瑞原唯子のひとりごと

鋼の錬金術師 23巻

鋼の錬金術師 23巻。いやはや、本当にすごいよ。期待を裏切らないどころか、それを超えるものを見せてくれるんですよね。終盤でも衰えることのないこのワクワク感! スカッとするような展開があったり、意外な展開に「そう来たか!」とニヤッとしたり、どうなることかとハラハラしたり、そうかと思えばちょっと切なかったり。アニメ(前シリーズ)で「そうじゃねぇだろ」「それってどうなの?」と思っていたことが、原作では見事に腑に落ちる答えを提示してくれたりもして。イシュヴァール戦もそうだし(この巻ではないけど)、等価交換についてもそうだし、賢者の石についてもね。

賢者の石と一緒に闘うという発想はなかったので、あのあたりの説得にはちょっとジンときてしまったよ。都合の良い解釈ともとれるけど、全員ではないにしても、世界を守るために闘いたいと思っている人もいるだろうしな。

アルの等価交換を無視した発言に拍手! そうでなくちゃね。縛られすぎててはいけないんだ。この世界の何もかもがその法則で説明できるわけではないし。大きな流れとしてはそうかもしれないけれど、局所的な選択においては必ずしも当てはまらないわけで。実現できるかわからないけれど、最初から選択肢を捨てるべきではないよな。

アームストロング姉弟コンビが嬉しかったです! オリヴィエは相変わらず素敵だったんですが、その姉上を守ってるアレックスも見直しました! って言い方も何ですが…(汗)。姉にはボロクソに言われてたのに、その姉を守ってるのが何か妙に嬉しくてね。そして、ふたりの連係プレーにもワクワクしました! 状況を無視した言い合いも好きですなぁ。

しかし、まさかスロウスが最速のホムンクルスなんて…! そりゃ名前が名前だけに怠けてるってのはわかるけどさ、何も最速でなくてもいいのに(笑)。しかも自分でもコントロールできないなんて、やっかいにもほどがあるっていうか…!

ヨキ! もうホントおいしいところだけかっさらっていくんだから!!! 泣きながら震えながらってのがヨキらしい。本当にもうおいしすぎるったらないよ。ずるいずるい(笑)。

キンブリーはプライドと一体になっちゃったけど、このあと出てくることはあるのかなぁ?

メイ・チャンが予想以上に頑張っていてビックリです。あのまま速攻でやられちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしてたのに! 賢者の石を注入された人形やエンヴィーとも何とか渡り合ってるよ。そう力があるわけではないので、まともに戦ったら勝ち目はないかもしれませんが、身が軽いので避けるのは得意なんですね。

「手を貸した方がいいかね? 鋼の」って、本当にマスタング大佐はいやーな感じの余裕かまして登場してくれますね! ありがたくて嬉しいんだけど、嫌味の一つでもいいたくなりますな(笑)。

そして、ホークアイ中尉が泣いたことを蒸し返すとっても嫌な上司です(笑)。でも、ホークアイ中尉の返しが最高です! 「無能になるから!」ね!

しかし、錬金術の実力はやっぱりすごいんですねぇ。見開き下段ぶち抜きで焼き尽くしですよ。しかも涼しげ~にやってのける!

帰らなかったメイ・チャンを叱るスカー。本気で心配しているんですね。このふたりの関係が不思議なんだよなぁ。特にスカーがメイ・チャンをどう思っているのかというのが。一緒にいて情が移った?? 妹みたいに思ってる?? もともとスカーは優しい人だろうしね。

ラジオ放送! こういう情報戦は大好きです! まさか夫人をこんなふうに利用して、大総統を排除しようとする一派がいるなんてでっち上げをするとは思わなかったけど! でも、いきなりホムンクルスがどうこう言っても、一般人には理解できないだろうし、この方が断然わかりやすいですよね。ラジオ局の人が協力的だったのも嬉しかったなぁ。マスメディアは権力に屈さず! 本当、そうであってほしいですよ。

マリア・ロスの演説も良かった。正義なんて本気で言ってたら嫌だったんですけど、あいまいでうわついた言葉とわかっていながら、あえてそれを利用しようってのがね。でも、これで食いついてくる人は多いのかな。私みたいにひねくれた人間だと、正義なんて言われるとかえって信用したくなくなるんだけど(笑)。

ブロッシュ軍曹、気づいたかな…? 合流しちゃったりする? って、あんまり役には立ちそうもないけど(酷)。でも、いつか二人を会わせてあげたい気持ちです。

マスタング大佐。エンヴィーと会ったらそうなるんじゃないかと思ってたけど、思ってた以上に迫力が凄かったです。これまでに見たことのない表情です。完全に悪人面…。しかし、エンヴィーが中尉に化けてマスタング大佐を油断させようとしてるのかと思ったら、まさか逆だったなんてなぁ。

「大佐はね、二人きりの時 私の事「リザ」って呼ぶのよ」――この言葉には面食らった。「え? そうだっけ? いやそんなことは…」とワタシ、狼狽えまくってたら、あっさり「ウソよ」って…! 素敵すぎるぜ、中尉…!! 撃ちまくるところもかっこいい!!

このままマスタング大佐が敵討ちを遂げる…ってことになるかと思ったら、そんな簡単な話じゃなかったんだ。そういう展開になるとは少し驚いた。憎しみを晴らす行為は良くないことだとはわかってたんだけど、エンヴィーはどのみち戦わなければいけない相手だったから、別にいいんじゃないかと思ってしまってました。でも、考えてみれば、マスタング大佐の気持ちには復讐しかない状態だもんな。一度その気持ちに身を委ねてしまっては、もう戻れないものなんだろうか? マスタング大佐なら気持ちに整理をつけて元に戻れたんじゃないかと思うのは甘いのかな。

エンヴィーは「ボロぞーきん」という言葉がお気に入りのようです…(笑)。

自分を銃殺に来た兵士たちも指揮してしまうオリヴィエ。やっぱり素敵すぎる…!

イズミ師匠きたッ! しかも、あえて「主婦だ」(作法だったんだ…)ではなく、「錬金術師だ!!!」と名乗ったのがいいね! 今まで主婦だと名乗り続けていただけに、これはズキュンと効きますよ。本気度がわかるというものです。くぅっ、次巻も楽しみだ!!

▼鋼の錬金術師 感想等
鋼の錬金術師@SKY BLUE

ランキングに参加しています

コメント一覧

瑞原唯子
コメントありがとうございます
http://celest.serio.jp/
月葉さん、初めまして。コメントありがとうございます!

このシーンのリザは良かったですよね! 「ウソよ」は素敵すぎます!!
本当にいい意味で畳み掛けるように予想を裏切ってくれました。
混乱しかけたところで、シンプルな言葉で解明してくれるというのも
すごく上手いなと思いました。

私もロイはあのままとどめを刺しても良かったんじゃないかと思って
しまったんですけどね。難しい話ですね…。実は、スカーも完全には
戻れていなくて、消えない何かが残ってしまったのかもしれません。
普通に生きていくだけならともかく、トップに立とうという人間に
そういうものがあってはならない…ということなんでしょうかね。
月葉
ウソよ
はじめまして瑞原様。私も「ウソよ」にシビれました。その後、銃を撃ちまくるのもカッコよくて、弾の無駄使いも許してしまいます。冷静になると対ホムンクルス戦の場合は、もうちょっと間隔をあけて再生してから撃とうよ…確実に勝つ(=生き残る)為に~と思うのですが、そんな事はどうでもよく…(笑)

偽者はリザさんかと思えば、ロイさんということから始まっていい意味でこちらの予想を裏切り続けてくれる下りも最高で、「えぇ~っ!?」とパニクりかけたところに冷静な台詞で元に戻るのも楽しかったです。

あと、スカーもビビるほどの悪人面になったロイさんはとりあえず終わるまで暴走させておいても良かったような気がします。いっそお父様がいる付近もドサクサにまぎれて大爆炎で焼いておけばいいのに…とあさはかに思ったくらいですし。スカーも結果的に戻ってこれたんですから。…ってやっぱり甘いんでしょうかねぇ…
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「鋼の錬金術師」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事