シャルドネに恋をして

一房の葡萄に恋をした酔っぱらいの一人言

耳を切り落としたのは...なぜ…?

2018-03-30 00:24:56 | シャルドネ

 1853年3月30日 フィンセント・ヴァン・ゴッホ誕生。

 

「人間の表現したものの最終的な評価は人間の公平な判断に帰せられる。

 そっぽを向いていた同じ人間が世の評価に追随して、今度は賞賛の眼差しを向ける時が来る。

 それを想像するだけでどんな苦難も乗りこらえれるが、

 実現するには一定の年月が必要であれば、甘んじて辛酸を舐め続けなければならない。

 ー最悪ばかりか、精神にはいい餌になるー 」

    <耳を切り取った男 / 小林 英樹 著>より

 

 1890年7月27日に拳銃自殺。

 絵画には興味のない人でも”ゴッホ”という画家の名前は知っていると思う。

 彼の絵は、生前1枚しか売れなかった。

 

☆アルデッシュのシャルドネ姫とそのお供

 

 

☆Grand Ardeche Chardonnay 2014 / Louis Latour

  今宵のシャルドネ姫は、フランスのI.G.Pアルデッシュの格付けで、200年以上も続く家族経営のワイナリー「ルイ・ラトゥール」生まれの姫です。

 濃い黄金色を放ち、熟した桃の香りをゆっくりと放ち、優しい酸味を心地よく放つ、魅力あふれるシャルドネ姫です。

 

☆ホタテの貝柱のバジリコ風味

  ホタテの旨味が凝縮された貝柱には、樽香を漂わせるシャルドネ姫と相性バッチシのご対面です。

 美味しさ満喫のひととき…

 

 ☆アスパラとステック・セニョール&ひき肉とトマトのパプリカ・キッシュ

  赤パプリカには、アスパラ&ステック・セニョールを詰め込みアパレイユ(卵と生クリーム)を流し込んでチーズをのせて焼き上げ。黄色パプリカは、ひき肉と玉ねぎを炒めアパレイユ、そしてトマトとチーズをのせて焼き上げました。

 どちらにも、シャルドネ姫は楽しくランデヴー。美味しさ満喫。

 

 

 1888年 ゴッホは南仏アルルの黄色い家に移る。そして、尊敬するゴーギャンを招き共同生活が始まる。今でこそ巨匠といわれる二人だが、当時の二人はその日暮らしの貧乏絵描きだった。ロマンチストのゴッホとリアリストのゴーギャン。始めから油と水の関係の二人、ゴーギャンは去り、ゴッホは耳を切り落とした。

 周りの人から理解されなかったゴッホ。

 

♪ 星の降る夜 パレットを青と灰色に塗って

 夏の日を見ている

 私の魂の中の闇を知る目で

 ~

 あなたが私に何を言いたかったのか、今はわかる

 あなたは正気さを求めて、いかに苦しんだことか ♪

  ドン・マックレーンが彼のことを優しく歌い上げています。

 

Vincent (Starry Starry Night) Don McLean


フーチークーチー・マンは俺のこと…???

2018-02-25 00:34:05 | シャルドネ

 今宵のシャルドネ姫を探しに夜散。

 我が家から歩いて直線20分の酔っ払っても歩いて帰れる射程距離内の『サボテン食堂』。

 食堂と書いてありますが、食堂ではなくブルースしかかからない飲み屋さん。

 扉を開けると「ニャ~ン」と店の看板猫『フーチー』が歓迎してくれる。

 次にマスターが力一杯の笑顔で迎えてくれる。

 私の憩いの空間です。

 

 

 ☆CRISTOBAL1492 / DON CRISTOBAL

 今宵の出逢いは、南米アルゼンチンのメンドーサ生まれのシャルドネ姫です。

 エチケットの帆船の絵と1492は、コロンブスの新大陸発見を表している。つまりこのワインには新しい発見が待っているようだ。

 黄金色に輝き、南国の香りとキリっとした果実味あふれる酸が魅力を引き立たせているシャルドネ姫です(*^▽^)/★*☆♪

 

 ☆ホタルイカの酢味噌和え

 

 

☆フグのみりん干し

 

 

 ☆鹿のロースト(金沢産)

 

 

☆ブリ大根 

 

 

☆看板猫『フーチー』

 

 

☆マスターの杉浦さん

 

 

☆店内は友達の家へ遊びに来た雰囲気

 

 

☆何故かミック・ジャガーとの記念撮影

 杉浦氏は若い頃テレビ局のディレクターをしており、その時フランスのあるパーティーでミック・ジャガー氏に会われたそうです。ー羨ましい 

 

☆リクエストすればブルースを歌ってくれます。ぼやけてスミマセン。

 

 

☆ブルースが好きだと言えば、すぐにLIVEが始まります。

 

 

 

 ☆お店の看板

 ◎サボテン食堂  石川県金沢市笠舞3-1-1 ※ネット検索してもあまり情報はありません

 

 看板猫の『フーチー』は、ブルースの巨匠マディー・ウォーターズの名曲『フーチー・クーチー・マン』からつけたそうです。以前は相棒『クーチー』もいたそうです。

 たいていの人は、この歌の曲名は知らないけど、このリズムとギター・リフを聴けばどこかで耳にしたことがあるような…という気にさせる歌です。このギターのリフについては、こういう話があります。

 マディー・ウォターズが『Hoochie Coochie Man』を発表したあと、ロック・ミュージシャンのボ・ディドリーがこのギター・リフをそのまま使った曲『I Am A Man』を発表。それを聴いたマディー・ウォーターズは、それに答えるかのようにまた同じギター・リフを使って『Mannish Boy』を録音。(ここは大物マディーですね。盗作だと訴えずアンサーソングをつくるとは流石)このギター・リフだけで3曲も作られている。1リフで3度美味しい話です。

 この3曲とも歌の内容は下ネタで、フーチー・クーチーは黒人スラングで男と女の性器のことをだそうです。当時、白人社会では黒人スラングを知らないため放送禁止にならずに大ヒットしたそうです。アイ・アム・ア・マンは、みんな順番に喜ばせるから待っててくれという精力絶倫の男の歌で、マニッシュ・ボーイはそのもう一歩上の男のことを歌っています。

 今宵は、新しい発見があったのでは…知っていた!…残念

 

♪Muddy Waters & The Rolling Stones Live | Hoochie Coochie Man | PBS


生きながら葬られて…

2018-02-21 23:29:00 | シャルドネ

 南米コロンビア出身のノーベル賞作家ガブリエル・ガルシア・マルケスの短編小説『ブラカマン 奇跡を行商していた善人の物語』の話です。

イカサマ、ペテン師のブラカマンは、“僕”を父親から安く買取りペテン師の修行をさせようとした。でも役に立たなく、そのためブラカマンは怒り、牢に閉じ込め暴力を振う。“僕”は突然に神の啓示を受けたかのように歩けない人を歩かせ、盲目の人に光を与えて奇跡を起こした。唯一、死人を生き返すことだけはしなかった。でも”僕”は、ペテン師ブラカマンが死に彼のトランクに入れられ埋葬された時に...


 

 ☆シャルドネ姫と善人な料理たち

 

 

☆The Y Series unwooded chardonnnay 2014 / YALUMBA

 南オーストラリア・バロッサ生まれで樽に入らずに育った、素直で元気なシャルドネ姫。

 ヤルンバは1849年創業のオーストラリア最古の「家族経営ワイナリー」であり、南半球で唯一樽を自社で作っているワイナリーです。(でも、このシャルドネ姫は樽育ちではありません)

 エチケットの鳥は、オーストラリアに生息するロウバシガシという絶滅危惧種のイラストです。

 輝く黄金色で、熟した桃のような甘い香りを放ち、すっきりとした酸味が魅力のシャルドネ姫です。

 

 

☆ビンチョウマグロ&サーモンの人参ドレッシング

  市販の人参ビネガーとオリーブオイルを混ぜて作ったドレッシング。

 あっさりビンチョウマグロと脂のあるサーモンを交互にシャルドネ姫と抱き合わせる。平穏無事な休日の夕方みたいな時間が過ぎていきます。ご満悦。 

 

☆ジャガイモとアンチョビ炒め

 かために茹でたジャガイモをニンニクとアンチョビ・フィレで炒めたシンプル料理。 

 ジャガイモのほくほくとアンチョビの塩っ気が食欲をそそり、シャルドネ姫が参加すれば食欲・飲欲満開の展開。飲みすぎてしまいます。

 

 ☆カキのソテー

  これもシンプルにカキを片栗粉をまぶしてさ~っと火を通して、ヒマラヤ岩塩をミルで振りかけて出来上がり。ふっくら食感のカキの風味と天然塩。このシンプルさにアンウッディドのニュートラルなシャルドネ姫。何も邪魔するものはなくカキと姫の世界。ご満悦です。

 

 主人公“僕”は、ブラカマンを墓の中で生き返らせた。トランクの中で生き返ったブラカマンは叫ぶ、やがて息が途絶える。そして、また生き返らせる。“僕”が生きている間ずっと・・・ブラカマンに永遠の「生」を与える。

 生きるとは何か。生きるためにイカサマをして世の中を渡る男と何もできずに善人として生きる男の生と死。そして善と悪。マルケスは常に問いかける。

 

 今宵の楽曲は、1970年10月4日に27歳の若さで亡くなったジャニス・ジョップリンの♪生きながらブルースに葬られ♪。ジャニスの死の前日にバンド録音されて、あとはジャニスの歌が吹き込まるだけだった。遺作「PEARL」では、この曲だけが歌が入っていません。多分、墓石の下から彼女の歌が聴こえてくるだろう。

 

♪Janis Joplin - Buried Alive In The Blues (HQ) ♯5

 


悪魔に魂を売った男に憧れて…

2018-02-18 00:01:33 | シャルドネ

 

 悪魔に魂を売った男といえば、自分の夢と引き換えに悪魔と契約したゲーテの「ファウスト」が有名ですが、音楽好きの自分が思い浮かぶのはブルース・マンの「ロバート・ジョンソン」です。

 夜中、国道61号線と49号線が交わる十字路で悪魔に魂を売り渡して、ギターテクニックを手に入れたというクロスロード伝説。

 彼は伝説のブルース・マンとして名を残してはいるが、ギターを片手にジゴロ的な人生を送り、27歳で天に昇るまで生き尽くした彼の人生は「女」で、最後は手を出した女の男に毒を飲まされたようだ。

 悪魔に魂を売ったというよりは、彼が悪魔だったのかも…。

 

 

☆シャルドネ姫と悪魔の料理 

 悪魔の料理と書いたけど美味しくない訳じゃないですよ。単なる話の流れだけのネーミング…。

 

☆Casillero del Diablo / Concha Y Toro

 

 南米チリが誇るワイナリー”コンチャ・イ・トロ社”の「カッシェロ・デル・ディアブロ」。直訳すると”悪魔の蔵”。

 このワインは美味しすぎて盗まれるので、 創設者のドン・メルチョーは「この蔵に悪魔が棲んでいる」と言って、このワインを守ったらしい。

 悪魔の洗礼を受けた今宵のシャルドネ姫は黄金色に輝き、甘~い南国の果物の香りを漂わせ、焼き印で焦がしたテイストを感じさせる恐ろし~い小悪魔なシャルドネ姫です。いやいや、小悪魔は嘘です。チリらしい果実味あふれる魅力的な姫です。

 

 

☆ネギトロとアボカドのサラダ

 

 最近知りました。ネギトロはまぐろのたたきとねぎを混ぜ合わせてあるからいうのではなく、まぐろの中落ちの身を皮・骨からねぎとる(そぎ取る)からネギトロになったことを。いくつになっても知らないことばっかしです。

 魚の脂身と植物の脂身、悪魔の洗礼を受けた樽育ちのシャルドネ姫には最高のお相手。呪文が口の中で唱えられます。

 

 

☆鶏肉の魔女風焼き

 名前からして恐ろしい名前の料理。名前の由来は鶏一羽を開いて焼くと悪魔がマントを広げたように見えるからという説、赤唐辛子などのスパイシーな味付けで口の中が火が付いた状態になるからという説、まだほかにあるようですが自分はどれでも良いです。

 今回は赤唐辛子は使わずに、ニンニク、ローズマリー、オリーブオイル、塩で味付けをして最後にパプリカを力いっぱいかけます。この料理の決め手は、皮をパリッと焼き上げること、この香ばしさが魅力的です。この香ばしさには悪魔の蔵育ちのシャルドネ姫はなんにもためらいもなく魔女の鶏肉と抱擁しあいました。すると口の中は”奥様は魔女”状態。※美人魔女に魔法をかけられて心地良い状態のこと(勝手に言っている造語です)。


☆マッシュルームと海の幸のアヒージョ

 ニンニクとオリーブオイルで好きな食材をじっくり煮込む、簡単といえば簡単な料理。

 食材はホワイト・マッシュルーム、ブラウン・マッシュルーム、エビ、ホタテ貝、ハマグリ、ワタリガニで、どれも旨味を出す優れものです。この旨味を含んだオリーブオイルをバゲットに含ませて食べると小悪魔なシャルドネ姫に魔法をかけられたように”手と口が永久運動”になります。※やめられない、とまらない状態のこと(また、好き勝手なことを書いてスミマセン)

 

 

 『悪魔に魂を売る』ということは、「人の道から外れる」、「犯罪を犯す」など倫理的に良くない行動を言います、と物の本には書いてあるが、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトンなど数多くのロック・ミュージシャンに悪魔に魂を売った男が愛されています。自分も悪魔に魂を売って、残りの人生を愛されるギターリストになろうかな…なれるわけないだろう、相変わらずバカなことを言っている酔っ払いです。

 

 

♪Robert Johnson- Crossroad  

 

 

 


誰もが、「名前のない馬」になればいいのかも...

2018-02-03 22:16:54 | シャルドネ

地球にはいろんな生き物が存在する。その中で、個に名前を持って生きているのは人間だけだ。

名前を持つことで社会というものができている。

みんなに名前がなかったら世の中はどうなるのか?

 

 

☆シャルドネ姫と名前のない仲間たち

 

 

☆PANAMERA Chardonnay / Story Ridge Vineyards

 カリフォルニアはナパ育ちのシャルドネ娘です。

  パナメラという名前を聞けば、車好きな方は『ポルシェ・パナメラ』を思い出しますが、ワイン好きは亡き川島なお美さんの結婚式のワインを思い浮かべることでしょう。名前の由来はアメリカの南北を走る「Pan-American-Highway」のスペイン語「CarreteraPanamericana」からとったらしいです。エチケットは、カリフォルニアのシンボルの灰色熊で力強さを表しているそうです。

 このシャルドネ娘は、もちろん力強いカリフォルニア・ガールです。

 輝く黄金色で、柑橘系+マンゴーの香りが漂い。口に含むとスパイシーでありながらハチミツの風味を出す、魅力あふれるシャルドネ娘です。

 

☆ブリの炙り

 近状の魚屋さんのブリの炙り。炙られたブリの芳ばしいテイストとシャルドネ娘の樽育ちからのハチミツ・テイストが気持ちよくマッチング。ブリの美味しさが引き出されて超ご満悦。

 

☆ポルチーニのペンネ

  

 

 PENNETTE AL TARTUFO(CASALE PARADISO) ペンネトリュフという商品名だが、原材料をみると乾燥トリュフは1%であとは乾燥ポルチーニだった。

  

 市販のパスタを湯がいて、ソースもなくパルメザンをふりかけただけです。

 ポルチーニがしみ込んだペンネにシャルドネ娘が抱き合うと口の中がアプリコットの余韻になった…これは想定外の相性。こういった出会いがワインの楽しみです。

 

 

 

 ☆サーモンとサワクリームのキッシュ

 

 

  生地の上に牛乳を加えたサワークリームを敷き、ニンジン、セロリの千切りをのせ、サーモンを並べてアパレイユを注ぎ、チーズを散らしてオーブンで焼き上げました、

 サーモンとサワークリームは間違いなしの相性。そこにハチミツ・テイストのシャルドネ娘、美味しさ最上級!間に挟んだニンジン、セロリの食感が美味しさに勢いをつけます!! 

 

 

 1972年にヒットしたアメリカというバンドが歌う『名前のない馬』。

 ♪

 名前のない馬に乗って旅に出る

 植物、鳥、岩、砂漠…すべてつながっていると感じる

 世の中は生命の輪廻でつながっている

 生かされている自分、そしてまわりの生命、すべて大事にしなければいけない

 人間以外は名前がない

 名前がなくてもこの世界に必要だから命を授かっている

 名前を呼びあう都会には愛がない

 名前のない生き物がすむ大地には心がある

   ※自分勝手な歌の解釈です。

 

 何が言いたいのかというと、世の中は人間だけで成り立っているのではない。小さな命の生き物から海、山、砂漠といった自然、すべてつながっている。緑の森が砂漠になったり、砂漠が大海原になったりする。都会の表面だけの世界じゃなく、自然を大事にしようということです。

 

♪A Horse With No Name (名前のない馬) / AMERICA