シャルドネに恋をして

一房の葡萄に恋をした酔っぱらいの一人言

ささやかな楽しみ

2017-10-26 20:53:40 | シャルドネ

 「ささやかな楽しみ」

 現代人の生活の根幹をなしている寸秒を惜しむ気持ち、このあわただしさこそが、楽しみの最大の敵であることは疑う余地もありません。

 ~ 略

 つまり余暇の楽しみ方さえも、仕事をする場合の性急さとほとんど同じように、いらただしい、心身をすり減らすようなものになってしまったのです。余暇の行楽や娯楽でも、「できるだけ多く、できるだけ多く」というのが合言葉になっています。その結果、ただの気晴らしばかりがふえて、ほんとうの楽しみは減る一方になってしまいました。

 ~ 略

 時間不足と、意欲の欠乏に悩まされているあらゆる人に、私が勧めたいと思うことは、毎日できるかぎり多くのささやかなよろこびを味わって、かなり大がかりな、私たちを疲れさせるような娯楽は、休日や暇のあるときにとっておいて、小分けにして味わうことです。とりわけ私たちの生活の回復や、日常の重荷からのストレス解消のために、大がかりな娯楽ではなく、ささやかな楽しみがよいのです。

                           (1899年)

       ※『地獄は克服できる/ヘルマン・ヘッセ』 フォルカー・ミヒェルス編、岡田朝雄訳

 

☆今宵のささやかな楽しみ

 ヘッセはささやかな幸せを楽しむのには、「節度を守る」と記しています。誰もが劇場、オペラハウス、コンサートホール、美術館、娯楽施設などへ行き、最新の情報に通じ、時代の先端にいなければいけないという気持ちを持っており、この気持ちを減らすことを「節度を守る」と言っています。

 「節度を守る」習慣と「ささやかな楽しみ」を楽しむ能力とは緊密に結びついており、適度な快活な気分が愛情と詩情を生み、毎日自然と接触することから『ささやかな幸せ』が生まれると語っています。

 私も食べ過ぎ、飲み過ぎの節度を守ることにしよう...

 でも、この程度の節度では愛情、詩情は生まれないかも...。

 

☆Jermann Chardonnay

  今宵のシャルドネ姫は、イタリアの『白ワインの聖地』と言われているフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州生まれ。

 イエルマン家は、1881年にオーストリアから移住し、ワイン造りを始めています。1960年代に4代目のシルヴィオ・イエルマン氏がアルコール度数が高く重たいワインから豊かなアロマを求めるワインを目指しました。イエルマンのワインが世界に名高く知られるようになったのは、シャルドネをバリック熟成で造った『ワー・ドリームス』がイタリアの白ワイン年間1位を獲得したことです。

 今宵のイエルマンのシャルドネ姫は『ワー・ドリームス』のジュニアになります。※いつかは『ワー・ドリームス』とお付き合いしたいと目論んでいます

 ジュニア・シャルドネ姫は、薄っすらと緑がかった輝きを持っており、白い花と梨の香りを漂わせています。テイストはフルーティで酸味は柔らかく、ミネラルを感じさせる淑やかだが芯が通ったシャルドネ姫です。

 シャルドネ姫とささやかな楽しみに酔いしれています。 

 

☆牡蠣とじゃがいものガレット

  牡蠣のミネラル感とシャルドネ姫のミネラル感がピッタンコ!口の中で牡蠣の深い滋味な風味がじわじわと広がっています。

 ささやかな楽しみを味わっています

 

☆タイの白ワイン蒸し 

  タイの旨みとセージが寄り添う。その仲にシャルドネ姫が入り込むとフルーティなテイストが大きく包み込み美味しさ倍増!

 ささやかな楽しみも一緒に倍増中!

 

☆フロマジェダフィノワ&柿 

  この白カビチーズは、香りからして超ミルキー。口に含むととろけ、脂肪分を感じさせない軽くて爽やかなミルキーさ。シャルドネ姫と浮遊中。

 柿とシャルドネ姫が手をつなぐとふんわりと甘さを感じ、合うんだなぁ~。

 シャルドネ姫とささやかな楽しみの中を彷徨っています。

 

  ~ 毎日昇ってくる太陽、その朝日に幸せを感じ

    君との出会いが、朝日よりも幸せなんだ ~   と歌う

       ↓

♪Nick DeCaro - Happier Than The Morning Sun (1974)

 


気宇な男は、プカプカ...プカ

2017-10-19 20:30:37 | シャルドネ

ー 気宇(きう) ー

     デートの朝に寝坊した。

     慌ててシャワーを浴びて、

     慌ててお化粧して、

     慌てて電車に飛び乗った。

 

     マズイ! 1時間の遅刻・・・・・。

 

     そのとき、

     携帯電話に彼からメールが届いた。

 

     「只今、キャンペーン中!

     1時間まで無料で待ちます!

     遅刻するなら、是非この機会に!」

 

   【気宇】  心のひろさ。

   ※恋する日本語 / 小山薫堂 著 より 

 

 

☆バルナークと心の広い友だち

 

 

 自分は、なかなか「心のひろさ」は持てないので、

 今宵はボルドーの名門シャトーから造られたシャルドネ嬢に、

 心を広げてもらっています(*^^*)

 

 

☆le Chardonnay 2014 / Domaine de Baron'Arques

 

 今宵の恋するシャルドネ嬢は、ボルドーの名門「シャトー・ムートン・ロートシールド」が南フランス・ラングドック地方リムー地区で手がけたワインです。

 2000年に、バロン・フィリップ・ロートシールド社は南フランスのヴィニュロン・ドゥ・シュール・ダルク社によるジョイント・ワイナリーを設立。アメリカのロバート・モンダヴィ社、チリのコンチャ・イ・トロ社に続く第3のジョイント・ワインとして注目を浴びました。※2003年からはバロン・フィリップ・ロートシールド社の単独企業となる。シャルドネは2009年から生産。

 少し濃い小麦色に熟した桃の香りを漂わせ、フレッシュな酸味が魅力を輝かせ、ゆっくりとバターの余韻を残すセクシーなシャルドネ嬢です。

 

☆サーモンのソフト・スモーク

 

  生食用のサーモンに塩、白胡椒を振り、ディルを敷き一晩寝かせた後、ヒッコリー・チップで20分間ソフト・スモークしました。

 最初は、スモーク・テイストがシャルドネ嬢の存在を透き通しそうだったが、徐々にディルの香りが浮き出てきた。口へ運ぶたびにサーモン、ディル、スモークの風味が見え隠れした。シャルドネ嬢の温度が上るに従い樽香とスモークテイストが口の中で共鳴。ご満悦。

 

 

☆鶏モモのセージ・ライム・バター

 

  鶏肉、セージ、ライム、バター。臭みを消したり、心地よい酸味を加えたり、味に奥行きを持たせたりして素晴らしく魅力的なハーモニーを奏でます。そのハーモニーにシャルドネ嬢が参加すると各々の個性を保ちながらシャルドネ嬢の魅力も便乗しています。素晴らしいマッチング...ランデヴー。

 

☆ラングル A.O.C

 

  ラングルA.O.Cといえば、フランスはシャンパーニュ地方ラングル高原のウオッシュ・チーズ。そして、チーズの上のくぼみにシャンパーニュ(日本ではシャンパン)をたらして食するの有名。 でも、今宵は南フランス育ちのステイル・シャルドネ嬢と仲良くしています。

 ラングルは、ベニノキから抽出されるアトナー色素を溶いた水と塩で洗う(ウオッシュ)ことで表面はオレンジ色に仕上がります。

 表面は僅かに古い香りがするが、中身は超ミルキーで口の中はとろけます。食べ頃タイミングですが、自分は賞味期限日前後をおすすめします(※今日が賞味期限日でした)。若いと切りやすくて食べやすいですが、もう少し我慢すればミルキーさが倍増します(あくまでも自分の好みです)。食べるときは室温でね。

 ラングルの中身をナイフですくってバゲットに塗り、口に運び、シャルドネ嬢とご対面、この繰り返しは、永遠の幸せを口の中で満ち溢れさせてくれます。

 ご満悦。

 

 「心の広さ」とは何だろう?

 多分、自分に対しては言わない言葉で、相手がいての言葉だと思う。そして、第3三者から見ると、それは「心のひろさ」とは言わない場合もあるだろう。ひとりの人は「心が広い人」と思っても、ある人は「お人よし」、またある人は「馬鹿じゃない」と言うかもしれない。人によって見方が違うのは当然である。

 自分は、この『気宇』のショートストーリーを読んだとき、このようなジョークのある心の広さを持つメールの送り主に惚れた。そして、半世紀近く前に歌われた”プカプカ”の「俺」が浮かんできた。

 でも、今聴いてみると『気宇』なのは「俺」ではなく、「俺のあん娘」のほうだなぁ~と心の中に笑みが生まれました。

 ちょっと「気宇」になったかなぁ~。

 

♪プカプカ 木村充揮×近藤房之助('08)

 

 

 

 


アナケナでロンゴロンゴ

2017-10-17 00:00:39 | シャルドネ

 南米チリ共和国のラバヌイ島(別名イースター島)は、モアイの石像が有名です。

 もう一つこの島で有名なのは絵文字なのか象形文字なのか、いまだに議論されている「ロンゴロンゴ」。

 今宵のシャルドネ姫は、イースター島の北東部にある白砂のアナケナ・ビーチと同じ名の『アナケナ』という名前のワイナリー生まれ。また、ボトルのエチケットはロンゴロンゴのような絵文字のデザイン。

 今宵は、南米チリのミステリーにせまります...

 ※嘘です。ぜんぜん、せまりません。

 

☆アナケナとミステリアスなお友達

  この地球上には、チリのロンゴロンゴをはじめ中東のビブロス文字、モンゴル高原の契丹文字(きったんもじ)など未解読の古代文字がいくつも存在しています。

 

  文字とはいったいなんだろう。

  文字=記号 が思い浮かぶ。

  でも、文字と記号は違うらしい。

  調べてみると。

 

  文字は「言葉」を表す記号。

  記号は「言葉」を表さない。

  どういうことかというと

  文字は言葉を伝達し記録するための記号で、

  直接言葉につながり音声で表現できる。

  記号は言葉にはできなく、音声で表現できない。

  と言うことみたいです。

 

  ささやかな知識ですが、なんか、ちょっと得したような気にさせ、嬉しくなっています。

 

 

 ☆CHARDONNAY 2014 / ANAKENA

  1998年設立の南米チリのワイナリー「アナケナ」。

 この「アナケナ」ワイナリーは、アンデス山脈の麓のラベル・ヴァレーでフェリペ・イバニェス氏とホルヘ・ギンタレス氏の幼馴染が創設しました。

 このワイナリーは山でアナケナ・ビーチは海。まったく正反対の場所。たぶん、「アナケナ」=「イースター島」は私の思い込みだけですなぁ~。

 「安くて美味しい」、そして「プレミアム」なスーパー・チリ・ワインを目指しているワイナリー。

 今宵のシャルドネ姫は、サン・アントニオ・ヴァレーのヴァラエタル・シリーズ。(シャルドネ・ドゥ・モンド金賞)

 やや色気付いた完熟フルーツの甘さとライムの爽やかさが魅力の姫君です。

 

  

 

 ☆豪快カプレーゼ

  豪快カプレーゼの名の如く、チリエジーネ(モッツァレラチーズ)、アイコ(トマト)、バジリコを包丁を入れずにそのままの盛り付けに、ヒマラヤのピンク岩塩とチリ産のオリーブオイル「メリリマ」だけでの味付け。

 全形のままの食材をひとくちずつかじりながらシャルドネ姫とランデヴー。この仲をとりもつオリーブオイルと岩塩がキーポント。このふたつが美味しいと全てが美味しくまとまります。

 お満悦(*^▽^)/★*☆♪

 

 

☆甘エビとアボカドのゴルゴンゾーラ焼き

 ホッコリしたアボカドと香ばしく焼きあがった甘エビにゴルゴンゾーラが香りが味に深みをつけます。

 シャルドネ姫が加わると口の中にほのかな甘さがもうひとまわり広がります。

 超ご満悦です(*^▽^)/★*☆♪

 

 

☆ぶりかまの白ワイン蒸しバジルソース

  ぶりかまをニンニク・オイルで焼き色をつけ、ワインで蒸し、ぶりかまを出して残り汁にバジリコペーストを入れ煮詰めてソースにする。

   蒸してあるので身はしっとり、ぶりの旨味+ガーリックオイル+バジリコの3強のチームワークは絶妙!そこにシャルドネ姫が加われば黄金のクワルテット。

 ご満悦です(*^▽^)/★*☆♪

 

   ♪飛べない鳥のように羽ばたきもせず

   静かに流れる時を見ていた  

   ひび割れたモアイのように瞬きもせず

   海に降り注ぐ雨を見ていた

                 ↓   

♪Caravan モアイ TOKYO UNITED