セバスチャン・リー(Sebastian Lee, 1805-1887)の練習曲は弾いたことがなかったのですが、シュレーダー教本に収載されているのを発見し、現在、練習中です。
チェロ教室で奨められたシュレーダー教本はシュレーダーの作以外も含んだアンソロジーです。私は26番から始めたので、15番として採用されているリーは落ちていました。先日、偶然、リーの名前が目にとまり弾いてみることにしたのです。
というわけで、ウェルナー、ドッツァー、シュレーダーとやってきて、おそらく、ここで出会わなかったらリーを弾くことはなかったでしょう。
もとは、リーの「40のやさしい練習曲」作品70の第1番です。リーの曲はシュレーダーに計9曲収載されていますが、初心者向けで、ピアノのバイエル(1806-1863)に似ていなくもない印象があります。
しかし、やさしそうに見えて実際に弾いてみたら難しいので少々焦りました。単純なだけに音程の悪さがはっきりしてしまうのです。これは音程の矯正、つまり、左手の訓練にはちょうどよいと思い、フィヤールと併用しています。採用したシュレーダーに感謝しつつ。∎
実は、リーに接するのは初めてではなく、チェロを始めた頃にシュタルケルのCDを買い、そこにリーのop. 70から4曲(第4、11、20、24番)が収録されていました。しかし、当時は、習い始めたドッツァーのみを聴いていたのでした。
今さらですが、聴いてみるとその速さに驚かされます。私には無理(笑)。
”The road to cello playing” Janos Starker, violoncello. 1997. Parnassus PACD 97-008.
デュポール、ピアッティ、ポッパー等、多くの練習曲を含んだCD。録音は1967年頃。
リーの1番です。私はこの速度を目指します。
Lee, Op. 70, No. 1 (Schroeder #15)