猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

立ち去った女

2018-06-01 22:40:39 | 日記
2016年のフィリピン映画「立ち去った女」。

元小学校教師のホラシア(チャロ・サントス・コンシオ)は無実にも関わらず殺人の
罪で30年も投獄されていた。ところがある日、同じ刑務所に服役中でホラシアと仲
の良いぺトラ(シャマイン・センテネラ・ブエンカミノ)が、ホラシアの元恋人ロド
リゴ(マイケル・デ・メッサ)に金で頼まれて殺人を犯し、その罪をホラシアに着せ
たのだと所長に告白し、ホラシアは釈放になる。出所したホラシアは復讐をするた
めにロドリゴを捜す旅に出る。その途中でホラシアは、物乞いの女や卵売りの男や
女装したゲイ(ジョン・ロイド・クルズ)など、社会的弱者たちと出会う。彼らに手
を差し伸べ、惜しみない愛を注ぐホラシア。そんな彼女を慕う者たちの助けにより、
ホラシアはロドリゴへの距離を縮めていく。

第73回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞した作品。とてもおもし
ろかった。全編モノクロームで暗い雰囲気。物語に合わせて暗くしたのだろうけど。
ホラシアは身に覚えのない殺人の罪でもう30年も服役している。諦めて刑務所の生
活を普通に営んでいるホラシア。ある日所長に呼び出され、「おめでとう、釈放よ
!」と告げられる。訳がわからないホラシアだったが、殺人の真犯人はぺトラで、
ホラシアの元恋人のロドリゴに依頼されてホラシアに罪を着せたことを、ぺトラが
所長に告白したのだった。その後ぺトラは自殺する。ロドリゴはホラシアが自分と
別れて別の男と結婚したのが気に入らなかったのだ。そんなことで、ホラシアは殺
人犯として30年も投獄されていたのだ。
ホラシアと所長が語り合うシーンが好きだ。長い間服役していて特に問題も起こさ
ない囚人とは友達のようになるものだろうか。所長はホラシアに「こんなところに
30年も…」「何でも相談して。友達でしょ」と言い、ホラシアは泣く。とてもいい
シーンだ。
出所してロドリゴへの復讐を決意するホラシアだったが、何故か彼女は物乞いの女
や卵を売って妻子を養っている男や女装した男などと知り合う。彼らはフィリピン
の貧困を象徴する存在である。卵売りの男の家は「これ、家?」と思うような粗末
なもので、ここに家族数人が住んでいるのかと驚かされる。妻は働いていないのだ
ろうか?ゲイの男は数人の男たちに暴行を受け、重傷を負うがホラシアに助けられ
る。ホラシアは何の関わりもないその男を献身的に世話をする。ホラシアは元々慈
愛に満ちた女性なので弱い立場の人が自然と近寄ってくるのかもしれない。
ラストは多分そうなるだろうな~と予測した通りになった。3時間48分と長い映画だ
が、それほど長さは感じなかった。去年映画館で観た「ローサは密告された」もそ
うだったが、本当にフィリピンは貧富の差が大きく、貧しい人たちはとことん貧し
いのだなあ、と思った。ロドリゴは富裕層の象徴である。フィリピンの貧困問題は
いつか解決するのだろうか。「ローサは密告された」の主演女優はカンヌで女優賞
を獲得したし、フィリピン映画は日本映画映画を超えたと思う。



ノエルかわいい~っ!(≧▽≦)←親バカ







ベルもかわいいよ(^o^)








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