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「第20図 秘跡について 聖体の秘跡のこと ミサのこと」『公教要理図解』ワグネル神父
◎聖体の秘蹟のこと
1
聖体の秘跡とは、パンと葡萄酒の形色の中に、御主イエズス・キリストの御体と御血と、御霊魂も天主の性も籠れる秘蹟である。
2
御主イエズス・キリストは、
(1)我々の中に住み給い
(2)御父なる天主に対して御自身を犠牲に捧げ
(3)我々の霊魂の糧となるという聖意で、
この秘蹟を定め給うたのである。
◎聖体拝領のこと
3
御主イエズス・キリストが、聖体の秘蹟を定め給うときに、パンを取ってこれを祝し、使徒に与えておっしゃいました。
「汝等受けてこれを食せよ。これ汝等のために渡すところの我が体なり」と。
次に杯を取りこれを祝し、使徒に与えておっしゃいました。
「汝等我が記念としてこれを行え」と。
4
この御言葉によれば、御主イエズス・キリストは天主の全能によりパンを変じて御体となし、葡萄酒を変じて御血となし給うたのである。また、この時からこれを行う権を、使徒及びその相続者である司教司祭に与えられたのである。
5
この変化は、ミサ聖祭中において、司教司祭が、御主イエズス・キリストの定め給いし御言葉を、パンと葡萄酒の上に唱えるときに行われるのである。
6
御主イエズス・キリストの御言葉に、
「汝等もし我が肉を食せず、その血を飲まざれば汝等に生命なし」(ヨハネ福音書6章5節)と仰せられた。これによってみるも、聖体を拝領するのがどんなに必要であるかがわかるのである。
7
聖体を受けるには、霊魂上と肉身上の覚悟が必要である。
8
霊魂上の第一の覚悟とは、成聖の聖寵をもち、大罪のないことである。
9
聖体拝領の前に大罪あれば、悔悛の秘蹟によってその赦しをこうむらねばならぬ。
10
大罪ある身をもって聖体を受けるは、瀆聖の甚だしき罪である。
11
聖体を受ける前に、信望愛の心を起こして熱心に祈らねばならぬ、祈祷文の中にある聖体拝領前の祈祷をなすは、適当である。
12
肉身上の覚悟とは、前夜12時より飲食を断ち、また聖体拝領に臨んでは身を恭しく整えることなどである。
13
聖体拝領後には、わが心中に降り給うた御主イエズス・キリストを一心に礼拝し、感謝し、イエズス・キリストにわが身を捧げ、自己のため、また、他人のためにもよく祈らねばならぬ。
14
聖体拝領後の祈祷は、極大切なものである。
何となれば、
(1)我がこころのうちに住み給う御主イエズス・キリストに対して
礼拝と尊敬を払わないことは、大いなる不都合であるのみならず
(2)御恵を求めるには、最も適当の時であるからである。
◎ミサのこと
15
ミサは司祭が、パンと葡萄酒の形色のうちに籠れる御主イエズス・キリストの御体と御血をば、天主に捧げる祭である。
16
御主イエズス・キリストがミサ聖祭を定め給うたのは、我々の前で十字架上の犠牲を模写し、これを世の終わりまで続けさせたいとの聖意であった。
17
十字架上の聖祭とミサ聖祭との実体は異ならない。捧げられるものは、いずれも同一のイエズス・キリストである。異なるのは、ただ捧げ方のみである。すなわち、十字架上においては、御主は血を流し、苦死し、自ら御身を捧げ給うたけれども、ミサ聖祭においては、血を流さず苦死せず、司祭の手を借りて御身を捧げ給うという形式の差異のみである。
18
ミサ聖祭は元来礼拝の祭であるので、ただ、天主にのみ捧げるものである。
◎絵の説明
19
この絵の中央のところは、御主イエズスが御死去の前晩、最後の晩餐のときにエルサレムにおいて、聖体を定め給うた、そのときの有様を示したのである。
そして、上部の左の方の絵は、聖体拝領のときに、瀆聖の罪を犯した不忠な使徒、ユダが首をくくり、自殺を遂げたところを示したのである。
20
下部の絵は、一人の司祭がミサの時に、聖体を信者に授けるところである。
21
上部の右の絵は、一位(ひとり)の天使が預言者であるエリアにパン1個水瓶1個を与えて、その力を補うところを示したものである。エリアはそれを飲食して40昼夜休まず歩んで、モレブ山に達した。
これは、聖体拝領の功徳のたとえであって、この、尊き秘跡の拝領によって御主イエズスと一致し、聖寵を増して邪欲に勝ち、終わりなき命に至るの御恵みを得ることをあらわしたものである。
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◎聖体の秘蹟のこと
1
聖体の秘跡とは、パンと葡萄酒の形色の中に、御主イエズス・キリストの御体と御血と、御霊魂も天主の性も籠れる秘蹟である。
2
御主イエズス・キリストは、
(1)我々の中に住み給い
(2)御父なる天主に対して御自身を犠牲に捧げ
(3)我々の霊魂の糧となるという聖意で、
この秘蹟を定め給うたのである。
◎聖体拝領のこと
3
御主イエズス・キリストが、聖体の秘蹟を定め給うときに、パンを取ってこれを祝し、使徒に与えておっしゃいました。
「汝等受けてこれを食せよ。これ汝等のために渡すところの我が体なり」と。
次に杯を取りこれを祝し、使徒に与えておっしゃいました。
「汝等我が記念としてこれを行え」と。
4
この御言葉によれば、御主イエズス・キリストは天主の全能によりパンを変じて御体となし、葡萄酒を変じて御血となし給うたのである。また、この時からこれを行う権を、使徒及びその相続者である司教司祭に与えられたのである。
5
この変化は、ミサ聖祭中において、司教司祭が、御主イエズス・キリストの定め給いし御言葉を、パンと葡萄酒の上に唱えるときに行われるのである。
6
御主イエズス・キリストの御言葉に、
「汝等もし我が肉を食せず、その血を飲まざれば汝等に生命なし」(ヨハネ福音書6章5節)と仰せられた。これによってみるも、聖体を拝領するのがどんなに必要であるかがわかるのである。
7
聖体を受けるには、霊魂上と肉身上の覚悟が必要である。
8
霊魂上の第一の覚悟とは、成聖の聖寵をもち、大罪のないことである。
9
聖体拝領の前に大罪あれば、悔悛の秘蹟によってその赦しをこうむらねばならぬ。
10
大罪ある身をもって聖体を受けるは、瀆聖の甚だしき罪である。
11
聖体を受ける前に、信望愛の心を起こして熱心に祈らねばならぬ、祈祷文の中にある聖体拝領前の祈祷をなすは、適当である。
12
肉身上の覚悟とは、前夜12時より飲食を断ち、また聖体拝領に臨んでは身を恭しく整えることなどである。
13
聖体拝領後には、わが心中に降り給うた御主イエズス・キリストを一心に礼拝し、感謝し、イエズス・キリストにわが身を捧げ、自己のため、また、他人のためにもよく祈らねばならぬ。
14
聖体拝領後の祈祷は、極大切なものである。
何となれば、
(1)我がこころのうちに住み給う御主イエズス・キリストに対して
礼拝と尊敬を払わないことは、大いなる不都合であるのみならず
(2)御恵を求めるには、最も適当の時であるからである。
◎ミサのこと
15
ミサは司祭が、パンと葡萄酒の形色のうちに籠れる御主イエズス・キリストの御体と御血をば、天主に捧げる祭である。
16
御主イエズス・キリストがミサ聖祭を定め給うたのは、我々の前で十字架上の犠牲を模写し、これを世の終わりまで続けさせたいとの聖意であった。
17
十字架上の聖祭とミサ聖祭との実体は異ならない。捧げられるものは、いずれも同一のイエズス・キリストである。異なるのは、ただ捧げ方のみである。すなわち、十字架上においては、御主は血を流し、苦死し、自ら御身を捧げ給うたけれども、ミサ聖祭においては、血を流さず苦死せず、司祭の手を借りて御身を捧げ給うという形式の差異のみである。
18
ミサ聖祭は元来礼拝の祭であるので、ただ、天主にのみ捧げるものである。
◎絵の説明
19
この絵の中央のところは、御主イエズスが御死去の前晩、最後の晩餐のときにエルサレムにおいて、聖体を定め給うた、そのときの有様を示したのである。
そして、上部の左の方の絵は、聖体拝領のときに、瀆聖の罪を犯した不忠な使徒、ユダが首をくくり、自殺を遂げたところを示したのである。
20
下部の絵は、一人の司祭がミサの時に、聖体を信者に授けるところである。
21
上部の右の絵は、一位(ひとり)の天使が預言者であるエリアにパン1個水瓶1個を与えて、その力を補うところを示したものである。エリアはそれを飲食して40昼夜休まず歩んで、モレブ山に達した。
これは、聖体拝領の功徳のたとえであって、この、尊き秘跡の拝領によって御主イエズスと一致し、聖寵を増して邪欲に勝ち、終わりなき命に至るの御恵みを得ることをあらわしたものである。
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