『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 13
せっかく始まった調査も戦争で中止、ローザが亡くなってから6年がたっていました。先の教皇は帰天して、新しい教皇アレキサンドロ4世は、たまたまウィテルボの町に旅した数日間、眠っているうち、光に包まれて現われたローザの声をききました。
「わたしたちの主イエズス・キリストは、わたしをご自分のはしための数に加えてくださいました。あなたは、地上のキリストの代理者、どうぞ、なすべきことを、これ以上延ばさないでください。ただちに、わたしの遺体を聖ダミアノ修道院に移してください。そこが、わたしの休む場所です」と。
"なあに、たたの夢だろう"と思ったのに、3度までくり返されては、教皇は、もうじっとしていられません。神のみ旨とばかりに、ローザの前にひざまずき、実行すると誓いました。
きょうは、ローザの遺体が聖ダミアノ修道院に移される日です。葬られていた聖堂から長い行列が出て行きます。ごうかな台に乗せられて、4名のカルディナルに運ばれるローザの遺体は、町中に感激の嵐をまき起しながら、しずしずと進みました。すぐ後につきそう教皇アレキサンドロ4世と市長、そして数えきれない人々の群!
空にこだまする熱烈な賛美歌の近づく修道院の門前に、シスターたちが待ちわひています。
ああ、なんという変わりようでしょう。7年前には拒んでいたのに、今ではローザの遺体を保管できる光栄に感謝しているのです。その上、教皇、カルディナル、大勢の聖職者につきそわれようとは!
「わたしが死んだら、きっと入れていただけるでしょう」といったあのローザの予言が、今みごとに実現されているのです!
せっかく始まった調査も戦争で中止、ローザが亡くなってから6年がたっていました。先の教皇は帰天して、新しい教皇アレキサンドロ4世は、たまたまウィテルボの町に旅した数日間、眠っているうち、光に包まれて現われたローザの声をききました。
「わたしたちの主イエズス・キリストは、わたしをご自分のはしための数に加えてくださいました。あなたは、地上のキリストの代理者、どうぞ、なすべきことを、これ以上延ばさないでください。ただちに、わたしの遺体を聖ダミアノ修道院に移してください。そこが、わたしの休む場所です」と。
"なあに、たたの夢だろう"と思ったのに、3度までくり返されては、教皇は、もうじっとしていられません。神のみ旨とばかりに、ローザの前にひざまずき、実行すると誓いました。
きょうは、ローザの遺体が聖ダミアノ修道院に移される日です。葬られていた聖堂から長い行列が出て行きます。ごうかな台に乗せられて、4名のカルディナルに運ばれるローザの遺体は、町中に感激の嵐をまき起しながら、しずしずと進みました。すぐ後につきそう教皇アレキサンドロ4世と市長、そして数えきれない人々の群!
空にこだまする熱烈な賛美歌の近づく修道院の門前に、シスターたちが待ちわひています。
ああ、なんという変わりようでしょう。7年前には拒んでいたのに、今ではローザの遺体を保管できる光栄に感謝しているのです。その上、教皇、カルディナル、大勢の聖職者につきそわれようとは!
「わたしが死んだら、きっと入れていただけるでしょう」といったあのローザの予言が、今みごとに実現されているのです!