昨日、柏市内で行われた講演会に行ってきました。
講演では、現柏市の南部にあった旧陸軍の藤ケ谷飛行場を中心に、周囲の柏、松戸、印旛等の飛行場について、当時の防空体制についても具体的な説明がありました。
藤ケ谷飛行場は、敗戦直前の昭和19年(1944)、ゴルフ場を接収して工事に着手、昭和20年6月に完成をみた飛行場で、そのためか、資料は少ないようです。
講演では、日本側の資料のみでなく、米軍資料も用い、特にB-29の偵察による航空写真や報告書類によって藤ケ谷飛行場が次第に整備されていく様子が紹介されました。
米軍は、最初は朧気ながらも着実に状況を把握していったのです。最終的に、航空機の機種や高射砲の位置など軍事施設は明らかにされていました。
それにより、攻撃の準備が為され、米軍戦闘機などから空襲を受けました。
なお、藤ケ谷飛行場は、戦後、米軍に接収され白井航空基地となり、返還後は海上自衛隊下総航空基地となりました。
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かつて、軍都であった柏には多くの軍事施設がありました。飛行場はその代表的なものであったと思います。周辺地域のそれも含めて、戦後は住宅地、工業団地などとなって痕跡をとどめるものはほとんどありません。また、資料も敗戦により多くはありません。米軍の資料はそれを補うものとして、大変貴重な存在であることが分かり有意義な講演会でした。∎
※当日は、試作戦闘機の「秋水」関係の話題がありましたが、ここでは割愛いたします。
講演会「藤ケ谷飛行場を探る ー米軍資料と秋水燃料庫調査ー」
日 時 2024年5月19日(日)14:30~16:00
場 所 柏市中央公民館
講 師 櫻井良樹氏(麗澤大学教授、柏歴史クラブ副代表)