも恐怖政治だけは終わりますように、シリアの明日は、この14年よりはましになりますように、願いたいものです。

(追記)どさくさに紛れてのイスラエルのシリアへの侵攻が物凄いようです。この二日間で300回もの爆撃を行い、シリアの陸海空軍の兵器・物資・施設を壊滅させ、ゴラン高原を越えて、ダマスクス県南部にまで侵攻をしているようです。先が思いやられますね。





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